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  • 2017年新馬

    [無料]【11月18日・19日新馬戦】このような血統構成の馬こそ「やってみたい」と調教師なら思う

    【東京デビュー】 ※土曜東京6R 芝1600m※ レッドベルローズ 牝2 馬主:(株)東京ホースレーシング 厩舎:(美)鹿戸雄一 父:ディープインパクト 母:レッドファンタジア(母父:Unbridled's Song) 【馬名の意味・由来】 冠名+美しいバラ(仏)。大舞台で真っ赤な大輪の花を咲かせる 【コメント】 フォーントリックにストームキャットといったバリバリのスピード血統はディープインパクトとのかみ合わせが良く、これだけでも注目に値するが、この馬は母父にアンブライドルズソングがいる。アンブライドルズソングは私が高く評価している種牡馬で、豊富なスピードを持ちながら距離の融通性があり、芝でもダートでも能力を発揮する。ブルードメアサイアーとして存在感を発揮しているのは、この馬の持っている万能性が理由とも言えるだろう。このような血統構成の馬こそ「やってみたい」と調教師なら思うものだ。 エルディアマンテ 牝2 馬主:(有)キャロットファーム 厩舎:(美)国枝栄 父:キングカメハメハ 母:ディアデラノビア(母父:サンデーサイレンス) 【馬名の意味・由来】 ダイヤモンド(西)。本馬の流星の形を母母の生産国の言語で 【コメント】 母ディアデラノビアの血統はGI勝ち馬こそいないが、まずまずのレベルの馬を出しており、父キングカメハメハとの配合ではディアデラマドレという重賞勝ち馬も出した。キングカメハメハと母父サンデーサイレンスはニックスの関係にあり、この掛け合わせから次の重賞勝ち馬が出ても不思議はないと思っている。余談だが、母父サンデーサイレンスの血統はサンデーサイレンス系の種牡馬と配合することができないので選択肢が乏しい。サンデーサイレンスの名が3代前や4代前となることで、例えばキズナのような馬と3×3、もしくは3×4のクロスが成立する面白い配合になると思う。 テネイシャス 牝2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(栗)池江泰寿 父:キングカメハメハ 母:ヒカルアマランサス(母父:アグネスタキオン) 【馬名の意味・由来】 意志が強く粘り強いこと。母名(アマランサス)の花言葉より連想 【コメント】 一流馬ばかりを重ね合わせている血統構成。4代前には日本でも実績を残すカーリアン、そこにエーピーインディというパワータイプのスピード馬を配合してアグネスタキオン、キングカメハメハといった日本の競馬に合う馬を重ねている。大物が出ても不思議のない血統構成だろう。母父のアグネスタキオンについて改めて触れれば、代表産駒のダイワスカーレットのイメージがそうであるように、切れよりもスピードの持続力を武器にしている種牡馬だと思う。キングカメハメハもスピードの持続力に優れているので、その流れに沿った馬となるはずだ。 ※日曜東京5R 芝1800m※ ミッキーポジション 牡2 馬主:野田みづき 厩舎:(美)菊沢隆徳 父:ディープインパクト 母:ポジションリミット(母父:Bellamy Road) 【馬名の意味・由来】 冠名+母名の一部 【コメント】 ディープインパクトを最も生かす形はスピードタイプとの掛け合わせと考えているが、その観点でいくと少し難しいと思わせる配合かもしれない。母父ベラミロードはダート1800mのGIを勝った馬だが、その先にいるチーフズクラウンはダンジグの産駒でも長い距離に適性のあった種牡馬。祖母の父であるアウトオブプレイスもスピードタイプではなかった印象がある。ディープインパクトの切れを求めての配合だとは思うが、これでスピードが出てくれるかどうかが微妙。 ※日曜東京6R 芝1400m※ ラブセイナ 牝2 馬主:嶋田賢 厩舎:(美)二ノ宮敬宇 父:ディープインパクト 母:エルメスティアラ(母父:ブライアンズタイム) 【馬名の意味・由来】 愛+聖なる愛より 【コメント】 皐月賞馬ディーマジェスティの全妹。母父ブライアンズタイムのディープインパクト産駒は評価が微妙なのだが、この血統の場合は祖母にドフザダービーの仔であるシンコウエルメスがいるのが大きい。今年の京王杯2歳Sを制したタワーオブロンドンもシンコウエルメスを祖母に持っている馬だが、この馬のスピードは父レイヴンズパスからのみ受け継いだものではないだろう。一見すると重厚だが、スピードも底力もある繁殖。それがシンコウエルメスという馬なのかもしれない。オークス向きの印象を持ちやすいが、桜花賞でも面白そうだ。 アンジュパッセ 牝2 馬主:H.H.シェイク・モハメド 厩舎:(美)伊藤圭三 父:Shamardal 母:ピクシープリンセス(母父:ディープインパクト) 【馬名の意味・由来】 天使が通る(仏) 【コメント】 母系の4代前にいるフォールアスペンはティンバーカントリーの母として知られている馬で、キングマンボにディープインパクトといった大種牡馬を連ねた母系は相当に優秀だ。父のシャマルダルはフランスダービーなどGIを4勝しているが、4代前にウォーターウェイという馬が私にとっては馴染みが深い。実は私が管理したビッグプロテクターという馬の祖母がウォーターウェイで、リヴァーマン産駒の同馬の存在がビッグプロテクターを管理する理由にもなった。シャマルダルが活躍したときには「あの血統から出てきた馬か」と思ったものである。 【京都デビュー】 ※土曜京都5R 芝1800m※ サトノワルキューレ 牝2 馬主:(株)サトミホースカンパニー 厩舎:(栗)角居勝彦 父:ディープインパクト 母:ヒアトゥウィン(母父:Roi Normand) 【馬名の意味・由来】 冠名+北欧神話の半神 【コメント】 アファームドを輩出したイクスクルーシヴネイティヴは著名な存在だが、その産駒であるロワノルマンはそこまでの馬ではなく、種牡馬成績を見せてもらってもピンとこないくらいだった。リファールの4×5というインブリードは成立しているが、ディープインパクト産駒にしてはインパクトを感じない血統構成と言えるかもしれない。この馬の兄にあたるサトノファイヤーはタピットの産駒。うるさい馬のようだが、それはタピットの気性が出ているものなので、この馬には影響しないだろう。 レイデマー 牡2 馬主:戸佐眞弓 厩舎:(栗)石坂正 父:ロードカナロア 母:レッドサーガ(母父:アグネスタキオン) 【馬名の意味・由来】 王様(西)+人名愛称 【コメント】 4代前にいるココットはピルサドスキーやファインモーションの母として知られる繁殖牝馬。ココットにデインヒルを配合して生まれたのがファインモーションだったが、本馬の祖母であるプラウドビューティーはココットの娘であるハニーバンにデインヒルの掛け合わせた馬。似通った血統構成と言えるだろう。母父アグネスタキオンはロイヤルスキーの影響が強く出ている種牡馬で、切れよりもスピードを伝える傾向が強い。デインヒル、アグネスタキオン、ロードカナロアとスピード系の種牡馬を並べた本馬の適性はマイルから中距離になるのではないか。 ※日曜京都5R 芝2000m※ フランツ 牡2 馬主:近藤英子 厩舎:(栗)音無秀孝 父:ディープインパクト 母:ロベルタ(母父:ブライアンズタイム) 【馬名の意味・由来】 人名より 【コメント】 祖母のバレークイーンはダービー馬フサイチコンコルドの母として知られている馬で、その半妹であるグレースアドマイヤは自身が5勝しただけでなく、リンカーンやヴィクトリーといった活躍馬も出した。トニービン、ブライアンズタイムと並んだ同馬の母系が長距離志向であることは疑いようもないが、ディープインパクトでスピードと軽さを補完できていれば、クラシック路線でも活躍できる馬になるかもしれない。ちなみに同馬は2月5日の生まれ。このような血統の馬をクラシックに乗せようと思えば、意識的に早生まれにする必要があるということだ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『血統診断 -白井式ブラッドマニュアル-』『人気記事』 などもお楽しみください。

  • 2017年新馬

    【11月11日・12日新馬戦】日本を代表する血統馬

    【東京デビュー】 ※土曜東京5R 芝2000m※ エストスペリオル 牡2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(美)堀宣行 父:ディープインパクト 母:メイキアシー(母父:Sadler's Wells) 【馬名の意味・由来】 優れている(ラテン語) 【コメント】 半兄のブラヴィッシモは5勝を挙げ、阪急杯では3着に好走している馬。ただし、この馬の活躍は父がファストネットロックであることが大きいと思う。母父がサドラーズウェルズで、祖祖父はダルシャーンという血統は重く、ゆえにヴィクトワールピサを配合した2頭の兄は少しジリッぽいタイプに出ていた。本来はスピード血統との相性がいいとされるディープインパクトだが、それは軽い芝で競馬が行われている日本に限られた話。今年のレーシングポストTを勝ったサクソンウォリアーの母父はサドラーズウェルズ産駒のガリレオ。この血統で活躍するようなら、欧州遠征でも結果を出せるディープインパクト産駒となるかもしれない。 ※日曜東京5R 芝1600m※ ウィキッドアイズ 牝2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(美)手塚貴久 父:オルフェーヴル 母:ウィキッドリーパーフェクト(母父:Congrats) 【馬名の意味・由来】 いたずらっぽい目 【コメント】 ホープフルSを勝ったハートレーの半妹で、エーピーインディを父に持つコングラッツ産駒の母ウィキッドリーパーフェクトはアメリカのGI勝ち馬。なかなかの血統を持っているが、その本質はパワータイプ。ゆえにディープインパクトの素軽さが必要だったわけで、それがハートレーという重賞勝ち馬を輩出する呼び水になった。今回のポイントは父がオルフェーヴルに替わっていること。オルフェーヴルはディープインパクトよりも重厚性があるイメージで、この血統との掛け合わせだと軽さが足りなくなる可能性がある。ちなみにこの馬は芦毛だが、これは同じ芦毛だった母からの影響で、さらに言えば、5代前にいるカロの影響と言えるだろう。 【京都デビュー】 ※日曜京都4R 芝1600m※ フィニフティ 牝2 馬主:(有)キャロットファーム 厩舎:(栗)藤原英昭 父:ディープインパクト 母:ココシュニック(母父:クロフネ) 【馬名の意味・由来】 希語で「輝く石」の意のロシアのエナメル細工。母名より。輝く活躍を 【コメント】 父がディープインパクト、母はココシュニック。重賞勝ちは富士Sだけだが、天皇賞(秋)と大阪杯で2着があるステファノスの全妹という血統馬になる。母父のクロフネは産駒のほとんどがダートで活躍している種牡馬で、祖母のゴールドティアラは地方交流GIのマイルCS南部杯を筆頭にダートの重賞を5勝。1800mのレースも勝っているが、シーキングザゴールドを父に持つ彼女の適性は短距離にこそあったと考えていい。ディープインパクトを父に迎えたのはステファノス以来。ステイゴールドやハーツクライでは、この血統に軽さを加えられないのだろう。この配合なら期待していいはずだ。 ※日曜京都5R 芝1800m※ シーリア 牝2 馬主:(有)キャロットファーム 厩舎:(栗)角居勝彦 父:キングカメハメハ 母:シーザリオ(母父:スペシャルウィーク) 【馬名の意味・由来】 シェイクスピア作「お気に召すまま」の登場人物名より。母名より連想 【コメント】 菊花賞、ジャパンCを勝ったエピファネイアの半妹で、朝日杯FSを勝ったリオンディーズの全妹。母のシーザリオも日米のオークスを勝った名牝という日本を代表する血統馬だ。この血統は牡馬の活躍が多く、これまでに生まれた2頭の牝馬はともに結果を出せていない。この馬が活躍してくれるようなら、シーザリオの後継繁殖として、大きな期待を背負うことになるだろう。シーザリオはハビタットのスピードにサドラーズウェルズの重厚さを乗せ、最後にスペシャルウィークのしなやかを加えた血統構成になっている馬。サンデーサイレンス系とのニックスを持つキングカメハメハとの相性がいいのも必然で、キングカメハメハ産駒のルーラーシップあたりとでも素晴らしい仔が出そうだ。 ダノンフォーチュン 牡2 馬主:(株)ダノックス 厩舎:(栗)大久保龍志 父:ディープインパクト 母:ペニーズフォーチュン(母父:Storm Cat) 【馬名の意味・由来】 冠名+幸運。幸運をもたらす活躍を期待して 【コメント】 キズナ、ラキシス、サトノアラジンなど、すでに母父ストームキャットのディープインパクト産駒は結果が出ている。同馬もその流れを汲む馬で、実際に全兄のダノンブライトは2勝をマーク。大物ではないが、しっかりと勝ちあがっている点は評価すべきだろう。ただし、母系の血統はかなり古く、5代前にいるエルバジェが種牡馬生活に入ったのは1960年。代表産駒がシーホークと聞けば、その古さがわかってもらえるだろう。同様に母系の5代前にいるプリンスリーギフトはトウショウボーイの父であるテスコボーイの父。配合のイメージは付きやすいが、それほど新しくない血統というのが少し引っ掛かる。 ポートフィリップ 牡2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(栗)梅田智之 父:ハーツクライ 母:アドマイヤテレサ(母父:エリシオ) 【馬名の意味・由来】 メルボルンを囲む湾の名前 【コメント】 オーストラリアGIのコーフィールドCを勝ったアドマイヤラクティの全弟だが、その兄の日本での重賞勝ちはダイヤモンドSのみで2着もアルゼンチン共和国杯と阪神大賞典。日本の競馬ではスピード不足になりやすく、2000mまでの距離で賞金を加算していくことが必要なクラシック路線では苦労しそうなイメージがある。母父のエリシオは凱旋門賞で、父にフェアリーキングなのでスピードはかなりありそうだが、日本の競馬に思ったほどフィットせず、少しジリッぽいところもある。そこまで切れるというイメージのないハーツクライとの配合では、それを解消しきれないなのではないか。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『血統診断 -白井式ブラッドマニュアル-』『人気記事』 などもお楽しみください。

  • 2017年新馬

    【11月3日・4日・5日新馬戦】血統のイメージにそぐわない好時計も興味を引かれるところ

    【東京デビュー】 ※土曜東京6R 芝1600m※ ディープシャイン 牡2 馬主:DMMドリームクラブ(株) 厩舎:(美)田村康仁 父:ディープインパクト 母:サビアーレ(母父:Capote) 【馬名の意味・由来】 父の名前に加え輝かしい走りをしてほしい願いをこめて 【コメント】 母父のカポーティはシアトルスルーの産駒で豊富なスピードを持つ反面、距離には限界がある馬。ディープインパクトの配合相手によくあるタイプの種牡馬だが、このパターンのみでは底力という点で見劣ってしまう。この馬のポイントは母系の3代前にいるローラローラ。有馬記念や天皇賞(春)を制したサクラローレルの母として知られている繁殖牝馬だ。レインボウクエストを父に持つサクラローレルとファビュラスダンサー産駒の半姉を同列には扱えないが、底力を求めるのなら、この部分と考えていいだろう。 ※日曜東京5R 芝1400m※ アイワナシーユー 牝2 馬主:DMMドリームクラブ(株) 厩舎:(美)戸田博文 父:ステイゴールド 母:ワナダンス(母父:The Leopard) 【馬名の意味・由来】 母親ワナダンスの一部に、「あなたに会いたい」という想いを込めて 【コメント】 母父のザレパードは1600mのGIIIを勝った程度の馬だが、ストームキャットとミスタープロスペクターの掛け合わせになっており、血統の側面からはスピードタイプに分類できる馬。シーキングザゴールドを通し、祖母のラインにもミスタープロスペクターが顔を出している点にも注目したい。サザンヘイローが母系に存在するため、ヘイローの3×5というインブリードも発生。ステイゴールド産駒のこの馬がスピード競馬に対応できるようなら、その子のオルフェーヴルあたりでも面白い産駒を出す可能性がある。 ※日曜東京6R 芝1800m※ ステラーインパクト 牝2 馬主:C.フィプケ 厩舎:(美)堀宣行 父:ディープインパクト 母:トップライナーII(母父:Thunder Gulch) 【馬名の意味・由来】 最高のインパクト 【コメント】 母系はミスタープロスペクター系にインリアリティの血を持つ馬を配合するアメリカでよく見るパターン。スピードとパワーを要求されるアメリカ競馬に向いた配合だ。母父のサンダーガルチはミスタープロスペクター系の中でもガッシリとした馬体を持っているガルチの産駒。ディープインパクトのしなやかさを求めた配合であることは言うまでもないが、あまりに短距離色が強く出てしまっても困るが、柔軟性に富むディープインパクト産駒なら距離の融通性もあるだろう。 【京都デビュー】 ※金曜京都5R 芝1400m※ カラレイア 牝2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(栗)平田修 父:エンパイアメーカー 母:ベッラレイア(母父:ナリタトップロード) 【馬名の意味・由来】 最愛(伊)+母名の一部 【コメント】 母はフローラSを勝ち、オークスでハナ差の2着があるベッラレイア。当然ながら、その産駒には大きな期待がかけられていたのだろうが、ディープインパクトにキングカメハメハという最高級の種牡馬を迎えても結果を出せなかった。その理由は産駒のサイズが小さ過ぎたことにあるのではないだろうか。エンパイアメーカーの弱点は大き過ぎる馬が出てしまうことで、特に牡馬はその傾向にある。小さい馬しか出せない母と大きい産駒が多い父。真逆の2頭による配合はある意味で正しい選択と言えるのかもしれない。 マリアバローズ 牝2 馬主:猪熊広次 厩舎:(栗)石坂正 父:ディープインパクト 母:チリエージェ(母父:サクラバクシンオー) 【馬名の意味・由来】 人名より+冠名 【コメント】 ディープインパクト×サクラバクシンオーの配合で真っ先に浮かぶ馬はキタサンブラック。同馬の父はディープインパクトではなく、全兄のブラックタイドなのだが、配合的には同じと考えていい。ただし、スピード色が強いのは弟のディープインパクト。この馬はキタサンブラックよりも走れる距離の適性は短く、スピードと切れに優れたタイプと考えるのが妥当だ。母系は日本競馬に馴染んだゲランの血統で、母のチリエージェはキャリア28戦のうち、24戦が1200mという生粋のスプリンター。代表産駒のハクサンムーンはアドマイヤムーンの子だが、この母系があればこそのスピード馬と考えることもできるだろう。 スイートレモネード 牝2 馬主:(有)キャロットファーム 厩舎:(栗)須貝尚介 父:ロードカナロア 母:ドルチェリモーネ(母父:サンデーサイレンス) 【馬名の意味・由来】 レモンとオレンジの交配種。母名より連想 【コメント】 サンデーサイレンスを父に持つドルチェリモーネは期待の大きな繁殖牝馬なのだろう。すでにキングカメハメハが3回も配合されており、デリッツァリモーネという馬は芝で2勝をマークしているが、これまでの産駒は大きな成功を手にするところまでは達していない。キングカメハメハとサンデーサイレンスの相性はすでにニックスとして認知されている配合だけに、やや期待外れの結果と言って差し支えないだろう。今回はキングカメハメハ産駒で、父よりもスピードに特化しているロードカナロアを配合相手に選んだ。芝でも通用するスピードを秘めていれば、大物が出てもおかしくない配合ではあるのだが。 ※日曜京都5R 芝2000m※ アプルーヴァル 牡2 馬主:近藤英子 厩舎:(栗)音無秀孝 父:オルフェーヴル 母:ファシネイション(母父:シンボリクリスエス) 【馬名の意味・由来】 賛成、承認 【コメント】 この馬の1つ上の兄がルーラーシップであることからもわかるように、母系の中心になっている馬はサンデーサイレンス。父がオルフェーヴルのこの馬はサンデーサイレンスの3×3という濃いインブリードを持っているわけだ。それをフサイチコンコルドの母として知られる名牝バレークイーンの血統で行っていることは非常に興味深い。オルフェーヴル×シンボリクリスエスという奥手の長距離血統の馬であるにもかかわらず、坂路で50秒台の時計も出していると聞く。血統のイメージにそぐわない好時計も興味を引かれるところだ。 ユーキャンスマイル 牡2 馬主:金子真人ホールディングス(株) 厩舎:(栗)友道康夫 父:キングカメハメハ 母:ムードインディゴ(母父:ダンスインザダーク) 【馬名の意味・由来】 笑ってごらん 【コメント】 母は秋華賞で2着し、府中牝馬Sを勝っているムードインディゴ。長距離に強いダンスインザダークの産駒ながら、中距離路線で活躍できたのはシャーポ、ノウンファクトの名がある母系がスピードを補完していたためだと考えられる。父のキングカメハメハは芝、ダートを問わない万能な種牡馬で距離の融通性も利く。母父ダンスインザダークということで2000mの芝からスタートするのだろうが、血統的にはダートに舞台を転じても面白いと思えるタイプ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『血統診断 -白井式ブラッドマニュアル-』『人気記事』 などもお楽しみください。

  • 2017年新馬

    【10月28日・29日新馬戦】長い年月を経ても生き残っている血を持つ馬は大舞台に強い

    【東京デビュー】 ※土曜東京5R 芝1600m※ オースオブゴールド 牝2 馬主:吉田勝己 厩舎:(美)栗田徹 父:オルフェーヴル 母:ティッカーテープ(母父:Royal Applause) 【馬名の意味・由来】 金色の誓い 【コメント】 母ティッカーテープから最も遠い5代前にいるテルリングアという馬。ほとんどの方にとって馴染みのない名前だと思うが、この牝馬とストームバードの配合で生まれたのが大種牡馬のストームキャット。その血の優秀さは言うまでもないだろう。母のティッカーテープが先週の菊花賞に出走していたベストアプローチの伯母にあたる馬なら、現在でも活躍馬を輩出する血筋と考えていい。母父のロイヤルアプローズはスプリンター。スピード豊富な母系にオルフェーヴルのスタミナを加える形の配合になっている。 カーロバンビーナ 牝2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(美)戸田博文 父:ディープインパクト 母:カンビーナ(母父:Hawk Wing) 【馬名の意味・由来】 大切な、可愛い女の子(伊) 【コメント】 母父のホークウイングはエクリプスS、ロッキンジSを勝っているウッドマンの産駒。ガッシリとした馬が出やすい血統ではあるが、ディープインパクトはスピード系のパワータイプとの相性が良く、特に牝馬は牡馬よりもしなやかさが出やすいので、ウッドマンのマイナス面を消しやすい。気になるのは母系の3代前に居るパントレセレブル。父はスピードの豊富なヌレイエフで、パントレセレブル自身もスピードを持っていたとは思うが、凱旋門賞を勝つような馬の血は日本の芝に向かない。スピード競馬に対応できるかどうかだ。 ※日曜東京5R 芝1800m※ ギャラッド 牡2 馬主:(有)キャロットファーム 厩舎:(美)田村康仁 父:ディープインパクト 母:ガヴィオラ(母父:Cozzene) 【馬名の意味・由来】 彗星の名前。母名より連想 【コメント】 母父コジーンは汎用性に優れた馬で、この馬が血統の中にいることで幅広い距離にも対応できるようになるし、レースでの柔軟性も出てくる。ただし、この馬自身の最大の特徴はスピード。3代前のグリーンフォレストもスピード色の強い種牡馬であることを考えれば、この血統のベストディスタンスはマイル前後と考えるのが普通だろう。父ディープインパクトは短距離血統の母系と掛け合わせても距離に融通性のある馬を出してくるが、はたしてこの馬はどうだろうか。ここまで大物と呼べる産駒を出せていないのは気になる材料。 サトノソルタス 牡2 馬主:(株)サトミホースカンパニー 厩舎:(美)堀宣行 父:ディープインパクト 母:アイランドファッション(母父:Petionville) 【馬名の意味・由来】 冠名+跳躍 【コメント】 母アイランドファッションは1400mの距離をベストにした馬らしいが、シーキングザゴールドやダンジグの名が入る血統構成を見れば、それも当然と言えるだろう。ただし、いずれも代を挟んで血統表に名を残しており、母父ペションヴィル、母母父にあたるアネイティヴダンジグともに名の知れた種牡馬ではない。ディープインパクトを何度も配合しているように期待している繁殖牝馬なのだろうが、それほどの底力を期待できないかもしれない。 ダークナイトムーン 牡2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(美)尾関知人 父:ディープインパクト 母:サマーナイトシティ(母父:エリシオ) 【馬名の意味・由来】 闇夜の月 【コメント】 母のサマーナイトシティはマイルCSを勝ったサダムパテックを産み、今年のヴィクトリアマイルで3着だったジュールポレールも輩出した。父がディープインパクトのこの馬はジュールポレールの全弟で、サダムパテックよりもしなやかなタイプと考えていいだろう。母父のエリシオは期待されたほどの活躍を示すことが出来なかったが、日本に導入された多くの凱旋門賞馬が結果を残せずに終わっている。同馬も同じだったということだろう。エリシオは他の凱旋門賞馬よりも多少はスピードがあったため、母父として存在感を見せることができるかもしれないが、この系統のスピードは祖母ダイアモンドシティの父であるミスタープロスペクターから来るものと考えるべきだろう。 【京都デビュー】 ※土曜京都4R ダ1200m※ アイキャンフライ 牡2 馬主:馬場幸夫 厩舎:(美)手塚貴久 父:Overanalyze 母:Ctimene(母父:Consolidator) 【馬名の意味・由来】 飛躍する 【コメント】 父のオーヴァーアナライズはアーカンソーダービーの勝ち馬ということだが、私はほとんど認識がなかった。その父のディキシーユニオンは知っているが、これも中堅級の域を出ない種牡馬で、距離のレンジもそれほど広くなかったはずだ。母系に目を転じてもスタミナを補完しているのは4代前のニジンスキーくらいで、母父のコンソリデーターは2歳GIを勝っただけの実績しかないストームキャット産駒。早熟のスピード馬と考えていいだろう。つまり、大舞台に必要な底力がほとんどないことになり、高いレベルの配合とは呼べないのだ。 ※土曜京都5R 芝1600m※ スーパーフェザー 牡2 馬主:(株)KTレーシング 厩舎:(栗)友道康夫 父:ディープインパクト 母:オーサムフェザー(母父:Awesome of Course) 【馬名の意味・由来】 超越+母名の一部 【コメント】 同馬の母オーサムフェザーはBCジュヴェナイルフィリーズ、ガゼルSを勝っており、能力的には十分なものを持っている馬。母系の4代前にいるクイルはマルゼンスキーの母として知られるシルの母で、確かに古い血統ではあるが、長い年月を経ても生き残っている血を持つ馬は大舞台に強い。ディープインパクトとの配合相手としては文句なしの血統馬といっていいだろう。ちなみにオーサムフェザーの祖父であるオーサムアゲインはBCクラシックを勝った名馬。豊富なスピードを持ちながら、距離もこなす万能タイプだ。 モトカ 牝2 馬主:了德寺健二 厩舎:(栗)吉村圭司 父:Frankel 母:Sasuela(母父:Dashing Blade) 【馬名の意味・由来】 女性名より 【コメント】 兄がドイツダービーを勝ち、姉がドイツオークス馬の母の血筋は確かなのだろうが、スピードが優先する日本では重い血になるかもしれない。サドラーズウェルズの3×2という強烈な近親交配になるエネイブルが登場した現代競馬において、この馬の3×4というインブリードに驚きはないが、サドラーズウェルズ自身が日本競馬にマッチするタイプでないことが問題。父フランケルの産駒は十分なパワーこそ持っているものの、切れに欠ける印象がある。この部分も日本競馬に適していない気がする。 プリメラビスタ 牝2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(栗)池添学 父:オルフェーヴル 母:ビワハイジ(母父:Caerleon) 【馬名の意味・由来】 一目見ただけで(西) 【コメント】 母ビワハイジは日本競馬史に残る名繁殖の1頭。代表産駒は6つのGIを制したブエナビスタだろう。この馬の父はサンデーサイレンス産駒のスペシャルウィークだったが、これまでの産駒のほとんどはサンデーサイレンス系の種牡馬との配合で生まれており、今回はサンデーサイレンス系のステイゴールドを父に持つオルフェーヴルが相手に選ばれている。すでに高齢になったビワハイジに自身の特徴を伝達する力はほとんどなく、現在は若い種牡馬のサポートをする形。栗毛の馬体を持つ同馬に対してはオルフェーヴルのイメージで接していいはずだ。 ※日曜京都5R 芝1600m※ ネプチュナイト 牡2 馬主:吉田勝己 厩舎:(栗)友道康夫 父:ルーラーシップ 母:タンザナイト(母父:サンデーサイレンス) 【馬名の意味・由来】 海王石と呼ばれる黒い鉱石 【コメント】 祖母のキャサリンパーは自身がJCダートを勝ったアロンダイトを輩出しただけでなく、自身の娘からも多くの活躍馬が出ている名繁殖牝馬。クリソライト、マリアライトの兄妹の母として知られるクリソプレーズが同馬の産駒なら、このネプチュナイトの母でもあり、先週の菊花賞に出走したダンビュライトの母としても知られるタンザナイトもこの馬の娘だ。これだけの活躍を出来る理由はキャサリンパーの中にリバーマン、リボーといった「しなやかさ」をセールスポイントにしている種牡馬がいるからだと考えている。ルーラーシップの母父にあたるトニービンもしなやかな馬。距離への融通性はかなりあると思う。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』『人気記事』 などもお楽しみください。

  • 2017年新馬

    【10月21日・22日新馬戦】兄と似たイメージで見るのはどうだろうか

    【東京デビュー】 ※土曜東京4R 芝1600m※ マルケッサ 牝2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(栗)池江泰寿 父:オルフェーヴル 母:マルペンサ(母父:Orpen) 【馬名の意味・由来】 女侯爵(伊) 【コメント】 母マルペンサはサトノダイヤモンドを産み、名繁殖としての地位を確立した馬。同じサンデーサイレンス系のサトノダイヤモンドと同じように、この馬もヘイローの多重クロスを持っているが、その度合いは3×5×4だったサトノダイヤモンドのほうがきつい。加えて、ステイゴールド産駒の父オルフェーヴルにはサトノダイヤモンドの父であるディープインパクトよりも素軽さが足りないイメージを持っている。牝馬に出ているので、それなりの軽さはあると思うが、サトノダイヤモンドと似たイメージで見るのはどうだろうか。 ※土曜東京5R 芝2000m※ オブセッション 牡2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(美)藤沢和雄 父:ディープインパクト 母:パーシステントリー(母父:Smoke Glacken) 【馬名の意味・由来】 執念。勝利への執念を見せてほしい。母名より連想 【コメント】 シーキングザゴールドの初年度産駒として知られる曾祖母のヘヴンリープライズはGIを8勝もした名牝で、母のパーシステントリーもパーソナルエンスンSを制したGI馬。この馬には4年連続でディープインパクト産駒が配合されているが、それはヘヴンリープライズに遡る母系の優秀さを認めているからにほかならない。これまでの産駒は期待ほどの活躍をしていないが、競走馬として成功した馬が繁殖に上がった場合、活躍馬を出すまでに時間のかかるケースが多い。4頭目の産駒になる同馬はちょうどいいタイミングと言えるかもしれない。ディープインパクトにミスタープロスペクター系の短距離血統という配合は相性がいいはずだ。 ※日曜東京4R 芝1400m※ ルソンデュレーヴ 牝2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(美)萩原清 父:キングカメハメハ 母:アコースティクス(母父:Cape Cross) 【馬名の意味・由来】 夢の音(仏)。母名より連想 【コメント】 母アコースティクスはロジユニヴァースの母として知られる馬だが、ソニックレディに祖を持つ母系は先週の秋華賞を制したディアドラを筆頭に、ダートの短距離重賞で活躍したノーザンリバー、同じダートでも長距離路線で活躍したランフォルセなど、様々なタイプの大物を出し、クズが出ないことでも知られている系統。父のキングカメハメハはミスタープロスペクター系とノーザンダンサー系の相性の良さを示した名馬だが、母のアコースティクスもノーザンダンサー系とミスタープロスペクター系の配合になっており、ミスタープロスペクターの3×4、ノーザンダンサーの5×5×5×5、ヌレイエフの4×4という多重クロスを持つ血統構成になっている。 【京都デビュー】 ※土曜京都4R 芝1400m※ クロンヌデトワール 牝2 馬主:(株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン 厩舎:(栗)今野貞一 父:オルフェーヴル 母:スターズインハーアイズ(母父:Woodman) 【馬名の意味・由来】 星の冠(仏)。母名より連想 【コメント】 祖母はディープインパクトの母として知られるウインドインハーヘアだが、彼女が体内に存在するがゆえに、サンデーサイレンスの最高傑作であるディープインパクトと配合できないジレンマに陥っている。代が進み、ディープインパクトの血統と配合することができるようになれば、その馬はウインドインハーヘアのインブリードを持つことに。そのときこそが注目の血統となるのではないだろうか。この繁殖牝馬の弱点は母父にいるウッドマンで、同馬はスピードこそあるものの、その産駒がダートに偏った成績を残しているように、芝を走るには重たい血統。ゆえにサンデーサイレンス系を配合しても活躍馬が出てこないのだ。 ※日曜京都5R 芝2000m※ ロイヤルバローズ 牡2 馬主:猪熊広次 厩舎:(栗)角居勝彦 父:オルフェーヴル 母:ゴッドフェニックス(母父:ブライアンズタイム) 【馬名の意味・由来】 王、王室+冠名 【コメント】 ロンドンブリッジの血統はクズが出ないだけでなく、オークス馬のダイワエルシエーロ、今週の菊花賞に出走するキセキ、来週の天皇賞(秋)に出走するグレーターロンドンなどの大物も輩出しており、現在も活力に溢れた系統のひとつと呼ぶことができると思う。ダンジグの血を持つロンドンブリッジがスピード豊富な馬だったことが、この系統が活躍できる大きな理由と考えているわけだが、今回は母父にスタミナが豊富なブライアンズタイム。その産駒は腹回りがボテッとした産駒が多く、オルフェーヴルとの配合との掛け合わせは、そのイメージを増幅させる。これまでとは違ったタイプの馬になるかもしれない。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』『人気記事』 などもお楽しみください。

  • 2017年新馬

    【10月14日・15日新馬戦】種付け時期を意識的に早くする必要があった

    【東京デビュー】 ※土曜東京5R 芝1600m※ マウレア 牝2 馬主:落合幸弘 厩舎:(美)手塚貴久 父:ディープインパクト 母:バイザキャット(母父:Storm Cat) 【馬名の意味・由来】 永遠の喜び(ハワイ語) 【コメント】 桜花賞を制したアユサンの全妹。ディープインパクトにストームキャットの配合は、すでにニックスとして認知されているほどなので、多くを語る必要はないだろう。4代前のインテンショナリーでスピードの土台を作り、その次にアファームドを掛け合わせ、最後にストームキャットという血統構成の母系は早熟な印象が強く、ゆえに3歳春で完結できるような馬にしていくことが大事になってくる。この馬の場合は2月1日の早生まれ。この血統構成だからこそ、種付け時期を意識的に早くする必要があったと考えるべきなのだ。 ※日曜東京3R 芝1600m※ レーヴドリーブ 牝2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(栗)高野友和 父:オルフェーヴル 母:レーヴドスカー(母父:Highest Honor) 【馬名の意味・由来】 夢(仏)+オリーブ(仏)。オリーブの花言葉より「勝利」を連想 【コメント】 この世界では芦毛は優勢遺伝と言われ、栗毛は劣勢遺伝とされている。阪神JFを勝ったレーヴディソールを筆頭にアプレザンレーヴ、レーヴミストラルの青葉賞勝ち馬を輩出。十分な繁殖実績を持っている母レーヴドスカーだが、今年で20歳の高齢馬。以前は多かった芦毛の産駒も減り、今回は父オルフェーヴルと同じ栗毛の牝馬。兄姉と同じようなイメージで考えるのは危険かもしれない。それでも、この母系の優秀さにあえて触れるとするのなら、ハイエストオナー、バイアモンといったスタミナ色の強い血を持っているところ。これにスピード豊富な種牡馬の能力がかみ合うと、重賞級の能力を持つ馬が誕生することになる。 オハナ 牝2 馬主:金子真人ホールディングス(株) 厩舎:(美)堀宣行 父:ディープインパクト 母:ハウオリ(母父:キングカメハメハ) 【馬名の意味・由来】 家族(ハワイ語) 【コメント】 祖母は安田記念、マイルCSを制した名牝のノースフライト。この馬から始まる血統は重賞級こそ出さないものの、それなりに勝ち上がる馬を出している。クズの多くない血統は信頼度が高いだけでなく、どこかで大物を出す可能性を持っているというのが私の考え方。ノースフライトの血統で最も可能性を感じさせるのが、母にハウオリを持つこの血統で、同じディープインパクト産駒だった兄キロハナ、姉ハナレイムーンも持っている資質は高そうに見えた。仮に大物が出た場合に利いてくるのは、ノースフライトの父であるトニービンだろう。長距離に適性がある同馬が豊富なスタミナをサポートしてくれるはず。 【京都デビュー】 ※土曜京都4R ダ1800m※ グレートタイム 牡2 馬主:金子真人ホールディングス(株) 厩舎:(栗)藤原英昭 父:キングカメハメハ 母:ミラクルレジェンド(母父:フジキセキ) 【馬名の意味・由来】 楽しい時間 【コメント】 ダートの活躍馬を多く輩出したパーソナルレジェンドだが、さすがに活力が落ちてきた印象があり、最近の産駒はパッとしない。この馬の母であり、娘のミラクルレジェンドに代替わりといった感じだろうか。この馬の姉にあたるコンプリートベストの父はエンパイアメーカー。悪くはないが、ダート血統の母系に配合するなら、エンパイアメーカーよりも素軽さのあるキングカメハメハのほうが相性はいいと思う。母父であるフジキセキは豊富なスピードだけでなく、ダートでもいけるパワーを兼備した馬。この馬の存在からも主戦場はダートになると考えていいだろう。 ベストマイウェイ 牡2 馬主:馬場幸夫 厩舎:(栗)石坂正 父:Point of Entry 母:Hug It Out(母父:Medaglia d'Oro) 【馬名の意味・由来】 最高の我が道 【コメント】 父はアメリカの芝GIを5勝したポイントオブエントリー。この馬の父であるダイナフォーマーの父はロベルトで、ダイナフォーマーの産駒は芝、ダートを問わずに走る。ポイントオブエントリーの母父シーキングザゴールドも芝、ダート兼用のスピード馬。アメリカ血統ではあるが、芝で走る馬を出しても不思議のない種牡馬だ。母父メダグリアドーロはダートのイメージが強い馬だが、その父のエルプラドは芝馬で、メダグリアドーロと並ぶ後継種牡馬のキトゥンズジョイの適性も芝。ダートからのデビューとなるようだが、血統的には芝でも問題がなく、こなせる距離の幅も広いはずだ。 ※土曜京都5R 芝1200m※ ロンロネオ 牡2 馬主:H.H.シェイク・モハメド 厩舎:(栗)藤岡健一 父:Elusive Quality 母:カタウォール(母父:Street Cry) 【馬名の意味・由来】 猫が喉を鳴らすこと(西) 【コメント】 母系の3代前にいるナスティークという繁殖牝馬。私はこの馬の子を手掛けたことがある。デイジュール産駒のハセノデジュールという馬で、残念ながら故障で大成することが出来なかったが、かなりのスピードを持っていた。その弟がフェブラリーSを制したノボトゥルー。同馬の持っていたスピードは父のブロードブラッシュではなく、母系の影響を受けたものと私は考えている。ナスティークにストームキャットというスピード馬を掛け合わせ、ダートのパワータイプであるストリートクライ、これまた豊富なスピードを持つイルーシヴクオリティと重ねた血統のイメージはダートの短距離。ミスタープロスペクターの3×4というクロスも印象を強くしている。 ※日曜京都5R 芝1800m※ ピボットポイント 牡2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(栗)友道康夫 父:ディープインパクト 母:ペンカナプリンセス(母父:Pivotal) 【馬名の意味・由来】 回転軸の中心。中心的な存在となるような活躍を期待して。母父名より 【コメント】 5勝しているダノンジェラート、青葉賞2着ワールドインパクトの全弟にあたる血統の馬で、父がディープインパクトで母父がピヴォタルの配合はファンディーナと同じ。母父ストームキャットと同じく、ディープインパクト×スピード血統という掛け合わせだ。ピヴォタルの母系にいるコジーンは、自身の力だけでも十分なスピードと柔軟性を伝えることができるが、母父の位置に入ることで掛け合わせた馬の特性を十分に引き出す能力を持っている。ピヴォタルがヌレイエフの豊富なスピードを伝えているのも、前述したコジーンの特徴に寄る所が大きいはずだ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』『人気記事』 などもお楽しみください。

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    【9月30日・10月1日新馬戦】これ以上ないほどに信頼度の高い母系

    【中山デビュー】 ※土曜中山5R 芝1600m※ ムーンライトナイト 牝 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(美)久保田貴士  父:ステイゴールド  母:ポーレン(母父:Orpen) 【馬名の意味・由来】 夜の月明かり 【コメント】 サトノダイヤモンドの母父として脚光を浴びたオーペン。同馬の豊かなスピードはBCマイルを連覇したルアーから受け継いだものと考えている。今回はディープインパクトではなく、ステイゴールドが父になっているが、サンデーサイレンス系にオーペンの肌という意味では似通った配合と見ていいだろう。ステイゴールドのほうがステイヤー色の強い種牡馬だけに、オーペンのスピードをより求めていると言っていいかもしれない。 ※日曜中山5R 芝1800m※ ミッキーハイド 牡2 馬主:野田みづき 厩舎:(美)菊沢隆徳 父:ロードカナロア 母:ハイドバウンド(母父:Grand Slam) 【馬名の意味・由来】 冠名+母名より 【コメント】 ヌレイエフ産駒のソヴィエトスターにゴーンウエスト産駒のグランドスラムを掛け合わせた母系はスピード色がかなり強い。ロードカナロアの産駒はこなせる距離の範囲が予想以上に広そうだが、スピード血統をこれだけ積み上げてくれば、その適性はおのずと短い距離になるのではないか。多くのインブリードを体内に持っている馬だが、利いているのはミスタープロスペクターの4×4とノーザンダンサーの5×5×5。相性のいい掛け合わせをいくつも組み合わせることで、その特徴を強く出そうとする狙いが垣間見える。 グローリーヴェイズ 牡2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(美)尾関知人 父:ディープインパクト 母:メジロツボネ(母父:スウェプトオーヴァーボード) 【馬名の意味・由来】 栄光のつぼ。母名より連想 【コメント】 母系の3代前にいるメジロラモーヌは日本競馬史を代表する名牝で牝馬三冠を制している。自身の産駒からは傑出した馬を出せなかったが、隔世遺伝という形で大物を輩出する可能性は残っていると思う。母父のスウェプトオーヴァーボードはレッドファルクスなどを輩出している短距離系の種牡馬。ディープインパクトはスピード血統との相性が良く、ストームキャットやサクラバクシンオーがこの位置にいると考えるとイメージがしやすいかもしれない。母父のスピードを利用しながら距離をこなせる馬が誕生するはずだ。仮に大きい舞台に行けるようなら、そのときこそメジロラモーヌの底力が生きてくると思う。 【阪神デビュー】 ※土曜阪神5R 芝1800m※ カリマ 牡2 馬主:前田晋二 厩舎:(栗)佐々木晶三 父:ヴィクトワールピサ 母:エディン(母父:ジャングルポケット) 【馬名の意味・由来】 陽炎(西) 【コメント】 ボスラシャムやヘクタープロテクターを輩出した優秀な母系が目を引く。父がタイキシャトルの祖母ナインミューズまではスピードに特化している血統と言えるが、これにスタミナが豊富なジャングルポケットを掛けることで、バランスのいい配合となっているのが母エディンだ。この馬の配合相手に選ばれたヴィクトワールピサは皐月賞や有馬記念、ドバイワールドCを勝った名馬だが、切れよりもスタミナを武器にしている馬。真価を発揮するのは2000m以上の距離と考えられ、今回の距離に対応できるかがポイントとなりそう。 アドマイヤキング 牡2 馬主:近藤利一 厩舎:(栗)友道康夫 父:キングカメハメハ 母:アドマイヤテンバ(母父:クロフネ) 【馬名の意味・由来】 冠名+王様 【コメント】 母アドマイヤテンバは名牝アドマイヤグルーヴの産駒。つまりは皐月賞、ダービーを勝ったドゥラメンテの半姉にあたる血統馬ということだ。アドマイヤグルーヴの母エアグルーヴはアドマイヤグルーヴの他にもルーラーシップという名馬を輩出。競走馬としてのみならず、繁殖牝馬としても大成功した。これ以上ないほどに信頼度の高い母系だが、仮に思ったような結果を上げられない可能性があるとするなら、それは母父であるクロフネの個性が強調された場合だろう。主戦場をダートにすることも視野に入れるべきかもしれない。 ※日曜阪神5R 芝1400m※ バレンタインジェム 牝2 馬主:(有)キャロットファーム 厩舎:(栗)橋田満 父:ノヴェリスト 母:ケイティーズジェム(母父:ディープインパクト) 【馬名の意味・由来】 バレンタインの宝石。本馬の誕生日と母名より連想 【コメント】 祖母のケイティーズファーストはアドマイヤムーンの母であるマイケイティーズを産んでおり、この一族はそれなりの繁栄も見せている。しかし、真に大物と呼べるのはアドマイヤムーンのみ。この一族からGIレベルの馬が再び出るかとなると微妙なところだろう。長い距離がいいはずのノヴェリストはサンデーサイレンス系との相性を考えて輸入された種牡馬で、その最高峰であるディープインパクトを母父に持つ同馬への期待は当然ながら高いと思うが、仮に距離に限界を見せるようであれば、母系の影響が強いということになるのだろうか。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』『人気記事』 などもお楽しみください。

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    【9月23日・24日新馬戦】意外性のある面白い掛け合わせ

    【中山デビュー】 ※土曜中山5R 芝1600m※ グランドピルエット 牝2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(美)田村康仁 父:ロードカナロア 母:ザレマ(母父:ダンスインザダーク) 【馬名の意味・由来】 バレエの回転技法(仏) 【コメント】 母のザレマはダンスインザダーク産駒だが、勝った重賞は1600mの京成杯AH。ジリッぽい走りに父の影響を多少は感じさせたものの、マイルの距離を得意としていたところを見ると、ザフォニックを父に持ち、マルカシェンクやガリバルディというマイラータイプを輩出してきた母シェンクの影響が強かったのかもしれない。ただし、父のロードカナロアは自身の残した成績よりも距離に融通性がある。隔世遺伝で母父が出てくるようなら、意外な距離で活躍する馬になるかもしれない。 クリッパー 牝2 馬主:吉田和美 厩舎:(美)高橋文雅 父:ディープインパクト 母:クイックリトルミス(母父:Freud) 【馬名の意味・由来】 刈る人 【コメント】 母父のフロイトはストームキャット産駒の1勝馬。種牡馬になれたのはジャイアンツコーズウェイの全弟という血統背景が大きいだろう。つまり同馬の配合はディープインパクトに母父ジャイアンツコーズウェイと考えるのと同じで、その相性は決して悪くないはず。母系にはアンブライドルドの名もあり、底力もそれなりにあるはずだ。これまでの産駒はディープインパクトとの配合でも結果を出せていないが、そろそろ大物を出しても不思議はないはず。 ※日曜中山4R ダ1200m※ プタハ 牡2 馬主:髙瀬真尚 厩舎:(美)斎藤誠 父:ヘニーヒューズ 母:シャラポワ(母父:サンデーサイレンス) 【馬名の意味・由来】 古代エジプトの創造の神 【コメント】 4代前にいるクリスエバートはアメリカの殿堂馬にも選ばれている名牝。この馬にニジンスキーを配合し、次にブラッシンググルーム、その次にはサンデーサイレンスとS級の種牡馬ばかりを掛け合わせてきた。母シャラポワに至る段階で完成形を迎えた血統と考えることもできるだろうが、彼女が産んだ産駒の成績を見れば、スピードにやや欠ける面があるようにも思える。そこで選ばれたのがヘニーヒューズ。ストームキャット、ヘネシーから受け継ぐ豊富なスピードを注入できるかどうかが最大のポイントだろう。 ※日曜中山5R 芝2000m※ シャープスティーン 牝2 馬主:林正道 厩舎:(美)武井亮 父:ハーツクライ 母:ウインファンタジア(母父:ヘネシー) 【馬名の意味・由来】 人名より 【コメント】 母のウインファンタジアは栗毛。父ヘネシー、母父イージーゴアはともに栗毛だったので、どちらの影響が強く出ているかの判断はつきかねるのだが、短距離を中心に出走していた彼女の成績を考えれば、ヘネシーのスピードを強く受け継いでいたのかもしれない。ハーツクライは中、長距離用の種牡馬として考えられており、スピードタイプのヘネシーとは相性がいいはず。仮に大きな舞台にたどり着くことができれば、そのときはイージーゴアのスタミナに期待することもできるだろう。 ダイワメモリー 牝2 馬主:大城敬三 厩舎:(美)国枝栄 父:ノヴェリスト 母:ダイワスカーレット(母父:アグネスタキオン) 【馬名の意味・由来】 冠名+記憶 【コメント】 母のダイワスカーレットは競馬史に残る名牝で、牡馬相手のGIでも主役を張り続けるほどの傑出した能力を持っていた。それだけに過去の産駒の成績を物足りなく感じてしまうのだが、キングカメハメハに代表されるように、これまでは少し硬めなタイプの種牡馬が配合相手に選ばれてきた。ダイワスカーレットはサンデーサイレンス系でも、そこまでしなやかなイメージのない馬。相性が良くなかった可能性がある。実際に見たノヴェリストは彼が残した成績に反比例し、しなやかな馬体の馬だった。意外性のある面白い掛け合わせだと思う。 【阪神デビュー】 ※日曜阪神5R 芝2000m※ トーセンブレイヴ 牡2 馬主:島川隆哉 厩舎:(栗)池江泰寿 父:キングカメハメハ 母:ギーニョ(母父:サンデーサイレンス) 【馬名の意味・由来】 冠名+勇敢な、勇ましい 【コメント】 祖母はトゥザヴィクトリーの母として知られるフェアリードール。父にサンデーサイレンスを持つ母のギーニョはトゥザヴィクトリーの全妹という血統背景を持つ良血馬ということになる。キングカメハメハとサンデーサイレンス系の相性の良さは周知の事実だが、この血統のキングカメハメハ産駒は切れよりもスピードを生かすタイプが多い。フェアリードールの父であるヌレイエフの影響をこの部分に感じる。 エタリオウ 牡2 馬主:(株)Gリビエール・レーシング 厩舎:(栗)友道康夫 父:ステイゴールド 母:ホットチャチャ(母父:Cactus Ridge) 【馬名の意味・由来】 得たりおう。うまくしとめたとき、応戦するときに発する言葉 【コメント】 ホットチャチャの祖父であるヘネシーはヨハネスブルグやヘニーヒューズで日本競馬に対応できるスピードを見せている。その父であるストームキャットは気性が悪いことで知られており、同じく激しい気性で有名なステイゴールドとの掛け合わせは一見すると不安材料に思えるが、ステイゴールド産駒のオルフェーヴルとストームキャットの掛け合わせになっているロックディスタウンは気性に問題がない。配合の妙があるのかもしれない。 レッドエクシード 牡2 馬主:(株)東京ホースレーシング 厩舎:(栗)松永幹夫 父:ディープインパクト 母:セレブレイションキャット(母父:Storm Cat) 【馬名の意味・由来】 冠名+超える。想像を超える活躍に期待して 【コメント】 母のセレブレイションキャットの毛色は栗毛。ディープインパクトとストームキャットの配合は過去の例を持ち出すまでもなく、好相性の配合パターンだが、気になるのはストームキャットの産駒のほとんどが鹿毛か黒鹿毛ということで、この母はストームキャットよりも自身の祖父である同じ栗毛のアリダーの影響を受けている可能性がある。仮にアリダーがでているタイプだとすれば、こなせる距離のレンジは少し長くなるはずだ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで ※次回の【血統診断 -白井式ブラッドマニュアル-】は9月29日(金)の公開予定となります。 ・『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』『人気記事』 などもお楽しみください。

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