輝かしい実績に裏付けられた独自理論から、注目馬の血統をチェック!

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    【12月8日・9日新馬戦】爆発する可能性は十分にあると思う

    【中山デビュー】 ※土曜中山5R 芝1600m※ エレベル 牝2 馬主:吉田照哉 厩舎:(美)中舘英二 父:ディープインパクト 母:オンヴェラ(母父:Smart Strike) 【馬名の意味・由来】 彼女は美しい(仏) 【コメント】 あくまで個人的な見解ではあるのだが、ミスタープロスペクター系よりもノーザンダンサー系のほうがディープインパクトとの相性がいいと考えている。優秀な繁殖成績を残し、カナダの殿堂馬にもなっているノークラスの一族であるスマートストライクは、ミスタープロスペクター系の中でも優秀な種牡馬と言える存在。ディープインパクトとの掛け合わせは一見すると素晴らしいものであるように思えるだろう。しかし、ノーザンダンサー系→ミスタープロスペクター系→ディープインパクトではなく、ミスタープロスペクター系→ノーザンダンサー系→ディープインパクトのほうが掛け合わせの順番としては良かったはずで、血統表にいる個々の馬のレベルが高いだけに、少しもったいない気がしてしまう。配合の順番は意外に重要なのだ。 ※日曜中山6R 芝1800m※ カーテンジュエル 牝2 馬主:木村直人 厩舎:(美)尾関知人 父:キングカメハメハ 母:アルデュール(母父:フレンチデピュティ) 【馬名の意味・由来】 宝石のカーテン。オーロラをイメージして 【コメント】 父がサンデーサイレンスで母はマガロという血統を見て、非常に懐かしいと感じてしまった。この馬の祖母であるミスアルダント。前述した血統を持つ彼女はサンデーサイレンスが最初に送り出したダービー馬タヤスツヨシの全妹であり、筋肉質なダート馬になってしまいそうなキングカメハメハ×フレンチデピュティという配合に柔らかさを与える役目を背負う存在だ。キングカメハメハもフレンチデピュティもサンデーサイレンス系とのニックスが成立する馬という点もポイントになるだろう。芝で切れるタイプの馬が出てくれば、非常に面白いのだが。 【阪神デビュー】 ※土曜阪神6R ダ1800m※ ハヤブサナンデクン 牡2 馬主:武田修 厩舎:(栗)吉村圭司 父:ゴールドアリュール 母:ホワイトクルーザー(母父:クロフネ) 【馬名の意味・由来】 冠名+「ナンデダロ」にちなんで 【コメント】 母のホワイトクルーザーは牡馬を相手にチャンピオンズCを勝った名牝サンビスタを半妹に持つ馬で、父がスズカマンボだったサンビスタよりもクロフネのホワイトクルーザーのほうがダート色は強く、ゴールドアリュールとの掛け合わせになった同馬の目指すべき方向もおのずと決まってくる。もちろん、主戦場はダートとなるはずだ。同馬を生産したのはグランド牧場。数多くの活躍馬を出している牧場だが、そのほとんどがダートで結果を残した馬。それは社台系列の牧場以外では芝の大レースで活躍しにくい現状を表している。 ※日曜阪神5R 芝1800m※ ウォータースペース 牝2 馬主:山岡正人 厩舎:(栗)安田隆行 父:ブラックタイド 母:プティプランセス(母父:キングカメハメハ) 【馬名の意味・由来】 冠名+宇宙 【コメント】 何度も言ってきたことだが、アメリカではミスタープロスペクターとエーピーインディーは相性のいい配合として知られており、このようなマッチングをする馬が非常に多い。父がキングカメハメハのプティプランセスは日本産だが、アメリカ的な配合の繁殖牝馬と考えることもできるだろう。キングカメハメハはサンデーサイレンス系との相性がいい種牡馬として知られており、ディープインパクトとは同配合でもタイプの違う産駒を出すブラックタイドとの掛け合わせなら、牝馬でも馬体のしっかりした馬が出てくるかもしれない。芝、ダートの二刀流が期待できるだけでなく、距離の融通性までありそうだ。 ティグラーシャ 牝2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(栗)池添学 父:ディープインパクト 母:シーズアタイガー(母父:Tale of the Cat) 【馬名の意味・由来】 映画の主人公の名。「トラちゃん」というニュアンスの愛称 【コメント】 母のシーズアタイガーはアメリカの2歳牝馬チャンピオンになった実績を持っている馬だが、自身の体内にミスタープロスペクターのインブリードを成立させている血統にもかなりの魅力を感じる。エレベルという馬の項で「ディープインパクトとの配合は掛け合わせる順番」が大事という話をしたが、この馬はミスタープロスペクター系→ノーザンダンサー系→ディープインパクトの順番を守っているところが大きなポイント。ディープインパクトと相性がいいストームキャットの直仔であり、母父ミスタープロスペクターの特徴であるスピードの持続性を受け継いだテイルオブザキャットを母父に迎えているところも注目だ。爆発する可能性は十分にあると思う。 ユキエチャン 牝2 馬主:大野剛嗣 厩舎:(栗)須貝尚介 父:ジャスタウェイ 母:ベットーレ(母父:Blu Air Force) 【馬名の意味・由来】 人名より+呼称 【コメント】 母父のブルエアフォースはセックスアピールを祖母に持つ馬で、私が管理したフサイチパンドラ、その娘であるアーモンドアイと同じ一族ということになる。ブルエアフォース自身はGIIIを勝った程度の馬で、産駒の成績も目立つほどではない。確かに地味な血統ではあるのだが、ジャスタウェイとの掛け合わせがハマれば、思わぬ活躍馬を出しても不思議はない下地は持っている馬。ジャスタウェイに期待されているのはスピードの遺伝。次にサンデーサイレンス系の切れを足すことだ。 【中京デビュー】 ※日曜中京5R 芝2000m※ アンテメリディエム 牡2 馬主:ゴドルフィン 厩舎:(栗)須貝尚介 父:Authorized 母:Morning Line(母父:Anabaa) 【馬名の意味・由来】 午前 【コメント】 父のオーソライズドが英ダービー馬。サドラーズウェルズの後継種牡馬の中でもスタミナタイプのモンジューを父に持ち、母系にはレインボウクエストの名もある。日本で結果を残すことが難しい欧州血統の馬とあれば、スピードの注入がなによりも優先される。今回で言えば、母父のアナバー。ダンジグ産駒の同馬が果たす役割は相当に大きい。アナバーではなく、その先にいるアイリッシュリバーなどが強調されてしまった場合は、スピード不足に陥る可能性が高いだろう。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

  • 2018年新馬

    【12月1日・2日新馬戦】日本での知名度はひと息かもしれないが非常に優秀な種牡馬だ

    【中山デビュー】 ※日曜中山6R 芝2000m※ シェドゥーヴル 牡2 馬主:(有)キャロットファーム 厩舎:(美)木村哲也 父:オルフェーヴル 母:ヒルダズパッション(母父:Canadian Frontier) 【馬名の意味・由来】 傑作、名作(仏)。金細工師である父の最高傑作となるよう願って 【コメント】 母ヒルダズパッションはカナディアンフロンティアの代表産駒。しかし、今年のウッドワードSを勝ったヨシダの登場で、同馬の母としての認識のほうが日本では高くなっている。日本で走っている同馬の産駒は2頭ともに父がディープインパクト。ゆえに芝で結果を残せているのだろうが、今回の父はディープインパクトに比べて切れに欠ける印象のあるオルフェーヴル。ヨシダの父であるハーツクライよりもしなやかさのない馬だ。ヒルダズパッション自身の血統構成は素晴らしく、こちらを全面に押し出したほうがいいのでは…と思えるほどなら、ダートに照準を絞るのも一つの手ではないだろうか。 【阪神デビュー】 ※土曜阪神5R 芝1600m※ ジュベルハフィート 牡2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(栗)石坂正 父:ディープインパクト 母:ドバウィハイツ(母父:Dubawi) 【馬名の意味・由来】 UAEとオマーンの国境にまたがる山の名前 【コメント】 半姉にフィリーズレビューを勝ったリバティハイツ。だが、比較すべき対象はキングカメハメハ産駒の同馬ではなく、キャリア1戦で引退している全姉のリーチザハイツのほうだろう。この馬に対する知識がなかったので、パドックを周回している当時のVTRを改めて確認させてもらった。コンパクトだが、バネがありそうな馬。もう少し胴に伸びがあれば、こなせる距離の幅も広いのではないか。そんなイメージを持った。それはディープインパクト×ドバウィという配合イメージに通じるもので、GIを2勝している母ドバウィハイツの能力も確かなものがある。大物が出ても不思議ないはずだ。 ※土曜阪神6R ダ1400m※ アイスバーグアリー 牝2 馬主:H.H.シェイク・ファハド 厩舎:(栗)中内田充正 父:ブラックタイド 母:ソヨカゼII(母父:Monsun) 【馬名の意味・由来】 流氷を見学できるカナダの観光地名 【コメント】 ブラックタイドの配合パターンについては何度か触れていると思うが、全弟のディープインパクトと同じで母系にはスピードタイプを入れてあげることが重要と私は考えている。母父にサクラバクシンオーを持つキタサンブラックでも馬体に伸びがあり、長距離への適性を示す馬体をしていたことは記憶に新しい。この馬は母父が長距離に強いモンズーンで、その先にはカーリアン。イメージ的には芝の長距離に強そうな血統だ。これまでの産駒を見ても、そのほとんどが地方競馬に活路を見出している馬ばかり。スピード不足にならないかの心配はある。 フォレブルート 牝2 馬主:林正道 厩舎:(栗)安田隆行 父:ロードカナロア 母:プリームス(母父:フジキセキ) 【馬名の意味・由来】 満開(独) 【コメント】 マイルCSを勝ったシンコウラブリイなどを輩出しているハッピートレイルズに祖を持つ血統。藤沢和雄厩舎の管理馬に活躍馬が多く、最近ではコディーノなどもこの血統の出身となっている。母のプリームスはフジキセキの産駒で、フジキセキはサンデーサイレンス系の種牡馬でもスピード色の強いタイプ。フレンチデピュティとの掛け合わせになった母もそうだが、ロードカナロアを父に迎えた今回の配合もスピードにスピードを加える配合と考えていいだろう。距離には限界があるだろうが、目指すべき道がしっかりとしているなら問題ないはず。 ※日曜阪神6R ダ1400m※ サトノアイビス 牝2 馬主:(株)サトミホースカンパニー 厩舎:(栗)橋口慎介 父:Bodemeister 母:ジェニサ(母父:Storm Cat) 【馬名の意味・由来】 冠名+朱鷺 【コメント】 ストームキャットの3×2という強烈なインブリードを持つ馬。アウトブリード信仰の強い日本では考えられない配合だろうが、エネイブルに代表されるように海外では何十年も前からインブリードを積極的に利用してきた。気性面の不安は残るものの、仮にストームキャットのスピードが強く遺伝されれば、相当なスピード馬になる可能性がある。ちなみに父のボードマイスターはキャリア6戦で【2.4.0.0】。ケンタッキーダービー、プリークネスSで2着の実績を持っている血統馬で、すでにオールウェイズドリーミングというケンタッキーダービー馬も出している。日本での知名度はひと息かもしれないが、非常に優秀な種牡馬だ。 【中京デビュー】 ※日曜中京5R 芝1400m※ チャリオット 牝2 馬主:(株)ラ・メール 厩舎:(栗)松下武士 父:Dark Angel 母:You've Got It(母父:Sea The Stars) 【馬名の意味・由来】 古代の戦闘用の馬車 【コメント】 この母系はかなりのステイヤー血統。ダルシャーンにサドラーズウェルズ、シーザスターズと掛け合わせた配合は、日本の軽い芝に向くと思えず、おそらくはスピード不足になってしまうだろう。資質が開花する時期も遅いはずだ。それを補うための種牡馬が今回のダークエンジェルで、ミドルパークSというスプリントGIを勝った同馬のキャリアは2歳までで終わっている。わかりやすいほどの早熟タイプだ。ダークエンジェルの影響力がどれほどのものかで、この馬の可能性も変わってくるだろう。 フォッサマグナ 牡2 馬主:吉田和美 厩舎:(美)藤沢和雄 父:War Front 母:River Belle(母父:Lahib) 【馬名の意味・由来】 大きな溝(ラテン語) 【コメント】 ダンジグ産駒のウォーフロントは豊富なスピードを持っている種牡馬だが、その産駒成績はスプリント戦のみに偏らず、芝のマイルから中距離で結果を出したデクレレーションオブウォーを筆頭に様々な分野で活躍馬を出している。リヴァーマン産駒のラヒブを母父に持ち、3代前にはディキシーランドバンドの名もある母系はスタミナ寄り。少し古めの血統で構成されている点に一抹の不安は感じるものの、距離をこなす可能性は十分にある配合といえそうだ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

  • 2018年新馬

    【11月24日・25日新馬戦】父は母系の足りない部分を埋める最適にして最高の種牡馬

    【東京デビュー】 ※日曜東京4R 芝1800m※ ヒシイグアス 牡2 馬主:阿部雅英 厩舎:(美)堀宣行 父:ハーツクライ 母:ラリズ(母父:Bernstein) 【馬名の意味・由来】 冠名+アルゼンチンにある最大の滝 【コメント】 4代前にサザンヘイロー、3代前にレインボウクエスト産駒のレインボウコーナーという部分はマカヒキの母ウィキウィキと同じ。母父のバーンスタインはストームキャットを父に持つスピード系の種牡馬だが、母系にいるアファームドの影響で産駒の個性は様々。日本では朝日杯FSを勝ったゴスホークケンの父として名を知られている存在だ。中距離以上に適性を見せるハーツクライとの掛け合わせは正解と思えるもので、ヘイローの3×5のインブリードからスピードが不足することもないはず。 ラストドラフト 牡2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(美)戸田博文 父:ノヴェリスト 母:マルセリーナ(母父:ディープインパクト) 【馬名の意味・由来】 小説の最終草稿。完成版 【コメント】 母は桜花賞馬のマルセリーナ。ディープインパクト産駒だった彼女の良さは柔軟性に富むラストタイクーンを母系に持っていたことが大きいのではないだろうか。父ノヴェリストは馬体が良く、成功して不思議のない種牡馬と考えていたのだが、思っていたほどの活躍はできていない。父がモンズーンで母系にイルドブルボンなどがいる血統構成が日本では重過ぎるのかも。今回のようなトップクラスのディープインパクト産駒との配合で結果を出さなければ、今後はますます厳しくなるだろう。 エデリー 牡2 馬主:ゴドルフィン 厩舎:(美)藤沢和雄 父:ディープインパクト 母:ヴァレリカ(母父:Dynaformer) 【馬名の意味・由来】 人名より 【コメント】 祖母のマンデラはマイラーズCをレコード勝ちしているワールドエースの母であり、ディープインパクトを父に持つ同馬はワールドエースに極めて近い配合の馬となっている。母父ダイナフォーマーはロベルトの産駒で長距離に適した馬。掛け合わせによってはスピード不足が懸念されるところだが、マイル色の強かったワールドエースをイメージすれば、クラシックディスタンスまでの可能性を手にできると考えたほうがいい。スケールはむしろ大きくなった。 【京都デビュー】 ※土曜京都5R 芝1400m※ ラフェリシテ 牝2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(栗)須貝尚介 父:ルーラーシップ 母:シュプリームギフト(母父:ディープインパクト) 【馬名の意味・由来】 至福(仏) 【コメント】 母はディープインパクト産駒だが、短距離に適性を示したシュプリームギフト。彼女の活躍はミスタープロスペクター系の血を引く母系の影響を受けていたことを示すものかもしれない。この馬のひとつ上の兄はキングカメハメハの産駒で、一つ下の弟はロードカナロア。同馬の父はルーラーシップなので、すべての産駒でミスタープロスペクターのインブリードが成立していることになる。長めの距離に適性を持つルーラーシップには、この馬のようなスピードの血を持つ馬が適しているだろう。 マイエンフェルト 牝2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(栗)池添学 父:ハービンジャー 母:アーデルハイト(母父:アグネスタキオン) 【馬名の意味・由来】 小説「ハイジ」の舞台となったスイスの地名。母名より連想 【コメント】 この血統のルーツは祖母のビワハイジ。名牝ブエナビスタを筆頭に数多くの活躍馬を産んだ彼女の存在が際立つ血統構成になっているが、この母系であればサンデーサイレンス系とのマッチングに優れるキングカメハメハの系統でいいのでは…という気がしないでもない。ハービンジャーだけではスピードが不足してしまうので、母父アグネスタキオンが持っているスピードをどこまで引き出せるかがポイントになってくると思う。 ※土曜京都6R ダ1800m※ ベイズンストリート 牡2 馬主:吉田和美 厩舎:(栗)斉藤崇史 父:Curlin 母:Judith Basin(母父:Danzig) 【馬名の意味・由来】 ニューオーリンズにある通りの名。母名から連想 【コメント】 他を圧倒するほどの馬格があり、非常にパワフルな印象を与えた父カーリンだが、距離に対しての融通性は持っていて、スマートストライク×デピュティミニスターという血統でも中距離を楽にこなした。この馬の母父はダンジグで本質的にはスピードタイプと思われるが、その先にはアレッジドやバックパサー、サーゲイロードがいることも考えれば、活躍の場が広範囲に及ぶ可能性も十分にありそうだ。 ※日曜京都5R 芝1800m※ ウーリリ 牡2 馬主:金子真人ホールディングス(株) 厩舎:(栗)友道康夫 父:ディープインパクト 母:ウィキウィキ(母父:フレンチデピュティ) 【馬名の意味・由来】 ハワイに棲息する鳥 【コメント】 ダービー馬マカヒキの全弟という血統馬。すでに結果を出している配合なら、その血統の仕組みを説明することに専念したい。母系のスピードを下支えしているのは4代前にいるサザンヘイロー。そこにレインボウクエストのスタミナを加え、母父のフレンチデピュティでスピードと力強さを改めて入れている。しなやかさと切れを持つディープインパクトは母系の足りない部分を埋める最適にして最高の種牡馬。ゆえにこの配合は成功したわけだ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

  • 2018年新馬

    【11月17日・18日新馬戦】大物が出ても不思議のない血統だ

    【東京デビュー】 ※土曜東京5R 芝1600m※ シングフォーユー 牝2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(美)牧光二 父:ジャスタウェイ 母:シングライクバード(母父:シンボリクリスエス) 【馬名の意味・由来】 あなたのために歌う 【コメント】 リアルシャダイ、ノーザンテーストと社台ファームの一時代を作った馬を重ね合わせた母系は優秀で、実際にシンボリクリスエス産駒の母シングライクバードはマンハッタンカフェとの配合でシングウィズジョイという重賞2勝馬を輩出している。同馬はそのシングライクバードの4頭目の産駒ということになるわけだが、今回のポイントはマイルから中距離に良績を残したジャスタウェイが相手に選ばれているところ。結果を残しているとはいえ、大舞台で互角以上に走れるほどのスピードを母系は有しておらず、その部分はどうしても配合相手に頼ることになるからだ。ゆえにジャスタウェイの影響が強いほうが成功する可能性は高いと見る。 スイートセント 牝2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(美)栗田徹 父:ワークフォース 母:ヒカルアマランサス(母父:アグネスタキオン) 【馬名の意味・由来】 甘い香り。観客を魅了させることを願って。母名より連想 【コメント】 ワークフォースだけでなく、エイシンフラッシュもパンチ不足の結果となっているキングズベストの評価が難しくなってきた。しかし、父がキングマンボ、母がアレグレッタという血統構成だけを見れば、成功しないと考えるほうが難しいくらいで、ワークフォースはこれにサドラーズウェルズ、アレッジドといった名馬を掛け合わせた母系を持っている馬でもある。もう少し長い目で見たいというのが正直なところだ。今回の母ヒカルアマランサスはエーピーインディーにカーリアンといった素晴らしい下地のある母系にサンデーサイレンス系のアグネスタキオンを父に迎えた血統馬。ワークフォースの今後を占うのに適したレベルと言えるだろう。 ※日曜東京5R 芝1800m※ アップライトスピン 牝2 馬主:(有)キャロットファーム 厩舎:(美)池上昌和 父:ディープインパクト 母:オリジナルスピンII(母父:Distorted Humor) 【馬名の意味・由来】 フィギュアスケートの回転技の一つ。全てのスピンの基本となるスピン 【コメント】 父はディープインパクトで母父にディストーテッドヒューマー。フレンチデピュティとディープインパクトとの相性を考えれば、この馬も成功して不思議のない配合と言えるはずだが、母系の先のほうにまで目を向けるとスピードが少し足りない印象。掛け合わせている馬が地味なところに弱さがあるのではないだろうか。実際、オルフェーヴルが配合されている1つ上の兄はスピードが足りておらず、ディープインパクトの軽さとしなやかさをどこまで再現できるかが非常に重要であるように思う。2戦1勝で引退したレヴアップスピンという馬が今回と同じディープインパクト産駒。これに近いイメージの馬であってほしいところだ。 【京都デビュー】 ※日曜京都5R 芝2000m※ サウンドバレット 牡2 馬主:増田雄一 厩舎:(栗)高橋康之 父:ハーツクライ 母:モスコーバーニング(母父:Moscow Ballet) 【馬名の意味・由来】 冠名+母父名の一部 【コメント】 ニジンスキー系のモスコーバレエを母父に持つ血統構成は意外に優秀で、モスコーバレエ自身がおじにミルリーフがいる血統馬でもある。母系にいるミスターリーダー、ボールドビッダーは共にスピード系の馬という認識でいいだろう。中距離からクラシックに強いイメージがあるハーツクライの相手にはスピード系を迎えることが鉄則。セオリー通りの血統構成に不満を感じるところはない。ハーツクライが強く出て、クラシック路線に乗った場合には、前述したニジンスキーなどが利いてくるはず。重賞などでも格負けしない底力を有していると言えそうだ。 スカーフェイス 牡2 馬主:(有)グランド牧場 厩舎:(栗)橋田満 父:ハーツクライ 母:スプリングサンダー(母父:クロフネ) 【馬名の意味・由来】 顔に傷のある 【コメント】 母系にいるキーフライヤーは私が管理したダンスパートナーや菊花賞馬にもなったダンスインザダークを産んだダンシングキイの全妹という血統馬。言うまでもなく、大舞台でも活躍可能な底力を有している血統で、実際に祖母のスプリングマンボはサンデーサイレンスとの配合で、スズカマンボという天皇賞・春を制した名馬を輩出している。一方、クロフネを父に持つスプリングサンダーは短距離重賞で活躍。つまりは配合相手によって適性を変更できる柔軟性を持っているというわけで、それはキーパートナーよりも母系にいるキングマンボの影響によるところが大きそうだ。今回の配合相手はハーツクライ。スプリングサンダーのスピードが欲しい馬ではある。 リーガルメイン 牡2 馬主:前田晋二 厩舎:(栗)橋口慎介 父:ハービンジャー 母:アディアフォーン(母父:ダンスインザダーク) 【馬名の意味・由来】 王のたてがみ 【コメント】 祖母に桜花賞馬ファレノプシスがいる血統。つまりはビワハヤヒデやナリタブライアンも輩出したパシフィックプリンセスを祖に持つ血統ということになる。ファレノプシスの母キャットクイルはストームキャットの産駒で、これが少し重厚なイメージの血統にスピードを加えているのだろうが、この馬の母であるアディアフォーンはダンスインザダークの産駒。ダンスインザダークの全姉であるダンスパートナーを管理した経験からわかるのだが、この血統は底力に優れる反面、スピード不足になることがある。ダンスインザダークを母父に持つ馬の父がハービンジャーでは、少し厳しい結果になるかもしれない。 カフジジュピター 牡2 馬主:加藤守 厩舎:(栗)矢作芳人 父:ディープインパクト 母:レインデート(母父:Unbridled's Song) 【馬名の意味・由来】 冠名+木星 【コメント】 この馬の1つ下の牡馬も含め、すでにディープインパクトとの配合を4回もしている。母レインデートという馬はそれだけの血統馬なのだろうし、実際に血統表を見ても隙が見当たらない。母父にはスピードがあるだけでなく、様々な距離や条件にも対応する万能タイプのアンブライドルズソング。その先のストームキャットは自身がスピード豊富というだけでなく、今回の配合相手であるディープインパクトとはニックスの関係にある。ストームキャットの先にもブラッシンググルームという素晴らしい馬が控えているのだが、この馬に頼る必要がないほどひとつひとつの掛け合わせが素晴らしい。大物が出ても不思議のない血統だ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

  • 2018年新馬

    【10月27日・28日新馬戦】今週で一番の注目馬だと思う

    【東京デビュー】 ※土曜東京5R 芝1600m※ レディマクベス 牝2 馬主:ゴドルフィン 厩舎:(美)藤沢和雄 父:ハーツクライ 母:レディオブオペラ(母父:Singspiel) 【馬名の意味・由来】 マクベス夫人 【コメント】 母は私が管理したレディオブオペラ。彼女は1200mの距離で5勝をマークしたのだが、父がシングスピールで母父はキングマンボ。正直、この距離に適性を示すと最初は思っていなかった。彼女の血統にスプリンターとしての資質を探すのなら、まずは母系にいるダンジグ。この馬の存在は間違いなく大きかったと思う。もうひとつはヘイローのインブリード。グロリアスソングを母に持つ血統馬のシングスピールにキングカメハメハ、サンデーサイレンスといった配合ももちろんだが、このインブリードが合ったからこそ、彼女は豊富なスピードを持つ馬になったと思う。個人的には切れに優れる来年のディープインパクト産駒のほうが期待は大きいが、ハーツクライでもサンデーサイレンスの2×4というインブリード。今週で一番の注目馬だと思う。 レッドベルディエス 牝2 馬主:(株)東京ホースレーシング 厩舎:(美)鹿戸雄一 父:ディープインパクト 母:レッドファンタジア(母父:Unbridled's Song) 【馬名の意味・由来】 冠名+美しい女神(仏) 【コメント】 ディープインパクトにストームキャットは目にする機会の多い配合構成だが、今回は2頭の間にアンブライドルズソングを挟んでいる。本来、この手のパターンは「もったいない」と思わせることが多いのだが、それがアンブライドルズソングという優れた馬になったことで、血統構成的にはさらに厚みを感じさせるものとあった。BCクラシックにペガサスWC、ドバイWCなどのGIを勝ちまくったアロゲートを筆頭に多くの活躍馬を出したアンブライドルズソングは母父の位置に入っても優秀で、今週の天皇賞(秋)で注目を集めるスワーヴリチャードはその代表的な馬と言えるだろう。同じサンデーサイレンス系の種牡馬であるディープインパクトとの相性も文句なしのはずだ。 ※日曜東京5R 芝1800m※ ルヴォルグ 牡2 馬主:(株)フクキタル 厩舎:(美)藤沢和雄 父:ディープインパクト 母:キトゥンカブードル(母父:Kitten's Joy) 【馬名の意味・由来】 LeVol、飛翔(仏)とGoalより。ターフを華麗に駆け抜ける 【コメント】 母父のキトゥンズジョイはアメリカの芝中距離路線で活躍したGI馬だが、その父であるエルプラドがそうであったように、送り出す産駒の距離はそこまで限定されず、意外なほどの融通性がある。日本での代表産駒はジャンダルムにダッシングブレイズ。ともにマイルから中距離に適性のある馬だ。今回の配合はニジンスキー、イージーゴアと長い距離に向くスタミナと底力をベースとし、グランドスラムでスピードを補完。キトゥンズジョイで融通性を出し、最後にディープインパクトで切れを足すという流れになっている。化ける可能性のある面白い配合と言えそうだ。 セントレオナード 牡2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(美)堀宣行 父:ディープインパクト 母:リリーオブザヴァレー(母父:Galileo) 【馬名の意味・由来】 スズランが誕生した伝説に登場する森の守護神 【コメント】 母のリリーオブザヴァレーはオーサムアゲインSというGIレースを勝ち、ドバイWCで2着があるムブタヒージの半姉という血統馬。今回と同じディープインパクトとの配合で、青葉賞を勝ったヴァンキッシュランという重賞勝ち馬を輩出しており、その信頼度はかなり高い血統と言えるかもしれない。スタミナを武器としているサドラーズウェルズの後継種牡馬でありながら、様々な産駒を輩出してくるガリレオ。それはブルードメアへと立場を変えても大きなイメージチェンジはない。母父ガリレオのディープインパクト産駒でもクラシックディスタンスに向かない馬もいるが、この馬の場合は全兄が距離適性をすでに示しているところがポイント。長い距離向きと思う。 【京都デビュー】 ※日曜京都5R 芝1600m※ アルディテッツァ 牡2 馬主:(株)G1レーシング 厩舎:(栗)池江泰寿 父:オルフェーヴル 母:スキッフル(母父:トニービン) 【馬名の意味・由来】 大胆、勇敢(音楽用語)。母名より連想 【コメント】 中京記念を勝ったフラガラッハを筆頭にイリュミナンスが4勝、フェルメッツァ、エスティタートはともに5勝をマーク。活躍馬を続々と送る母スキッフルの繁殖牝馬としての能力を疑う余地がなさそうだ。ただし、これらの馬の父はどれも軽さや切れを武器にしている印象の種牡馬で、今回のオルフェーヴルはこの部分が少し引っ掛かる。切れよりもパワーに寄ったイメージの馬体とレースぶり。距離はこなすと思っていたのだが、これが意外なほどにこなせなかった。もちろん、まだサンプル数は少なく、これまでのイメージとは違う馬も出してくるかもしれないが、現状での評価は微妙だ。 【新潟デビュー】 ※日曜新潟5R ダ1200m※ タイガーキット 牡2 馬主:那須野牧場 厩舎:(美)和田正一郎 父:Lucky Pulpit 母:Kitra(母父:Woodman) 【馬名の意味・由来】 トラ+母名の一部と父名の一部の組合せ 【コメント】 ラッキープルピット自身はそこまでの実績を上げているわけではないが、同馬の母系はアンブライドルズソングと非常に似通った血統。この血統の良さを買われてのスタッドインだったとすれば、ドバイWCを筆頭に7つものGIを勝ったカリフォルニアクロームという名馬を輩出。そのジャッジは正しかったということになる。カリフォルニアクロームと同じミスタープロスペクター系との配合になる本馬だが、こちらは母父がウッドマンでその先にはシアトリカル、ブラッシンググルーム。血統のスケール感だけを言えば、母父がノットフォーラヴのカリフォルニアクロームより上のようにも思える。初戦から適性のあるダートを選択している点は素晴らしいところだ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

  • 2018年新馬

    【10月20日・21日新馬戦】名牝ウオッカの産駒の中では最も期待できる馬ではないか

    【東京デビュー】 ※土曜東京4R 芝1600m※ タニノミッション 牝2 馬主:谷水雄三 厩舎:(栗)中竹和也 父:Invincible Spirit 母:Vodka(母父:Tanino Gimlet) 【馬名の意味・由来】 冠名+使命 【コメント】 名牝ウオッカの産駒の中では最も期待できる馬ではないか、と個人的には感じた。もちろん、その理由は父のインヴィンシブルスピリット。確かに知名度ではシーザスターズやフランケルに見劣るし、シーザスターズやフランケルでもそれなりのスピードを持っているとの意見もあるだろう。しかし、彼らのスピードはあくまで欧州の馬場に向いたスピードであって、軽さと切れがないのだ。一方、インヴィンシブルスピリットは短距離王国のオーストラリアでも通用するほどの卓越したスピードを持っている馬。距離に限界はあるだろうが、これまでの産駒にはなかったスピードを見せてくれるはずだ。 ※土曜東京5R 芝2000m※ サトノジェネシス 牡2 馬主:(株)サトミホースカンパニー 厩舎:(美)堀宣行 父:ディープインパクト 母:マルペンサ(母父:Orpen) 【馬名の意味・由来】 冠名+起源 【コメント】 菊花賞、有馬記念を勝っているサトノダイヤモンドの全弟という血統馬。サンデーサイレンス系との配合により、ヘイローの3×5×4という多重クロスが発生し、それがスピードを生み出す源になると考えているが、ステイゴールドやオルフェーヴルの半姉たちはサトノダイヤモンドほどのスケールを備えていなかった。ディープインパクトとの相性がいいということだろう。サトノダイヤモンドに近いタイプなら、距離の適性は中距離以上。クラシックディスタンスで勝負する馬になる。 ランフォザローゼス 牡2 馬主:窪田芳郎 厩舎:(美)藤沢和雄 父:キングカメハメハ 母:ラストグルーヴ(母父:ディープインパクト) 【馬名の意味・由来】 薔薇のために走れ 【コメント】 エアグルーヴの繁殖成績を見るたび、この馬のすごさを思い知らされる。晩年まで走りながら、これだけの活躍馬を送り出す牝馬は稀で、そのほとんどは自身にはほど遠いレベルの馬しか出せず、仮に出せても時間がかかるもの。ダンスパートナーやフサイチパンドラもそうだった。母父にディープインパクトがいるこの馬の配合は二冠馬ドゥラメンテに似通っており、ドゥラメンテは母父がサンデーサイレンス。普通、母父がサンデーサイレンスから後継種牡馬に替われば、ランクダウンした印象を感じてしまうものだが、それがディープインパクトになると話は別。より軽さが出る可能性がある。 【京都デビュー】 ※日曜京都5R 芝1800m※ ワールドプレミア 牡2 馬主:大塚亮一 厩舎:(栗)友道康夫 父:ディープインパクト 母:マンデラ(母父:Acatenango) 【馬名の意味・由来】 世界規模での上映会を目指して 【コメント】 母マンデラはマイラーズCをレコードで制したワールドエースを輩出している牝馬で、マンデラの半弟になるマンデュロはプリンスオブウェールズSやジャックルマロワ賞などGⅠ3勝の名馬。2400mのフォワ賞勝ちがあるように、距離の融通性は持っているようだが、いわゆるドイツ血統のイメージよりも潜在的なスピードが豊富。軽さと切れのあるディープインパクトとのマッチングに優れているのも理解できるところだ。とはいえ、そろそろ活力に疑問が出てくる時期。この辺りでワールドエースに続く大物を出しておきたい。 エスポワール 牝2 馬主:近藤英子 厩舎:(栗)中竹和也 父:オルフェーヴル 母:スカーレット(母父:シンボリクリスエス) 【馬名の意味・由来】 希望(仏) 【コメント】 青葉賞を勝ち、ダービーでは1番人気の支持を受けたアドミラブルの半弟。この母系の基礎になっているのは、フサイチコンコルドを輩出した名牝バレークイーンで、母のスカーレットの相手には常にディープインパクトが選択されてきた。相当に期待されている繁殖牝馬ということだ。今回、初めてディープインパクトから配合相手が替わり、オルフェーヴルに白羽の矢を立てたわけだが、個人的にはディープインパクトのほうが良かったと思う。その理由は母父シンボリクリスエスの存在。大型で少し硬い面のあった同馬の弱点を補うには、小柄で柔軟性に富むディープインパクトこそがベストであるはずだからだ。 ディープサドラーズ 牡2 馬主:廣崎利洋HD(株) 厩舎:(栗)藤原英昭 父:ディープインパクト 母:メイキアシー(母父:Sadler's Wells) 【馬名の意味・由来】 父名の一部+母父名の一部 【コメント】 母メイキアシーは半弟に英ダービーを勝ったプールモアがいる血統馬で、彼の父がサドラーズウェルズ産駒のモンジューなので、血統構成もかなり似通っている。この配合のポイントは、まさに母父のサドラーズウェルズで、この位置にサドラーズウェルズがいると、欧州競馬にこそ向く同馬の重厚さが解消しきれない。半兄のブラヴィッシモは成功したが、彼の父はディープインパクトよりもはるかにスピードがあるファストネットロックであり、またファストネットロックは自身に似た筋肉隆々の馬を出しやすい傾向もある。ディープインパクトが全面に出てこないと、成功がイメージしにくい血統構成と言えるだろう。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

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    【10月13日・14日新馬戦】ディープインパクトとキングカメハメハはニックスの間柄

    【東京デビュー】 ※日曜東京3R 芝1600m※ グリグリ 牝2 馬主:増田和啓 厩舎:(美)奥村武 父:オルフェーヴル 母:フラニーフロイド(母父:Freud) 【馬名の意味・由来】 回し動かすさま。二重丸 【コメント】 ストームキャット系にディープインパクトの配合はベストともいえる形で、ゆえに同パターンの配合が増えているのだろうが、この馬はディープインパクトを相手に迎えた上の3頭で結果を出せていない。これが微妙。母フラニーフロイドはプライオレスSというGIを勝っているようだが、繁殖牝馬としての能力はどうだろうか? ディープインパクトよりもスタミナ色の強いオルフェーヴルにはスピードを持った繁殖牝馬を用意することが絶対条件だが、気性の激しいストームキャット系の馬は能力以外の面でも心配材料ができてしまう。これもネガティブに考えてしまうポイントだ。 ※日曜東京4R 芝1800m※ ラストヌードル 牡2 馬主:増田和啓 厩舎:(美)手塚貴久 父:オルフェーヴル 母:リュヌドール(母父:Green Tune) 【馬名の意味・由来】 最後+ラーメン。母名より連想 【コメント】 母のリュヌドールはリディアテシオ賞というGIを勝っている馬で、ディープインパクト産駒で来週の菊花賞に出走するフィエールマンは同馬の半兄。その上のルヴォワールも3勝をマークしており、現役時代の成績だけでなく、繁殖牝馬としても優秀と言えるだろう。しかし、その血統に目を向ければ、セールスポイントはスピードよりもスタミナ。凱旋門賞馬のラインゴールドの名が現代競馬に即していないように私には感じる。配合相手がディープインパクトやハーツクライのような馬であれば軽さも出るが、今回のオルフェーヴルは少し微妙。スピードが足りない危険性も考えておいたほうがいい。 【京都デビュー】 ※土曜京都5R 芝1600m※ キュールエサクラ 牝2 馬主:岡本良三 厩舎:(栗)中内田充正 父:マンハッタンカフェ 母:インコグニート(母父:Gone West) 【馬名の意味・由来】 心(仏)+桜 【コメント】 母インコグニートの半弟は京都記念を勝ち、皐月賞が2着でダービー3着のシックスセンス。シックスセンスの父がサンデーサイレンスだったのに対し、この馬はミスタープロスペクター系のゴーンウエストなので、サンデーサイレンス系との配合も可能になっている。ゴーンウエスト×デインヒルの母系は明らかなスピードタイプで、ここにサンデーサイレンス系の切れを加えることができれば、チャンスはある血統だとは思うが、惜しむらくは血統の活力がすでに峠を過ぎている可能性が高いこと。本馬が10頭目の産駒になる母に、そこまでの力は残っていないかもしれない。 ヴィーゲンリート 牝2 馬主:(株)ノースヒルズ 厩舎:(栗)武幸四郎 父:Tiznow 母:Dream Supreme(母父:Seeking the Gold) 【馬名の意味・由来】 子守歌(独) 【コメント】 半兄にマジェスティックウォリアーがいる血統馬。マジェスティックウォリアーの持っているスピードは母父のシーキングザゴールドから来ているもので、それがこの馬にも共通するものだろう。エーピーインディが父だった兄に対し、この馬の父は融通性のあるティズナウ。どちらかと言えばダートだろうが、3代前にはディキシーランドバンドの名もあり、距離だけでなく、芝をこなす可能性もゼロではないと思う。ただし、サンデーサイレンスの血をまるで持たないアメリカ血統の馬は競走生活よりもさらに先──。繁殖に上がってからのことも牧場サイドでは頭に入れている。そこをどのように考えるか、も重要なポイントと言えそうだ。 スパンキーワールド 牡2 馬主:大塚亮一 厩舎:(栗)友道康夫 父:ケープブランコ 母:スプンキーウーマン(母父:アルカセット) 【馬名の意味・由来】 エネルギッシュな+世界。真新しい世界 【コメント】 【同馬の父であるケープブランコは今年の2歳が初年度】。欧州のトップサイアーであるガリレオの後継種牡馬として導入された馬で、その産駒は馬体のいい馬が多い。種牡馬としてのポテンシャルを感じさせる部分もあるのだが、これまでは結果が出ていない。もしかしたら、付けている繁殖牝馬のレベルに問題があるのかもしれない。同馬の母系はダイナカールに祖を持つ優秀なもので、サンデーサイレンスの名までも血統表の中にあるくらいなのだが、残念なことに母父のアルカセットが少しパンチ不足。同じキングマンボ産駒でも、キングカメハメハあたりが母父に入っているようなら、可能性を感じさせる配合になったと思う。 ※日曜京都5R 芝2000m※ カントル 牡2 馬主:金子真人ホールディングス(株) 厩舎:(栗)藤原英昭 父:ディープインパクト 母:ミスアンコール(母父:キングカメハメハ) 【馬名の意味・由来】 歌手(ラテン語) 【コメント】 今年のダービー馬ワグネリアンの全弟。この血統を支えているのは芝でもダートでも鋭い末脚を発揮していた祖母ブロードアピールだろう。ディープインパクトの配合相手に必要なものはスピードで、母父ストームキャットはその典型例とも言うべきものだが、スプリンターとして活躍したブロードアピールはそのスピードを持っている馬だ。しかも、この配合が融通性の高いキングカメハメハを母父の位置に配置している。兄のワグネリアンは菊花賞ではなく、天皇賞(秋)へと向かうことになったが、この血統構成なら距離はそれなりにこなせると私は考えている。ディープインパクトとキングカメハメハがニックスの関係にあることは言うまでもない。 サトノウィザード 牡2 馬主:(株)サトミホースカンパニー 厩舎:(栗)松田国英 父:ロードカナロア 母:ブロードストリート(母父:アグネスタキオン) 【馬名の意味・由来】 冠名+魔術師 【コメント】 ヒシアケボノ、アグネスワールドといった歴史に残るスプリンターを輩出している母系のセールスポイントは非凡なスピード。母父アグネスタキオンもロイヤルスキーの影響を受けた栗毛馬で、サンデーサイレンスの後継種牡馬の中でもスピードに秀でた馬だった。スピードにスピードを重ねていく配合構成は下手にスタミナを入れた血統よりも成功例が高く、この馬のようにスピードを何代にも渡って重ねていく馬は信頼度がさらに上がる。ちなみにロードカナロアの父キングカメハメハとアグネスタキオンの父であるサンデーサイレンスはニックスの間柄。相性が悪いはずがない。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

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    【10月6日・7日・8日新馬戦】繁殖牝馬としての立場に目覚めるのに時間を要するもの

    【東京デビュー】 ※土曜東京5R 芝1400m※ ブーザー 牡2 馬主:金子真人ホールディングス(株) 厩舎:(美)堀宣行 父:マンハッタンカフェ 母:マンドゥラ(母父:Danehill Dancer) 【馬名の意味・由来】 大酒飲み 【コメント】 母のマンドゥラはワールドエースの母として知られるマンデラの半妹。デインヒルではなく、その子であるデインヒルダンサーの産駒というところが少し微妙なところ。距離が延びていいマンハッタンカフェとの配合なら、デインヒルの血をどれだけ伝えられるかが重要なポイントになってくるだろう。幸いにしてマンデラの血統は日本でまずまずの実績を残している。前述したようなスピードを持っていれば、芝の中距離以上で活躍できる馬になる可能性がある。 ※日曜東京5R 芝2000m※ キタノインパクト 牡2 馬主:DMMドリームクラブ(株) 厩舎:(美)藤沢和雄 父:ディープインパクト 母:ボンバルリーナ(母父:シンボリクリスエス) 【馬名の意味・由来】 命名者の名前と父名の一部から 【コメント】 母父にストームキャットを持ってきているディープインパクト産駒は数多くいるが、この馬は母父の位置に距離が延びていいシンボリクリスエスを配置し、ストームキャットは母系の3代目に置いている。これが微妙だ。配合の意図は十分に伝わる。スピード豊富なストームキャットにスタミナのあるシンボリクリスエスを掛け合わせ、ディープインパクトでしなやかさと切れを追加して、硬さの出やすい配合のマイナス面を埋める。だが、それでいて結果を出せていないのは、ストームキャットの位置がディープインパクトから見て少し遠いからかではないか。折角のニックスを生かしきれていないのかもしれない。 ダノンラスター 牡2 馬主:(株)ダノックス 厩舎:(美)堀宣行 父:ディープインパクト 母:プリンセスオブシルマー(母父:Majestic Warrior) 【馬名の意味・由来】 冠名+栄光。栄光を導く存在になることを願って 【コメント】 プリンセスオブシルマーはケンタッキーオークスを筆頭にGIを4勝もしている名牝で、マジェスティックウォリアーの代表産駒というべき馬である。マジェスティックウォリアーは実際に見たことがあり、エーピーインディ×シーキングザゴールドの配合らしいスピード豊富な馬という印象を持っていた。ディープインパクトにとって最適な血統の馬という認識を私は持っており、プリンセスオブシルマーに話を戻せば、彼女の母系にはディープインパクトとニックスの関係にあるストームキャットまでいる。これ以上ないくらいの相性がいい繁殖牝馬かもしれない。 ※月曜東京5R 芝1600m※ ダノンキングリー 牡2 馬主:(株)ダノックス 厩舎:(美)萩原清 父:ディープインパクト 母:マイグッドネス(母父:Storm Cat) 【馬名の意味・由来】 冠名+王にふさわしい。王位に君臨することを願って 【コメント】 ディープインパクトの配合パターンのひとつになっている母父ストームキャットだが、このマイグッドネスという繁殖牝馬は自身の特徴を出し過ぎてしまう印象がある。ディープインパクトとの配合で生まれた2頭の産駒も悪くはないが、交流重賞で大活躍したダノンレジェンドや6勝をあげるダノングッドのように、ダートに特化した馬との掛け合わせのほうが合うのではないか。例えば、ヘニーヒューズならストームキャットの3×2というインブリードが発生。気性の問題はあるものの、相当なスピード馬になることがイメージできる。 【京都デビュー】 ※土曜京都5R 芝1600m※ サトノアクシス 牝2 馬主:(株)サトミホースカンパニー 厩舎:(栗)藤原英昭 父:ディープインパクト 母:ヘアキティー(母父:Wildcat Heir) 【馬名の意味・由来】 冠名+軸 【コメント】 母のヘアキティーはアメリカの1400mのGIを勝っている馬で、母父でフォレストワイルドキャット産駒のワイルドキャットヘアも1200mのGI勝ち馬。ディープインパクトに短距離系のアメリカダート血統という配合は、すでに多くの競馬ファンに認知されているものだが、今回のようにストームキャットが4代も前のポジションにいると、時代の流れの早さを感じる。このような血統構成が成功すれば、今後はストームキャット系の繁殖牝馬が多く導入されることになるだろう。 ランブリングアレー 牝2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(栗)友道康夫 父:ディープインパクト 母:ブルーミングアレー(母父:シンボリクリスエス) 【馬名の意味・由来】 田園や森林などを散策すること+小径 【コメント】 ディープインパクトにシンボリクリスエスという配合は距離延長への対応力が高く、クラシック路線に乗った場合には大きな強みとなりうるが、そこまでたどり着けないような馬は、単純にスピードが不足した中途半端な馬になってしまう。母ブルーミングアレーは過去にディープインパクトとの配合で2頭の産駒を送り出しているものの、思ったような結果を出せずに終わっている。ミスタープロスペクターの名はあるものの、その先にサドラーズウェルズがいる母系はスタミナ型。ここにも問題があるのかもしれない。 ※月曜京都5R 芝1800m※ タンタラス 牝2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(栗)池添学 父:キングカメハメハ 母:ブエナビスタ(母父:スペシャルウィーク) 【馬名の意味・由来】 オアフ島にある丘の名前で、ホノルルの夜景観賞スポット 【コメント】 ブエナビスタは私が管理したスペシャルウィークの最高傑作というべき馬で、スペシャルウィークの特徴でもあったしなやかさを受け継いだ馬でもあった。その潜在能力は相当に高いと思う。これまでの産駒は期待ほど走っていないが、牡馬と互角に走り抜いた一線級の馬は“競走族”になってしまっている場合が多く、繁殖牝馬としての立場に目覚めるのに時間を要するもの。ダンスパートナーもフサイチパンドラもそうだった。キングカメハメハとの配合にケチをつける部分はひとつもなく、3頭目の産駒であるこの馬、もしくは母と同じ黒鹿毛に出た来年の牡馬には期待をかけたいところだ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

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