輝かしい実績に裏付けられた独自理論から、注目馬の血統をチェック!

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    【10月20日・21日新馬戦】名牝ウオッカの産駒の中では最も期待できる馬ではないか

    【東京デビュー】 ※土曜東京4R 芝1600m※ タニノミッション 牝2 馬主:谷水雄三 厩舎:(栗)中竹和也 父:Invincible Spirit 母:Vodka(母父:Tanino Gimlet) 【馬名の意味・由来】 冠名+使命 【コメント】 名牝ウオッカの産駒の中では最も期待できる馬ではないか、と個人的には感じた。もちろん、その理由は父のインヴィンシブルスピリット。確かに知名度ではシーザスターズやフランケルに見劣るし、シーザスターズやフランケルでもそれなりのスピードを持っているとの意見もあるだろう。しかし、彼らのスピードはあくまで欧州の馬場に向いたスピードであって、軽さと切れがないのだ。一方、インヴィンシブルスピリットは短距離王国のオーストラリアでも通用するほどの卓越したスピードを持っている馬。距離に限界はあるだろうが、これまでの産駒にはなかったスピードを見せてくれるはずだ。 ※土曜東京5R 芝2000m※ サトノジェネシス 牡2 馬主:(株)サトミホースカンパニー 厩舎:(美)堀宣行 父:ディープインパクト 母:マルペンサ(母父:Orpen) 【馬名の意味・由来】 冠名+起源 【コメント】 菊花賞、有馬記念を勝っているサトノダイヤモンドの全弟という血統馬。サンデーサイレンス系との配合により、ヘイローの3×5×4という多重クロスが発生し、それがスピードを生み出す源になると考えているが、ステイゴールドやオルフェーヴルの半姉たちはサトノダイヤモンドほどのスケールを備えていなかった。ディープインパクトとの相性がいいということだろう。サトノダイヤモンドに近いタイプなら、距離の適性は中距離以上。クラシックディスタンスで勝負する馬になる。 ランフォザローゼス 牡2 馬主:窪田芳郎 厩舎:(美)藤沢和雄 父:キングカメハメハ 母:ラストグルーヴ(母父:ディープインパクト) 【馬名の意味・由来】 薔薇のために走れ 【コメント】 エアグルーヴの繁殖成績を見るたび、この馬のすごさを思い知らされる。晩年まで走りながら、これだけの活躍馬を送り出す牝馬は稀で、そのほとんどは自身にはほど遠いレベルの馬しか出せず、仮に出せても時間がかかるもの。ダンスパートナーやフサイチパンドラもそうだった。母父にディープインパクトがいるこの馬の配合は二冠馬ドゥラメンテに似通っており、ドゥラメンテは母父がサンデーサイレンス。普通、母父がサンデーサイレンスから後継種牡馬に替われば、ランクダウンした印象を感じてしまうものだが、それがディープインパクトになると話は別。より軽さが出る可能性がある。 【京都デビュー】 ※日曜京都5R 芝1800m※ ワールドプレミア 牡2 馬主:大塚亮一 厩舎:(栗)友道康夫 父:ディープインパクト 母:マンデラ(母父:Acatenango) 【馬名の意味・由来】 世界規模での上映会を目指して 【コメント】 母マンデラはマイラーズCをレコードで制したワールドエースを輩出している牝馬で、マンデラの半弟になるマンデュロはプリンスオブウェールズSやジャックルマロワ賞などGⅠ3勝の名馬。2400mのフォワ賞勝ちがあるように、距離の融通性は持っているようだが、いわゆるドイツ血統のイメージよりも潜在的なスピードが豊富。軽さと切れのあるディープインパクトとのマッチングに優れているのも理解できるところだ。とはいえ、そろそろ活力に疑問が出てくる時期。この辺りでワールドエースに続く大物を出しておきたい。 エスポワール 牝2 馬主:近藤英子 厩舎:(栗)中竹和也 父:オルフェーヴル 母:スカーレット(母父:シンボリクリスエス) 【馬名の意味・由来】 希望(仏) 【コメント】 青葉賞を勝ち、ダービーでは1番人気の支持を受けたアドミラブルの半弟。この母系の基礎になっているのは、フサイチコンコルドを輩出した名牝バレークイーンで、母のスカーレットの相手には常にディープインパクトが選択されてきた。相当に期待されている繁殖牝馬ということだ。今回、初めてディープインパクトから配合相手が替わり、オルフェーヴルに白羽の矢を立てたわけだが、個人的にはディープインパクトのほうが良かったと思う。その理由は母父シンボリクリスエスの存在。大型で少し硬い面のあった同馬の弱点を補うには、小柄で柔軟性に富むディープインパクトこそがベストであるはずだからだ。 ディープサドラーズ 牡2 馬主:廣崎利洋HD(株) 厩舎:(栗)藤原英昭 父:ディープインパクト 母:メイキアシー(母父:Sadler's Wells) 【馬名の意味・由来】 父名の一部+母父名の一部 【コメント】 母メイキアシーは半弟に英ダービーを勝ったプールモアがいる血統馬で、彼の父がサドラーズウェルズ産駒のモンジューなので、血統構成もかなり似通っている。この配合のポイントは、まさに母父のサドラーズウェルズで、この位置にサドラーズウェルズがいると、欧州競馬にこそ向く同馬の重厚さが解消しきれない。半兄のブラヴィッシモは成功したが、彼の父はディープインパクトよりもはるかにスピードがあるファストネットロックであり、またファストネットロックは自身に似た筋肉隆々の馬を出しやすい傾向もある。ディープインパクトが全面に出てこないと、成功がイメージしにくい血統構成と言えるだろう。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

  • 2018年新馬

    【10月13日・14日新馬戦】ディープインパクトとキングカメハメハはニックスの間柄

    【東京デビュー】 ※日曜東京3R 芝1600m※ グリグリ 牝2 馬主:増田和啓 厩舎:(美)奥村武 父:オルフェーヴル 母:フラニーフロイド(母父:Freud) 【馬名の意味・由来】 回し動かすさま。二重丸 【コメント】 ストームキャット系にディープインパクトの配合はベストともいえる形で、ゆえに同パターンの配合が増えているのだろうが、この馬はディープインパクトを相手に迎えた上の3頭で結果を出せていない。これが微妙。母フラニーフロイドはプライオレスSというGIを勝っているようだが、繁殖牝馬としての能力はどうだろうか? ディープインパクトよりもスタミナ色の強いオルフェーヴルにはスピードを持った繁殖牝馬を用意することが絶対条件だが、気性の激しいストームキャット系の馬は能力以外の面でも心配材料ができてしまう。これもネガティブに考えてしまうポイントだ。 ※日曜東京4R 芝1800m※ ラストヌードル 牡2 馬主:増田和啓 厩舎:(美)手塚貴久 父:オルフェーヴル 母:リュヌドール(母父:Green Tune) 【馬名の意味・由来】 最後+ラーメン。母名より連想 【コメント】 母のリュヌドールはリディアテシオ賞というGIを勝っている馬で、ディープインパクト産駒で来週の菊花賞に出走するフィエールマンは同馬の半兄。その上のルヴォワールも3勝をマークしており、現役時代の成績だけでなく、繁殖牝馬としても優秀と言えるだろう。しかし、その血統に目を向ければ、セールスポイントはスピードよりもスタミナ。凱旋門賞馬のラインゴールドの名が現代競馬に即していないように私には感じる。配合相手がディープインパクトやハーツクライのような馬であれば軽さも出るが、今回のオルフェーヴルは少し微妙。スピードが足りない危険性も考えておいたほうがいい。 【京都デビュー】 ※土曜京都5R 芝1600m※ キュールエサクラ 牝2 馬主:岡本良三 厩舎:(栗)中内田充正 父:マンハッタンカフェ 母:インコグニート(母父:Gone West) 【馬名の意味・由来】 心(仏)+桜 【コメント】 母インコグニートの半弟は京都記念を勝ち、皐月賞が2着でダービー3着のシックスセンス。シックスセンスの父がサンデーサイレンスだったのに対し、この馬はミスタープロスペクター系のゴーンウエストなので、サンデーサイレンス系との配合も可能になっている。ゴーンウエスト×デインヒルの母系は明らかなスピードタイプで、ここにサンデーサイレンス系の切れを加えることができれば、チャンスはある血統だとは思うが、惜しむらくは血統の活力がすでに峠を過ぎている可能性が高いこと。本馬が10頭目の産駒になる母に、そこまでの力は残っていないかもしれない。 ヴィーゲンリート 牝2 馬主:(株)ノースヒルズ 厩舎:(栗)武幸四郎 父:Tiznow 母:Dream Supreme(母父:Seeking the Gold) 【馬名の意味・由来】 子守歌(独) 【コメント】 半兄にマジェスティックウォリアーがいる血統馬。マジェスティックウォリアーの持っているスピードは母父のシーキングザゴールドから来ているもので、それがこの馬にも共通するものだろう。エーピーインディが父だった兄に対し、この馬の父は融通性のあるティズナウ。どちらかと言えばダートだろうが、3代前にはディキシーランドバンドの名もあり、距離だけでなく、芝をこなす可能性もゼロではないと思う。ただし、サンデーサイレンスの血をまるで持たないアメリカ血統の馬は競走生活よりもさらに先──。繁殖に上がってからのことも牧場サイドでは頭に入れている。そこをどのように考えるか、も重要なポイントと言えそうだ。 スパンキーワールド 牡2 馬主:大塚亮一 厩舎:(栗)友道康夫 父:ケープブランコ 母:スプンキーウーマン(母父:アルカセット) 【馬名の意味・由来】 エネルギッシュな+世界。真新しい世界 【コメント】 【同馬の父であるケープブランコは今年の2歳が初年度】。欧州のトップサイアーであるガリレオの後継種牡馬として導入された馬で、その産駒は馬体のいい馬が多い。種牡馬としてのポテンシャルを感じさせる部分もあるのだが、これまでは結果が出ていない。もしかしたら、付けている繁殖牝馬のレベルに問題があるのかもしれない。同馬の母系はダイナカールに祖を持つ優秀なもので、サンデーサイレンスの名までも血統表の中にあるくらいなのだが、残念なことに母父のアルカセットが少しパンチ不足。同じキングマンボ産駒でも、キングカメハメハあたりが母父に入っているようなら、可能性を感じさせる配合になったと思う。 ※日曜京都5R 芝2000m※ カントル 牡2 馬主:金子真人ホールディングス(株) 厩舎:(栗)藤原英昭 父:ディープインパクト 母:ミスアンコール(母父:キングカメハメハ) 【馬名の意味・由来】 歌手(ラテン語) 【コメント】 今年のダービー馬ワグネリアンの全弟。この血統を支えているのは芝でもダートでも鋭い末脚を発揮していた祖母ブロードアピールだろう。ディープインパクトの配合相手に必要なものはスピードで、母父ストームキャットはその典型例とも言うべきものだが、スプリンターとして活躍したブロードアピールはそのスピードを持っている馬だ。しかも、この配合が融通性の高いキングカメハメハを母父の位置に配置している。兄のワグネリアンは菊花賞ではなく、天皇賞(秋)へと向かうことになったが、この血統構成なら距離はそれなりにこなせると私は考えている。ディープインパクトとキングカメハメハがニックスの関係にあることは言うまでもない。 サトノウィザード 牡2 馬主:(株)サトミホースカンパニー 厩舎:(栗)松田国英 父:ロードカナロア 母:ブロードストリート(母父:アグネスタキオン) 【馬名の意味・由来】 冠名+魔術師 【コメント】 ヒシアケボノ、アグネスワールドといった歴史に残るスプリンターを輩出している母系のセールスポイントは非凡なスピード。母父アグネスタキオンもロイヤルスキーの影響を受けた栗毛馬で、サンデーサイレンスの後継種牡馬の中でもスピードに秀でた馬だった。スピードにスピードを重ねていく配合構成は下手にスタミナを入れた血統よりも成功例が高く、この馬のようにスピードを何代にも渡って重ねていく馬は信頼度がさらに上がる。ちなみにロードカナロアの父キングカメハメハとアグネスタキオンの父であるサンデーサイレンスはニックスの間柄。相性が悪いはずがない。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

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    【10月6日・7日・8日新馬戦】繁殖牝馬としての立場に目覚めるのに時間を要するもの

    【東京デビュー】 ※土曜東京5R 芝1400m※ ブーザー 牡2 馬主:金子真人ホールディングス(株) 厩舎:(美)堀宣行 父:マンハッタンカフェ 母:マンドゥラ(母父:Danehill Dancer) 【馬名の意味・由来】 大酒飲み 【コメント】 母のマンドゥラはワールドエースの母として知られるマンデラの半妹。デインヒルではなく、その子であるデインヒルダンサーの産駒というところが少し微妙なところ。距離が延びていいマンハッタンカフェとの配合なら、デインヒルの血をどれだけ伝えられるかが重要なポイントになってくるだろう。幸いにしてマンデラの血統は日本でまずまずの実績を残している。前述したようなスピードを持っていれば、芝の中距離以上で活躍できる馬になる可能性がある。 ※日曜東京5R 芝2000m※ キタノインパクト 牡2 馬主:DMMドリームクラブ(株) 厩舎:(美)藤沢和雄 父:ディープインパクト 母:ボンバルリーナ(母父:シンボリクリスエス) 【馬名の意味・由来】 命名者の名前と父名の一部から 【コメント】 母父にストームキャットを持ってきているディープインパクト産駒は数多くいるが、この馬は母父の位置に距離が延びていいシンボリクリスエスを配置し、ストームキャットは母系の3代目に置いている。これが微妙だ。配合の意図は十分に伝わる。スピード豊富なストームキャットにスタミナのあるシンボリクリスエスを掛け合わせ、ディープインパクトでしなやかさと切れを追加して、硬さの出やすい配合のマイナス面を埋める。だが、それでいて結果を出せていないのは、ストームキャットの位置がディープインパクトから見て少し遠いからかではないか。折角のニックスを生かしきれていないのかもしれない。 ダノンラスター 牡2 馬主:(株)ダノックス 厩舎:(美)堀宣行 父:ディープインパクト 母:プリンセスオブシルマー(母父:Majestic Warrior) 【馬名の意味・由来】 冠名+栄光。栄光を導く存在になることを願って 【コメント】 プリンセスオブシルマーはケンタッキーオークスを筆頭にGIを4勝もしている名牝で、マジェスティックウォリアーの代表産駒というべき馬である。マジェスティックウォリアーは実際に見たことがあり、エーピーインディ×シーキングザゴールドの配合らしいスピード豊富な馬という印象を持っていた。ディープインパクトにとって最適な血統の馬という認識を私は持っており、プリンセスオブシルマーに話を戻せば、彼女の母系にはディープインパクトとニックスの関係にあるストームキャットまでいる。これ以上ないくらいの相性がいい繁殖牝馬かもしれない。 ※月曜東京5R 芝1600m※ ダノンキングリー 牡2 馬主:(株)ダノックス 厩舎:(美)萩原清 父:ディープインパクト 母:マイグッドネス(母父:Storm Cat) 【馬名の意味・由来】 冠名+王にふさわしい。王位に君臨することを願って 【コメント】 ディープインパクトの配合パターンのひとつになっている母父ストームキャットだが、このマイグッドネスという繁殖牝馬は自身の特徴を出し過ぎてしまう印象がある。ディープインパクトとの配合で生まれた2頭の産駒も悪くはないが、交流重賞で大活躍したダノンレジェンドや6勝をあげるダノングッドのように、ダートに特化した馬との掛け合わせのほうが合うのではないか。例えば、ヘニーヒューズならストームキャットの3×2というインブリードが発生。気性の問題はあるものの、相当なスピード馬になることがイメージできる。 【京都デビュー】 ※土曜京都5R 芝1600m※ サトノアクシス 牝2 馬主:(株)サトミホースカンパニー 厩舎:(栗)藤原英昭 父:ディープインパクト 母:ヘアキティー(母父:Wildcat Heir) 【馬名の意味・由来】 冠名+軸 【コメント】 母のヘアキティーはアメリカの1400mのGIを勝っている馬で、母父でフォレストワイルドキャット産駒のワイルドキャットヘアも1200mのGI勝ち馬。ディープインパクトに短距離系のアメリカダート血統という配合は、すでに多くの競馬ファンに認知されているものだが、今回のようにストームキャットが4代も前のポジションにいると、時代の流れの早さを感じる。このような血統構成が成功すれば、今後はストームキャット系の繁殖牝馬が多く導入されることになるだろう。 ランブリングアレー 牝2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(栗)友道康夫 父:ディープインパクト 母:ブルーミングアレー(母父:シンボリクリスエス) 【馬名の意味・由来】 田園や森林などを散策すること+小径 【コメント】 ディープインパクトにシンボリクリスエスという配合は距離延長への対応力が高く、クラシック路線に乗った場合には大きな強みとなりうるが、そこまでたどり着けないような馬は、単純にスピードが不足した中途半端な馬になってしまう。母ブルーミングアレーは過去にディープインパクトとの配合で2頭の産駒を送り出しているものの、思ったような結果を出せずに終わっている。ミスタープロスペクターの名はあるものの、その先にサドラーズウェルズがいる母系はスタミナ型。ここにも問題があるのかもしれない。 ※月曜京都5R 芝1800m※ タンタラス 牝2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(栗)池添学 父:キングカメハメハ 母:ブエナビスタ(母父:スペシャルウィーク) 【馬名の意味・由来】 オアフ島にある丘の名前で、ホノルルの夜景観賞スポット 【コメント】 ブエナビスタは私が管理したスペシャルウィークの最高傑作というべき馬で、スペシャルウィークの特徴でもあったしなやかさを受け継いだ馬でもあった。その潜在能力は相当に高いと思う。これまでの産駒は期待ほど走っていないが、牡馬と互角に走り抜いた一線級の馬は“競走族”になってしまっている場合が多く、繁殖牝馬としての立場に目覚めるのに時間を要するもの。ダンスパートナーもフサイチパンドラもそうだった。キングカメハメハとの配合にケチをつける部分はひとつもなく、3頭目の産駒であるこの馬、もしくは母と同じ黒鹿毛に出た来年の牡馬には期待をかけたいところだ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

  • 2018年新馬

    【9月29日・30日新馬戦】大物が出ても不思議はないはず

    【中山デビュー】 ※土曜中山5R 芝1600m※ サトノルミナス 牝2 馬主:(株)サトミホースカンパニー 厩舎:(美)国枝栄 父:ディープインパクト 母:カトマンドゥ(母父:Country Reel) 【馬名の意味・由来】 冠名+輝く 【コメント】 母父のカントリーリールはダンジグの産駒で、母父はシアトルスルー。潜在的なスピードは十分に持っている馬だろう。それ以外にもヌレイエフ、カロといった種牡馬が名を連ねる母系は、スピード血統との相性がいいディープインパクトにマッチしていると思われる。母のこれまでの産駒はマンハッタンカフェにヴィクトワールピサ。単純に切れが不足していたのではないだろうか。それを補うことができれば、大物が出ても不思議はないはず。 オーキッドテソーロ 牝2 馬主:了德寺健二ホールディングス(株) 厩舎:(栗)矢作芳人 父:ディープインパクト 母:シスタリーラヴ(母父:Bellamy Road) 【馬名の意味・由来】 花の名+冠名 【コメント】 母父のベラミロードはチーフズクラウン系の馬で、この馬がいることで距離の融通性が出てくる。父クラフティプロスペクターのアグネスデジタルが2000mをこなせたのもチーフズクラウンの影響があったからだ。本来、この馬の存在はポジティブに考えるものだが、スピード血統と相性がいいディープインパクトとの配合となると話は別。ディキシーランドバンドの名もある今回は特にそうで、ディープインパクト寄りの馬に出ることが成功の秘訣となりそう。 ※日曜中山5R 芝1800m※ ヴァイスカイザー 牡2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(美)木村哲也 父:ディープインパクト 母:ナイトマジック(母父:Sholokhov) 【馬名の意味・由来】 白い皇帝(独) 【コメント】 母のナイトマジックはバーデン大賞やドイツオークスを勝った名馬だが、その血統は明らかにスタミナ寄り。サドラーズウェルズとモンズーンの配合はヨーロッパで走らせてこそのもので、日本ではスピードと切れが不足してしまう。ディープインパクトという最高の種牡馬を迎えても、その欠点は解消しないだろう。このタイプに合うサンデーサイレンス系の馬はダイワメジャーあたりではないか。切れを捨て、スピードとパワーに思い切り寄せていくイメージの配合のほうが面白いと思う。 エアジーン 牝2 馬主:(株)ラッキーフィールド 厩舎:(美)堀宣行 父:ハービンジャー 母:ラスティングソング(母父:フジキセキ) 【馬名の意味・由来】 冠名+遺伝子 【コメント】 バラード、グロリアスソングに祖を持つ母系の優秀さは語る必要もないもので、近年のターフを賑わしているシュヴァルグランやヴィルシーナ、ヴィブロスもこの血統の出身。彼らの母ハルーワスウィートは父がマキャベリアンで、この馬の母であるラスティングソングの父はフジキセキ。スピード豊富な馬という観点では同じだが、サンデーサイレンス系の種牡馬と配合できるハルーワスウィートとそれが難しいラスティングソングの違いはあるだろう。ハービンジャーと配合したこの馬も決して悪くはないが、より期待が持てるのはロードカナロアを迎えた現1歳馬のほうかもしれない。 【阪神デビュー】 ※土曜阪神5R 芝1800m※ サトノルークス 牡2 馬主:(株)サトミホースカンパニー 厩舎:(栗)池江泰寿 父:ディープインパクト 母:リッスン(母父:Sadler's Wells) 【馬名の意味・由来】 冠名+光(ラテン語) 【コメント】 ディープインパクトとの配合でローズSを勝ったタッチングスピーチを出している母リッスン。しかし、この馬はサドラーズウェルズの産駒で、母父にも長い距離のほうが合うアイリッシュリバーがいる重厚な血統の馬。ディープインパクトとの相性は決して良くないと考えている。産駒のガリレオや孫にあたるフランケルなら違うと思うが、母父の位置にサドラーズウェルズがダイレクトに来ると、スピード不足が顕著になってしまうのだ。高速馬場よりも力のいる状況を好み、距離も長いところになるだろう。 ゴータイミング 牡2 馬主:(株)キーファーズ 厩舎:(栗)松永幹夫 父:ディープインパクト 母:サラフィナ(母父:Refuse To Bend) 【馬名の意味・由来】 瞬間 【コメント】 母のサラフィナはフランスのオークス馬でサンクルー大賞も勝っている名馬。もちろん、期待度は高かったと思う。しかし、サドラーズウェルズ系の馬とディープインパクトの相性は微妙なもので、この馬の場合は母系にシャーリーハイツやトップヴィルまで入っている。一応、ミスタープロスペクターの名はあるが、それは5代血統表の一番端の部分。この位置では影響力を示すには至らず、ゆえに産駒の活躍の場がヨーロッパになってしまっているわけだ。日本向きとは思えない。 サラミス 牡2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(栗)池添学 父:ディープインパクト 母:サロミナ(母父:Lomitas) 【馬名の意味・由来】 ギリシャの島の名前。母名より連想 【コメント】 母のサロミナはドイツのオークス馬。本質的にはスタミナ型と言っていいが、スピード競馬にも対応できるニジンスキー系のロミタスを父に持っていることが最初のポイントで、次のポイントがタイガーヒルの父であるデインヒル。この馬の存在がスピード化が進む日本競馬への対応に希望を持たせている。実際、同配合の姉サラキアが重賞路線でも活躍しており、レコード勝ちも記録している。ディープインパクトのしなやかさが出れば、かなり期待できるのではないだろうか。 ブリッツアウェイ 牝2 馬主:吉田照哉 厩舎:(栗)音無秀孝 父:ディープインパクト 母:スウィフトテンパー(母父:Giant's Causeway) 【馬名の意味・由来】 チェスなどで手を速く指すこと 【コメント】 今週は多くのディープインパクト産駒が出走してくるが、単純に血統構成だけなら、この馬が1番ではないか。スピード豊富なストームキャット系とディープインパクトとの相性の良さはすでに証明済みだが、その中でもジャイアンツコーズウェイは融通性に優れた最高の馬で、母系に目を転じれば、シーキングザゴールドにスルーオゴールド。血統構成上に無駄な馬が1頭もおらず、どこを切り取ってもスピード豊富な名馬の名が出てくるのだ。母のスウィフトテンパー自身もラフィアンHを勝ったアメリカのGI馬。欠点らしいところがない。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

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    【9月22日・23日新馬戦】この配合パターンは最近のトレンドとも言える

    【中山デビュー】 ※土曜中山5R 芝1600m※ ルガールカルム 牝2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(美)田村康仁 父:ロードカナロア 母:サンデースマイルII(母父:Sunday Silence) 【馬名の意味・由来】 穏やかな眼差し(仏) 【コメント】 1986年生まれのサンデーサイレンスを母父の位置で見ることは少なくなっているが、この偉大な馬の影響は現在も計り知れないもので、今回のロードカナロア×サンデーサイレンスという配合は、今年の牝馬二冠を制したアーモンドアイと同じだ。この馬の母サンデースマイルIIはリダウツチョイスとの配合で、重賞勝ち馬のフルーキーを輩出。兄は中距離までこなしたが、リダウツチョイスよりも馬に柔らかみがあり、キングカメハメハの万能性も受け継いでいるロードカナロアを父に迎えたことで、アーモンドアイがそうだったように、もっと長い距離さえも克服して不思議ない血統構成になっている。他にはスピード豊富なヌレイエフの5×4というクロスにも注目。いずれにしろ、かなり奥深い配合と言っていいだろう。 【阪神デビュー】 ※土曜阪神5R 芝1600m※ ヴァンドギャルド 牡2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(栗)藤原英昭 父:ディープインパクト 母:スキア(母父:Motivator) 【馬名の意味・由来】 長期熟成しておいしくなるワイン(仏) 【コメント】 母父のモチヴェーターはクラシックディスタンスに強いモンジューの産駒で、自身は英国のダービーを勝ち、代表産駒のトレヴは凱旋門賞を連覇する活躍を見せた。オルフェーヴルを相手に完勝したトレヴのレースを覚えている競馬ファンは多いだろう。モチヴェーター産駒のイメージはまさにあれで、その距離適性は長めと考えていい。この馬の場合はレインボウクエストまで母系に入れているので、今後の距離延長に関する不安は皆無。その一方で、日本競馬に対応できるスピードに関しての疑問は残る。父であるディープインパクトのスピードに頼る部分が大きくなりそうだ。ディープインパクトに似ていれば似ているほどいい。 ダンサーバローズ 牡2 馬主:猪熊広次 厩舎:(栗)矢作芳人 父:オルフェーヴル 母:ウエスタンダンサー(母父:デヒア) 【馬名の意味・由来】 踊り手+冠名 【コメント】 サンデーサイレンス系にアメリカのスピード血統という配合はディープインパクトの専売特許だが、ディープインパクトよりもスタミナ色の濃いオルフェーヴルのほうが、母系の恩恵を受けやすい種牡馬であるように思う。母父こそデピュティミニスター産駒のデヒアで、母ウエスタンダンサーはデピュティミニスターらしいスピードを受け継いだ馬ではあったが、その先にはオペラハウスというスタミナに富む種牡馬の名もある。母系は単調なスピード馬という考えを持たないほうが無難かもしれない。ちなみに栗毛に出たオルフェーヴルの産駒は父に似ている可能性が高くなり、それは気性的な問題を抱える可能性が高くなることを意味している。 リアオリヴィア 牝2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(栗)中竹和也 父:ディープインパクト 母:リアアントニア(母父:Rockport Harbor) 【馬名の意味・由来】 母名の一部+平和を意味する女性の名前 【コメント】 母のリアアントニアはブリーダーズCのジュベナイルフィリーズを勝っている馬で、母父のロックポートハーバーは2歳リーディングサイアーに輝いたこともあるアンブライドルズソング産駒。全般的に仕上がり早の血統構成で、それは豊富なスピードを持つ3代前のミスターグリーリーにもいえることだ。牧場サイドもその早熟性に期待しているのか、驚いたことに同馬は1月7日という極端な早生まれ。すでに完成していても不思議のない背景を持っている馬と考えていいだろう。アメリカの短距離血統にディープインパクトで切れを足す配合パターンは、最近のトレンドとも言える。 ※日曜阪神5R 芝2000m※ グランデストラーダ 牝2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(栗)友道康夫 父:ハーツクライ 母:レジェンドトレイル(母父:フレンチデピュティ) 【馬名の意味・由来】 大きな道(伊) 【コメント】 祖母のハッピートレイルズは名牝シンコウラブリイの母として知られる馬。この血統は多くの活躍馬を出してきたが、気になるのは代を経れば経るほど、産駒の数が増えれば増えるほど、先細りになっていく傾向を持っていることで、実際に母の晩年の子であるレジェンドトレイルは、それなりに勝つ馬は出すものの、重賞で活躍するようなレベルの馬は出せていない。気になる材料はもうひとつ。この馬は5月4日の生まれで、それだけでも晩成傾向が強いと思われるのだが、そのような馬の父が晩成タイプであることで知られるハーツクライ。少し一本調子なフレンチデピュティにサンデーサイレンス系という配合の流れは良好だが、早い段階から走る馬ではないように思う。 ※日曜阪神6R ダ1400m※ ニューモニュメント 牡2 馬主:前田葉子 厩舎:(栗)小崎憲 父:ヘニーヒューズ 母:アンナータ(母父:アドマイヤムーン) 【馬名の意味・由来】 新しい記念碑 【コメント】 ダンジグにアドマイヤムーン、ヘニーヒューズと続く流れは短距離競馬を強く意識したもので、芝もこなしはするだろうが、ダートのほうが適性はあると考えられる配合だ。前記した馬の中で異色の存在はアドマイヤムーン。彼は2400mのジャパンC勝っているのだが、私はエンドスウィープ産駒の彼が距離をこなしてしまうことが不思議でならなかった。おそらくはアドマイヤムーンの母父であるサンデーサイレンスの影響が出ていたのだろう。それくらいしか考えられない。アドマイヤムーンの産駒は自身よりもエンドスウィープ、フォーティナイナーに近い馬体の馬が多く、ゆえに隔世遺伝の強いタイプの種牡馬という認識を持っている。 スマートセラヴィー 牡2 馬主:大川徹 厩舎:(栗)矢作芳人 父:ヘニーヒューズ 母:スマートオーシャン(母父:Mr. Greeley) 【馬名の意味・由来】 冠名+人生(仏) 【コメント】 一見するとダート短距離でしか走れないような字面。父がヘニーヒューズで母父がミスターグリーリーとくれば、そのような印象になるのも仕方がないことで、それはそれで悪くないとは思う。特色を活かすという意味では間違いのない配合だ。ただし、ダート短距離に限らない可能性も実はあり、それは母系のジルザル、アイリッシュリバーといった芝を得意とする馬たちの存在を理由としている。この部分が強調されてくると、スピード一辺倒のダート短距離馬にはならないかもしれない。ちなみにこの馬は栗毛だが、それはヘニーヒューズの父であるヘネシーからくるものなのか、母父のミスターグリーリーなのか、それともジルザルなのかは定かではない。ひとつ言えることは、栗毛の馬は基本的にスピード豊富なタイプが多く、そのようなアプローチで私は馬を探していたということだ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

  • 2018年新馬

    【9月15日・16日・17日新馬戦】クラシックディスタンスに期待を抱かせる配合

    【阪神デビュー】 ※土曜阪神5R 芝1600m※ オーロトラジェ 牝2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(栗)池江泰寿 父:オルフェーヴル 母:ミュージカルウェイ(母父:Gold Away) 【馬名の意味・由来】 黄金の道のり(仏) 【コメント】 GI2勝馬ミッキークイーンの半妹という血統馬だが、ポイントは父がディープインパクトから、オルフェーヴルに変更されていること。ミッキークイーンはディープインパクト産駒の牝馬に多い軽さがあり、それが末脚の切れへと繋がっていた。オルフェーヴルはディープインパクトよりも体がたくましいパワー型で、使い減りはしないかもしれないが、ディープインパクトのような柔軟性は持ち合わせていない。父のステイゴールドがそうだったように、アベレージで勝負するタイプの種牡馬ではなく、一発長打を狙うイメージもある。母系にはヌレイエフにミスタープロスペクターとスピードとパワーに秀でた馬の名が並んでおり、意外にダート向き──という可能性もなくはない。 ビーチサンバ 牝2 馬主:金子真人ホールディングス(株) 厩舎:(栗)友道康夫 父:クロフネ 母:フサイチエアデール(母父:サンデーサイレンス) 【馬名の意味・由来】 ビーチで踊るサンバ 【コメント】 全兄に朝日杯FSを制したフサイチリシャールがいる血統馬だが、そのフサイチリシャールが最優秀2歳牡馬に輝いたのは2005年。すでに10年以上も前のことだ。父クロフネ、母フサイチエアデールはともに時代を代表する優秀な馬で、相性も悪くない配合だとは思うが、さすがに父母ともに年齢が行き過ぎていると思う。どちらかが若ければ、そちらの活力に頼って──という考え方もできるだろうが、今回はそうではないのだ。前半に良績が偏っているフサイチエアデールの繁殖成績からも、遺伝力に陰りが出ていることがわかるのではないか。幸いにして牝馬。繁殖に上がったあとのほうが、期待値の上がる馬であるように思う。 ※日曜阪神5R 芝1800m※ フランクリン 牡2 馬主:近藤英子 厩舎:(栗)音無秀孝 父:ディープインパクト 母:ロベルタ(母父:ブライアンズタイム) 【馬名の意味・由来】 人名より 【コメント】 ダービー馬フサイチコンコルドの母として知られるバレークイーンに祖を持つ血統。ただし、その掛け合わせが父ディープインパクトの傾向に即しているかとなると、少し微妙な気がする。何度も説明してきたことだが、柔軟性と切れを武器とするものの、その血統背景は意外に重厚なディープインパクトは、ストームキャットのようなダート短距離馬と相性がいい。一方、この馬は一流の種牡馬ばかりを重ねた母系であるものの、サドラーズウェルズ、トニービン、ブライアンズタイムと長距離系の種牡馬ばかり。スピード化の進む現代競馬において、ディープインパクトに頼る部分が大き過ぎる気がする。 メドック 牡2 馬主:(株)カナヤマホールディングス 厩舎:(栗)池添学 父:ジャスタウェイ 母:エステフ(母父:Sadler's Wells) 【馬名の意味・由来】 フランス、ボルドーの赤ワイン産地 【コメント】 予想以上に早い段階から活躍しているジャスタウェイ。晩成タイプのハーツクライ産駒ということで、それに近いイメージで見ていたのだが、どうやら母父ワイルドアゲインの影響が強く出ているようで、ハーツクライのイメージにないマイル前後で走る馬まで出してきた。現代競馬に必要なスピードを持っているという意味において、成功する確率の非常に高い種牡馬と言えるだろう。母父にサドラーズウェルズがいる母系は、全体的に少しスピード不足の印象を受けるが、これにジャスタウェイがスピードを注入できれば、クラシックディスタンスで活躍できるスピードとスタミナを兼備した馬を作ることができそうだ。 ルモンド 牡2 馬主:(株)山紫水明 厩舎:(栗)中内田充正 父:ディープインパクト 母:ウィステリアアーチ(母父:キングカメハメハ) 【馬名の意味・由来】 世界(仏) 【コメント】 祖母のバービキャットは京王杯SCを勝ったレッドスパーダを出しているが、このタイキシャトルにストームキャットという掛け合わせは私が管理したメイショウボーラーと同じ。このスピード×スピードという配合がニックスの関係にあることを示した事例と思う。母ウィステリアアーチはタイキシャトルからキングカメハメハに父が替わり、スピードという点で少し落ちてしまった印象こそあるが、ディープインパクトを父に迎えるにあたり、キングカメハメハ、ストームキャットという二つのニックスを持つことに成功。クラシックディスタンスに期待を抱かせる配合になったと思う。 ※月曜阪神6R ダ1800m※ クリソベリル 牡2 馬主:(有)キャロットファーム 厩舎:(栗)音無秀孝 父:ゴールドアリュール 母:クリソプレーズ(母父:エルコンドルパサー) 【馬名の意味・由来】 金緑石。母名、兄姉名より連想 【コメント】 母のクリソプレーズは種牡馬によって、産駒のタイプを変えられる繁殖牝馬で、なおかつレベルの高い産駒を出してくる。ディープインパクトとの配合では宝塚記念などを勝ったマリアライトを、ゼンノロブロイとでは芝、ダート兼用のリアファルを、ゴールドアリュールを父に持つクリソライトはダート専門の馬になった。クリソライトの全弟になる同馬の活躍の場もダートになるだろう。このような状況を生み出している最大の理由は、クリソプレーズの父であるエルコンドルパサー。この馬は芝、ダートのどちらでも行ける二刀流で、そのレベルも非常に高かった。早逝し、わずかな世代しか産駒を残せなかったのが、残念で仕方ない。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

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    【9月8日・9日新馬戦】単に質が高いだけでなく、配合の妙味も感じる血統構成

    【中山デビュー】 ※日曜中山5R 芝1600m※ チャーチスクエア 牝2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(美)古賀慎明 父:ロードカナロア 母:チャーチクワイア(母父:ネオユニヴァース) 【馬名の意味・由来】 南アフリカ共和国北東部の都市プレトリアの市街中心部にある広場 【コメント】 母系を遡れば、マイルCSを勝ったシンコウラブリイに行き着く血統。柔軟性に富むだけでなく、大物も輩出してきたカーリアンが父だったシンコウラブリイに対し、同馬の妹にあたるサンタフェトレイルの父は、すでに晩年を迎えていたノーザンテースト。ここが少し弱い点かもしれない。父のロードカナロアはスピードの溢れた文句なしの種牡馬だが、母系に気性の難しいストームキャットがいるため、掛け合わせる馬には常に注意が必要。サンデーサイレンス系の中でも特に激しい馬だったネオユニヴァースとの配合には、怖さも感じる。 【阪神デビュー】 ※土曜阪神5R 芝1600m※ ノイーヴァ 牝2 馬主:(株)ノースヒルズ 厩舎:(栗)安田翔伍 父:Temple City 母:Malibu Pier(母父:Malibu Moon) 【馬名の意味・由来】 花嫁(ポルトガル語) 【コメント】 この馬のポイントは父系、母系の3代前にいるマクーンバのインブリード。マクーンバは同馬の母父でもあるマリブムーンの母となった馬で、このマリブムーンという種牡馬を私は実際にこの目で見ている。わずかに2戦1勝のキャリアながら、エーピーインディ×ミスタープロスペクターという魅力的な配合をされていた馬で、ケンタッキーダービーを勝ったオースはマリブムーンの代表産駒。正直、父のテンプルシティーという馬はパワー不足だが、このマクーンバのクロスを発生させるために必要な種牡馬だったと思えば、この掛け合わせは非常に魅力的に見えてくる。 ディアブルノワール 牝2 馬主:(株)泉新キャピタル 厩舎:(栗)高野友和 父:マンハッタンカフェ 母:デビルズコーナー(母父:Songandaprayer) 【馬名の意味・由来】 黒い悪魔(仏)。母名より連想 【コメント】 母父ソングアンドプレイヤーはアンブライドルズソングの産駒だが、この馬の産駒としては中庸というか、それほどレベルの高い馬ではなかった。この母系にどれほどの底力があるかは未知数と言わざるえないだろう。父のマンハッタンカフェはスプリンターからステイヤーまで様々なタイプの馬を出す多様性を持っているが、ディープインパクトやキングカメハメハほどの能力を持っている種牡馬ではない。ヘイローの3×4というインブリードは好印象だが、配合そのもののインパクトは薄い。 ※日曜阪神5R 芝2000m※ プレミアムギフト 牝2 馬主:(株)ロードホースクラブ 厩舎:(栗)高野友和 父:オルフェーヴル 母:インディアナギャル(母父:Intikhab) 【馬名の意味・由来】 上質な才能 【コメント】 昨年の最優秀2歳牡馬に輝いたダノンプレミアムの半妹という血統馬。ただし、これまでの産駒で大物と言えるのはダノンプレミアムのみで、ディープインパクトを父に持つ馬の全てが活躍してきたわけではない。ディープインパクトからオルフェーヴルに父が替わったことで、長い距離をこなす可能性は高くなっているが、スピードや切れという点では見劣ってしまうかもしれない。母父のインティカブはクラフティプロスペクターを体内に持つ馬。ひょっとしたらダート馬という可能性もゼロではないと思う。 メリーメーキング 牡2 馬主:前田晋二 厩舎:(栗)清水久詞 父:エイシンフラッシュ 母:モエレオープンヒメ(母父:サンデーサイレンス) 【馬名の意味・由来】 お祭り騒ぎ 【コメント】 祖祖母のオープンマインドはアメリカのセリで見たことのある馬で、祖母のイージーマインドは懇意にしていた伊藤雄二厩舎で管理されていた。実は私もこの血統を手がけたことがあり、それがサンデーサイレンス産駒のネオマエストロ。今回は前田晋二さんの名義になっているが、私が管理したネオマエストロもノースヒルズの所有馬だった。サンデーサイレンスにイージーゴアというライバル同士の配合にロマンを感じる母系に対し、父のエイシンフラッシュは少し役不足かもしれないが、キングマンボ系にサンデーサイレンス系は相性のいい掛け合わせ。爆発の可能性もありそうだ。 ※日曜阪神6R 芝1400m※ ドナウデルタ 牝2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(栗)石坂正 父:ロードカナロア 母:ドナウブルー(母父:ディープインパクト) 【馬名の意味・由来】 ドナウ川河口の三角州 【コメント】 ジェンティルドンナの全姉にあたる母ドナウブルーは、自身も重賞を2勝した名牝で、同馬は彼女の2頭目の産駒にあたる。父ルーラーシップのイシュトヴァーンはダートで覚醒したが、同じキングカメハメハの後継種牡馬でも、スピードと切れに秀でるロードカナロアを父に迎えたことで、この馬は芝で活躍することができるはずだ。ロードカナロアの母父にあたるストームキャットとドナウブルーの父であるディープインパクトはニックスの関係にある。キングカメハメハの系統とサンデーサイレンス系の間にもニックスが成立しており、単に質が高いだけでなく、配合の妙味も感じる血統構成になっている。 イベリス 牝2 馬主:(株)ノースヒルズ 厩舎:(栗)角田晃一 父:ロードカナロア 母:セレブラール(母父:ボストンハーバー) 【馬名の意味・由来】 花名。花言葉「初恋の思い出」 【コメント】 この馬で注目すべきは母父のボストンハーバーで、この馬はシアトルスルーの系統ながら、スピードの特化したカポーティとノーザンダンサー系の中でも淡白なスピードを売りにするヴァイスリージェントの掛け合わせ。スピードはあるものの、こなせる距離の幅が狭かった。遺伝力が強いというのも特色の一つだろう。アイビスサマーダッシュの連覇など、圧倒的なスピードを武器に重賞を4勝した姉ベルカントの父はサクラバクシンオー。この配合では距離をこなせないのも当然だろう。今回のロードカナロアはサクラバクシンオーよりもこなせる距離の幅が広いイメージ。マイルまで持ってほしいところだ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

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    【9月1日・2日新馬戦】叔父よりも切れのある馬になる可能性が高い配合

    【新潟デビュー】 ※土曜新潟5R 芝1400m※ ストレイトスタイル 牝2 馬主:廣崎利洋HD(株) 厩舎:(栗)矢作芳人 父:ディープインパクト 母:トレノエンジェル(母父:タイキシャトル) 【馬名の意味・由来】 真っ直ぐな+スタイル 【コメント】 桜花賞馬のシャダイカグラを祖に持つ血統の馬で、そのスピードはジェイドロバリーを配合したエイブルカグラで一層強くなったようにも思えたのだが、このエイブルカグラにコマンダーインチーフを配合したことで、祖母のアスクコマンダーは少しスタミナ寄りの馬になってしまった。母父のタイキシャトルは母系の本来のスピードを取り戻すために配合された馬と考えていいだろう。ディープインパクトとの配合で、この血統にない切れを注入できれば、面白い馬となるはず。 ※日曜新潟5R 芝1800m※ セリユーズ 牝2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(美)国枝栄 父:ディープインパクト 母:ミュージカルロマンス(母父:Concorde's Tune) 【馬名の意味・由来】 信頼できる(仏) 【コメント】 母父のコンコルドズチューンを筆頭に、母系には私でも馴染みのない馬が並んでいるが、母のミュージカルロマンス自身はBCフィリー&メアスプリントを勝ち、エクリプス賞最優秀短距離牝馬に輝いた名牝。ディープインパクトとの配合なら期待値が高くて当然だろう。気になるのは全兄であるキラーコンテンツが距離の限界を見せていること。仮に母系のほうが強く出やすい血統だとすれば、牝馬に出たことがプラスとなる気がする。桜花賞という目標のある牝馬のほうが選択するレースに幅が出るからだ。 【小倉デビュー】 ※日曜小倉5R 芝1800m※ ガンケン 牡2 馬主:岡浩二 厩舎:(栗)宮本博 父:ヘニーヒューズ 母:ダイヤモンドムーン(母父:マンハッタンカフェ) 【馬名の意味・由来】 頑健。父馬が筋骨隆々の馬体であることから 【コメント】 クイーンSを制した祖母のレインボークイーンはリンドシェーバーにロイヤルスキーの配合。本質はスピード血統と考えていいだろう。母父にいるマンハッタンカフェがどこまで距離に融通性を出してくるかだが、自身は長距離に適性を見せていたにもかかわらず、短距離馬からダート馬まで輩出する馬。父がヘニーヒューズなら、本質的には短い距離のほうがベターな気がする。この血統構成なので、芝がダメでもダートの抜け道はあるように思う。 【札幌デビュー】 ※土曜札幌5R 芝1500m※ ハーシェル 牡2 馬主:ゴドルフィン 厩舎:(栗)藤原英昭 父:ハーツクライ 母:シルヴァンソング(母父:Street Cry) 【馬名の意味・由来】 人名より 【コメント】 名牝ウィンクスのように芝をこなす産駒も出すストリートクライ。おそらくはストリートクライの父であるマキャベリアンが、その要因を作っているのだろう。とはいえ、ストリートクライも母系にいるフォレストワイルドキャットもスピードの持続力で勝負するタイプ。それほどタメが利かないイメージがある。こういう血統に最も合うのがサンデーサイレンス系で、この馬は長い距離に適性を見せるハーツクライが父に選択されている。ハーツクライの柔軟性を加えることができれば、面白い存在となるだろう。 コルネット 牝2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(栗)平田修 父:オルフェーヴル 母:ラッドルチェンド(母父:Danehill Dancer) 【馬名の意味・由来】 小さい金管楽器の一種。本馬の血統より連想 【コメント】 祖母ラヴズオンリーミーはドバイターフを勝ったリアルスティールを輩出。リアルスティールは単なるディープインパクト産駒ではなく、母系に名牝ミエスクがいる奥深い血統の馬で、それはリアルスティールの半姉ラッドルチェンドを母に持つこの馬にも同じことが言える。リアルスティールとの違いは母父デインヒルダンサーの存在と父が同じサンデーサイレンス系でもディープインパクトではなく、オルフェーヴルに替わっているところ。リアルスティールよりも長距離適性は高く、パワー型の馬になるような気がする。 レースガーデン 牝2 馬主:金子真人ホールディングス(株) 厩舎:(栗)池江泰寿 父:ディープインパクト 母:ウィンターコスモス(母父:キングカメハメハ) 【馬名の意味・由来】 白いレースのようなバラが咲き乱れる庭 【コメント】 祖母のミスパスカリはディープインパクトとの相性が良く、マウントロブソンやポポカテペトルなどを輩出してターフを沸かせているが、それでもクロフネの母であるブルーアヴェニューの影響が強すぎるのか、瞬発力はもうひとつの印象がある。同馬はミスパスカリの娘であり、マウントロブソンらの半姉にあたるウィンターコスモスを母に持つ馬だが、ポイントはキングカメハメハを間に挟んでいるところ。ディープインパクトとニックスの関係にあるキングカメハメハがいることで、叔父よりも切れのある馬になる可能性が高い配合となっている。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

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