【8月19日・20日新馬戦】超一流の血統と言っていいだろう 2017年新馬

【新潟デビュー】

※日曜新潟5R 芝1600m※
ノチェブランカ 牝2
馬主:吉田勝己
厩舎:(美)国枝栄
父:ディープインパクト
母:ナイトマジック(母父:Sholokhov)


【馬名の意味・由来】
白夜(西)

【コメント】
母はバーテン大賞、独オークスを勝った名牝のナイトマジック。ナイトマジックの母父であるショロコフはイタリアのマイルGIが唯一のタイトルだが、愛ダービーとエクリプスSで2着の実績もあったサドラーズウェルズ産駒。母系の3代前にいるモンズーンも多くの活躍馬を輩出しており、その母系はなかなか重厚だ。ただし、この手の繁殖牝馬とディープインパクトとの相性がいいかどうかとなるとまた別の話で、この馬の上にあたる2頭の兄姉は、どちらもディープインパクトが配合されながら、現時点で2勝止まりと思ったような成果を上げられていない。


デルニエリアリテ 牝2
馬主:山口功一郎
厩舎:(美)栗田徹
父:ゼンノロブロイ
母:トキオリアリティー(母父:Meadowlake)


【馬名の意味・由来】
最後の現実(仏)。母の最終産駒であることから

【コメント】
ディープインパクトとの配合で生まれたリアルインパクトはオーストラリアで、ネオユニヴァースを父に持つネオリアリズムは香港でGI勝利を達成。他にも7勝をマークしたアイルラヴァゲインはエルコンドルパサー、5勝を挙げているレアリスタはステイゴールドと交配相手を替えても結果を残している母トキオリアリティーは、相当なレベルの繁殖牝馬と言えるだろう。メドウレイク、インリアリティーを持つ彼女のスピードが活躍の要因と考えられるが、結果を残してきた馬の父はいずれも相当な切れを有していた。少しジリっぽい印象のあるゼンノロブロイとの配合でどうかとの懸念は少なからずある。


【札幌デビュー】

※土曜札幌5R 芝1500m※
ミカリーニョ 牝2
馬主:(有)サンデーレーシング
厩舎:(美)木村哲也
父:ハーツクライ
母:ミスエーニョ(母父:Pulpit)


【馬名の意味・由来】
私の恋人(西)

【コメント】
半姉は昨年のファンタジーSを制したミスエルテ。同馬の父であるフランケルは説明不要の名馬だが、プルピット×ヘネシーという組み合わせだった母ミスエーニョとの配合ではスピードが勝ち過ぎてしまった印象がある。サンデーサイレンス系とスピード色の強いアメリカ血統との配合パターンは、すでに多くの成功例を出しているが、今回の父はサンデーサイレンスの後継種牡馬の中でも長距離に実績のあるハーツクライ。スピードに偏った母系のサポートをするだけでなく、ハーツクライの産駒でありながら、マイルを楽にこなす可能性まで残した妙味のある配合となっている。


イルーシヴグレイス 牝2
馬主:(有)キャロットファーム
厩舎:(美)堀宣行
父:ディープインパクト
母:イルーシヴウェーヴ(母父:Elusive City)


【馬名の意味・由来】
言葉では言い表せないほどの人を引きつける魅力。母名より連想

【コメント】
母は仏1000ギニーの勝ち馬で、2つ下の全弟は今年のセレクトセールで5億8000万円という史上2番目の高値で取り引きされた。私も同馬をセレクトセールで見たが、その値段はさておき、注文を付けるところがどこにもない非常にいい馬という認識がある。さて、その姉はどうだろうか? 長距離適性の高いレインボークエストにイルーシヴクオリティ×デイジュールという豊富なスピード血脈を持ったイルーシヴシティを配合。最後にディープインパクトの切れを重ねることで、日本の芝への対応力を付けた配合は非の打ちどころがない。4代前にはニニスキという底力豊富な馬の名前にも注目。超一流の血統と言っていいだろう。


※日曜札幌5R 芝1800m※
ルーカス 牡2
馬主:(有)シルクレーシング
厩舎:(美)堀宣行
父:スクリーンヒーロー
母:メジロフランシス(母父:カーネギー)


【馬名の意味・由来】
「光をもたらす人」の意味を持つラテン語由来の人名

【コメント】
国内外のGIを6勝した名馬モーリスの全弟。モーリスのイメージは中距離も克服したマイラーだが、その血統に関して言うのなら、マイルよりも中距離以上の距離に適性を感じさせるものだった。スクリーンヒーロー産駒という表現で扱われることの多かったモーリス。しかし、四白流星の派手な見た目は母系の影響によるものと私は考えている。サドラーズウェルズの産駒は派手な仔が出やすく、祖母メジロモントレーの父であるモガミもそう。掛け合わせの妙でスピード豊富なモーリスという馬が誕生したが、この組み合わせが母系を出しやすいのであれば、長い距離で走る馬が出ても不思議でないと思う。


リシュブール 牡2
馬主:窪田芳郎
厩舎:(栗)藤原英昭
父:キングカメハメハ
母:ラストグルーヴ(母父:ディープインパクト)


【馬名の意味・由来】
ブドウ畑の名

【コメント】
母ラストグルーヴは父にディープインパクト、母に名牝エアグルーヴという超一流の血統背景を持つ馬。1戦1勝で競走馬のキャリアを終えてしまったものの、血統的な可能性は無限大と言っていいだろう。エアグルーヴの血統は多くの馬がすでに結果を出しており、特に相性がいいと考えられる種牡馬がキングカメハメハ。エアグルーヴとの配合でルーラーシップを出しているだけでなく、サンデーサイレンスを父に持つ娘のアドマイヤグルーヴがキングカメハメハとの配合で二冠馬ドゥラメンテを、本馬と同じ父ディープインパクトのグルヴェイグがヴァナヘイムというクラシック候補を出した。ディープインパクトがブルードメアサイアーとなってどうなのかを論じることのできる馬かもしれない。


ゴーフォザサミット 牡2
馬主:山本英俊
厩舎:(美)藤沢和雄
父:ハーツクライ
母:ラグジャリー(母父:Storm Cat)


【馬名の意味・由来】
頂点を目指す

【コメント】
大阪杯を勝ち、安田記念2着などの実績を残したショウナンマイティの半弟。マンハッタンカフェも一流の種牡馬だが、ジャスタウェイを筆頭に多くのGIで結果を出してきたハーツクライのほうが実績上位の種牡馬で、潜在的なスピード、レースでの安定感も上と私は考えている。種牡馬としてデビューした当初のハーツクライ産駒は父のイメージが強かったのか、古馬になって化けるような使われ方をしていたが、近年はクラシック路線に乗ってくる馬も多くなった。育成方法を会得したことも大きいだろうが、母父にストームキャットを持ってきた今回のような配合パターンが増えていることも、その要因のひとつになっていると思う。


※次回の【血統診断 -白井式ブラッドマニュアル-】は8月25日(金)の公開予定となります。

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