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    【8月11日・12日新馬戦】情熱の塊と言っていいレベルの1頭だ

    【新潟デビュー】 ※土曜札幌5R 芝1800m※ ホウオウサーベル 牡2 馬主:小笹芳央 厩舎:(美)奥村武 父:ハーツクライ 母:バランセラ(母父:Acatenango) 【馬名の意味・由来】 冠名+刀(オランダ語) 【コメント】 晩成のハーツクライ産駒で5月6日の遅生まれであるにもかかわらず、昨年のセレクトセールでは1億円以上の値が付いた。しかし、セレクトセールの写真を見ると、遅生まれと感じさせないほど馬体はしっかりとしており、ここにノーザンファームの育成力の凄さを感じてしまう。晩成血統でも2歳夏デビューで好勝負できる時代が来たということだ。母父のアカテナンゴはドイツのステイヤーで、父がハーツクライであることを考えれば、それなりの距離を必要とするタイプと考えていい。この時期の新潟は時計が速く、相応のスピード能力を必要としている。この状況に対応できるようなら、将来は有望だろう。 ※日曜新潟5R 芝1600m※ ヒシエトワール 牝2 馬主:阿部雅英 厩舎:(美)木村哲也 父:オルフェーヴル 母:マイスウィートベイビー(母父:Minardi) 【馬名の意味・由来】 冠名+フランスのバレエダンサーの最高位 【コメント】 テイルオブザキャットの半弟になる母父のミナルディは、かなり優秀な母系を持っていることで知られている馬で、今年のアメリカ三冠を無敗で制したジャスティファイもこの系統。しかも、同馬はミナルディの母であるヤーン、全妹にあたるプリーチのクロスを持っていた。ミスタープロスペクター×ナラーテの配合が現在も強い影響を与えている証明と考えていい。母のマイスウィートベイビーはクリス×ブラッシンググルームという質の高い血統をベースにしており、前述したミナルディも含めて、その血統レベルが相当に高い。オルフェーヴルとの掛け合わせでどう転がるかは不透明だが、だからこそ興味深い配合と言えるかもしれない。 ノーブルスコア 牝2 馬主:二木英德 厩舎:(栗)藤原英昭 父:ディープインパクト 母:ファイナルスコア(母父:Dylan Thomas) 【馬名の意味・由来】 高貴な+母名の一部 【コメント】 ダンジグ系のディラントーマスはスピード豊富なイメージの血統構成だが、自身は凱旋門賞やキングジョージなど、長めの距離で活躍していた馬。母ファイナルスコアのブルードメアになるエルナンドも仏ダービーを勝っており、スピード血統と掛け合わせることが多いディープインパクト産駒では珍しい長距離志向の母系と言えるかもしれない。ただし、前述したように母父のディラントーマスはダンジグ系デインヒルの産駒で、本質的なスピードは持っているはず。むしろ、隔世遺伝でデインヒルあたりの影響を受けていると面白いのではないか。 【札幌デビュー】 ※土曜札幌5R 芝1500m※ トスアップ 牝2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(栗)池江泰寿 父:ジャスタウェイ 母:トップライナーII(母父:Thunder Gulch) 【馬名の意味・由来】 コイン投げ 【コメント】 サンダーガルチ×リローンチの配合になっている母系の血統構成は、私が繰り返し述べてきたミスタープロスペクター×インリアリティーの掛け合わせ。この配合の馬は潜在的なスピード能力が高い。いわゆるアメリカ血統で、ダート色の強い母トップライナーⅡの特徴を、ジャスタウェイはどのように取り込むのか。この配合の面白さはそこにこそあると思う。ディープインパクトのようにダート血統の母系でも芝の中距離馬ができるかもしれないが、ジャスタウェイは母系にワイルドアゲインがいる馬。スピードとパワーを武器にする産駒が出ても不思議はない。 ※日曜札幌5R 芝1800m※ ミリオンドリームズ 牝2 馬主:飯田正剛 厩舎:(美)藤沢和雄 父:Frankel 母:ミリオンセラーII(母父:A.P.Indy) 【馬名の意味・由来】 何百万もの夢 【コメント】 GI2勝馬のメイプルジンスキーにサンデーサイレンスを種付けして生まれたのが祖母のミリオンギフト。その馬をアメリカまで持って行き、エーピーインディを配合したのが母のミリオンセラーⅡで、そのミリオンセラーⅡに海を渡らせてフランケルと掛け合わせたのが本馬になる。ミスタープロスペクター→ニジンスキー→サンデーサイレンス→エーピーインディ→フランケルという流れを作るために相当な体力と資金を使っていることがわかるだろう。もちろん、この馬で結果が出ることが1番だが、そうでなかった場合でも繁殖として期待できる血統。情熱の塊と言っていいレベルの1頭だ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

  • 2018年新馬

    【8月4日・5日新馬戦】今年の二冠牝馬アーモンドアイの半妹

    【新潟デビュー】 ※土曜新潟5R 芝1600m※ ソルドラード 牡2 馬主:(有)キャロットファーム 厩舎:(美)藤沢和雄 父:ロードカナロア 母:ラドラーダ(母父:シンボリクリスエス) 【馬名の意味・由来】 黄金の太陽(西)。太陽のような輝かしい活躍を願って。母名より連想 【コメント】 ダービー馬レイデオロの半弟。父がキングカメハメハからロードカナロアへと替わっているが、配合的には非常に似通っており、ストームキャットが母系にいる分だけ、ロードカナロアとの配合のほうがスピードに優る可能性も高い。兄よりもこなせる距離に幅があり、スピード決着にも強い馬となるかもしれない。この血統の1番のポイントは祖母のレディブロンドで、ディープインパクトの半姉にあたる彼女の父が、スピード豊富なシーキングザゴールドであることにより、スピード全盛の現代競馬にも対応できる下地を作っている。キングカメハメハ系との配合ではミスタープロスペクターのインブリードも成立。それはロードカナロアになった今回も同様だ。 ※日曜新潟5R 芝1800m※ ドナアトラエンテ 牝2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(美)国枝栄 父:ディープインパクト 母:ドナブリーニ(母父:Bertolini) 【馬名の意味・由来】 魅力的な女(伊) 【コメント】 GIを7勝した名牝ジェンティルドンナの全妹という血統馬。単にディープインパクト産駒というだけでなく、リファールの4×4というインブリードがノーザンダンサー系らしい底力を与えたことが、彼女の成功を生んだ。それは全妹である同馬を同様で、配合としては素晴らしいのだが、この血統は小さい馬が出やすく、ジェンティルドンナを除く牝馬はすべて小型サイズ。430キロだったドナウブルーは重賞を勝つレベルまで成長したが、2つ上のベルダムと1つ上のヴィルトゥースは400キロ前後しか馬体重がなかった。この馬も430キロ程度までの数字は欲しい。 ※日曜新潟6R 芝1400m※ ユナカイト 牝2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(美)木村哲也 父:ヨハネスブルグ 母:フサイチパンドラ(母父:サンデーサイレンス) 【馬名の意味・由来】 やさしく心を癒してくれるという天然石の一つ 【コメント】 今年の二冠牝馬となったアーモンドアイの半妹。父がロードカナロアだったアーモンドアイと違い、ヨハネスブルグに替わった今回は系統ミスタープロスペクター系からノーザンダンサー系になっているが、今年のアメリカ三冠馬ジャスティファイを出したスキャットダディの父で、祖母にテイルオブザキャットを出したヤーンがいるヨハネスブルグは、ロードカナロアに匹敵するスピードを持っている馬。フサイチパンドラはヌレイエフのスピードの影響が色濃い馬だったが、それを持続できるスタミナを優秀な母系から受け継いでいた。アーモンドアイがそうだったように、距離をこなす可能性はあると思う。 【小倉デビュー】 ※日曜小倉5R 芝1800m※ サトノバリオス 牡2 馬主:(株)サトミホースカンパニー 厩舎:(栗)池江泰寿 父:ディープインパクト 母:ヒアトゥウィン(母父:Roi Normand) 【馬名の意味・由来】 冠名+ギリシャ神話の英雄アキレウスの名馬の名前 【コメント】 今年のフローラSを勝ったサトノワルキューレの全弟。リファール、ニジンスキー、イクスクルーシヴネイティヴの名も並ぶものの、ブラジルをメインにする母系は馴染みの薄い馬名が多い。同馬と血統が同じサトノワルキューレのレースぶりを見ても、おそらくはスタミナ優位の母系なのだと思う。サトノワルキューレも2月2日の早生まれだったが、この馬はさらに早い1月17日の生まれ。スタミナ色の強い繁殖に対し、早めの配合をすることでディープインパクトの特徴である素軽さを出そうという意識が見える。 イニティウム 牡2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(栗)須貝尚介 父:ハーツクライ 母:ゴールデンドックエー(母父:Unusual Heat) 【馬名の意味・由来】 始まり(ラテン語) 【コメント】 半兄には重賞を勝ったアルバートドック、今年の中京記念で3着に走っているリライアブルエースがいる血統馬。前述した2頭はディープインパクトの産駒だったが、今回はハーツクライに父が変更。マイル前後の距離を守備範囲にしていた兄と違い、こなせる距離の幅は確実に広がるだろうが、やや晩成傾向のある母系に、晩成タイプの種牡馬のマッチング。ポイントは能力開花の時期だろう。それに関しては生産者サイドも考えているようで、最近のハーツクライ産駒は早期に種付けをすることで、意識的に早生まれの仔を作っている。同馬も1月20日の早生まれ。晩成血統を少しでも補っていこうという思惑が見える。 ヴェロックス 牡2 馬主:金子真人ホールディングス(株) 厩舎:(栗)中内田充正 父:ジャスタウェイ 母:セルキス(母父:Monsun) 【馬名の意味・由来】 素早い(ラテン語) 【コメント】 母父がモンズーンで、その先にはグランドロッジがいる母セルキスはスタミナ色の強い血統背景。同馬に足りないスピードの注入がポイントになるはずで、それはダイワメジャーを2回も配合していることでも理解できると思う。父ジャスタウェイはハーツクライの産駒ながら、スピード競馬にも強さを見せた馬。おそらくは母系にいるワイルドアゲインの影響が強かったのではないか。ジャスタウェイが真価を発揮したのは古馬になってからだったので、同馬も開花の時期がポイントになってくるだろうが、それさえクリアできれば、スピードとスタミナを兼備した面白い馬になると思う。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

  • 2018年新馬

    【7月28日・29日新馬戦】非常に面白い掛け合わせになっている

    【新潟デビュー】 ※日曜新潟6R 芝1400m※ ビックピクチャー 牝2 馬主:廣崎利洋HD(株) 厩舎:(栗)藤原英昭 父:ディープインパクト 母:ネヴァーピリオド(母父:タイキシャトル) 【馬名の意味・由来】 大きな+絵 【コメント】 母ネヴァーピリオドの代表産駒と言えば、GIを3つも勝っているストレイトガール。私が管理したレディオブオペラに完勝している馬で、この馬は相当なものだな、と感じた記憶がある。ストレイトガールはサンデーサイレンス産駒の中でもスピードが豊富なフジキセキの産駒だったが、彼女のスピードはフジキセキだけのものではなく、タイキシャトル×デインヒルという配合である母系の影響もあったと思う。距離の融通性があるディープインパクトに替わっても、それなりのスピードは秘めているだろうし、姉より走れる距離の幅は広いだろう。 アイトマコト 牝2 馬主:前田葉子 厩舎:(栗)池江泰寿 父:ディープインパクト 母:ラヴェリータ(母父:Unbridled's Song) 【馬名の意味・由来】 愛と誠 【コメント】 ディープインパクトを2年連続で配合。前回は目立つほどの成果を得られなかったが、シアトルスルー、ゴーンウエスト、アンブライドルズソングと並べた配合は素晴らしいし、ミスタープロスペクターのインブリードが成立しているラヴェリータも繁殖としての価値が高い馬だと思う。しかも、彼女は単に血統がいいだけでなく、競走馬としての成績も残しているのだから、そろそろ結果に表れていいころではないだろうか。本質的なスピードはあるはずだ。 【小倉デビュー】 ※日曜小倉6R 芝1200m※ パドカトル 牡2 馬主:今村明浩 厩舎:(栗)野中賢二 父:パドトロワ 母:セラフィーヌ(母父:ネオユニヴァース) 【馬名の意味・由来】 4人の踊り(仏)。父名の「3人で踊る」より連想 【コメント】 先の函館で産駒が強い勝ち方をし、期待の種牡馬として注目を集める存在となった父パドトロワ。現役時代も含め、そこまで注目をしたことのなかった馬だが、スターバレリーナの系統にサンデーサイレンス系のフジキセキでスピードを入れ、エンドスウィープの血を引くスウェプトオーヴァーボードもスピードを持っている馬。ゆえに産駒もスピード豊富な馬が出るのだろう。今回の配合ではサンデーサイレンスの4×3、ヌレイエフの5×3というインブリードが成立。より野心的な配合になっている。 【札幌デビュー】 ※土曜札幌5R 芝1500m※ スポーカンテソーロ 牝2 馬主:了德寺健二ホールディングス(株) 厩舎:(美)武井亮 父:Scat Daddy 母:Nimue(母父:Speightstown) 【馬名の意味・由来】 アメリカの都市名+冠名 【コメント】 ストームキャットの4×4、ミスタープロスペクターの5×3×4というインブリードもさることながら、掛け合わされている馬がいずれもスピード豊富なタイプばかり。この馬は栗毛なので、母父であるスパイツタウンの影響が特に大きい可能性もある。血統構成通りの馬だとすれば、並みの馬では対応できないほどのスピードを持っているはずだ。しかも、1月12日の早生まれ。大型馬でもすでに出来上がっていると考えていい。 アルママ 牡2 馬主:(有)ビッグレッドファーム 厩舎:(美)畠山吉宏 父:オルフェーヴル 母:ホエールキャプチャ(母父:クロフネ) 【馬名の意味・由来】 「あるがまま」より 【コメント】 祖母グローバルピースの仔は私も管理したことがある。ホエールキャプチャの全兄にあたるドリームセーリングがそれで、彼を見初めた理由は千代田牧場が大事にしてきたチヨダマサコの系統を受け継ぐ馬だったからで、サンデーサイレンスの血を持っていたことも魅力だった。オルフェーヴルとの配合でサンデーサイレンスの3×3という先鋭的なインブリードを持つ今回の配合も、優秀な母系という下地があるからこそ活きてくる。非常に面白い掛け合わせになっていると思う。 ※日曜札幌5R 芝1800m※ シェーングランツ 牝2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(美)藤沢和雄 父:ディープインパクト 母:スタセリタ(母父:Monsun) 【馬名の意味・由来】 美しい輝き(独) 【コメント】 ソウルスターリングの半妹。父がフランケルからディープインパクトへと替わり、素軽さが出るだけでなく、距離への融通性もあるだろう。1月29日の早生まれで完成も早いと思う。母のスタセリタはドイツ血統でスタミナ優位型。ディープインパクトはスピード血統のほうが相性はいいと思っているが、GIを6勝もした名牝になってくると、地力が違うのでスタミナ系の馬であっても問題ないということだろう。 レッドエンヴィー 牡2 馬主:(株)東京ホースレーシング 厩舎:(栗)須貝尚介 父:ジャスタウェイ 母:スタイルリスティック(母父:Storm Cat) 【馬名の意味・由来】 冠名+羨望 【コメント】 母のスタイルリスティックはキングジョージとエクリプスSを勝っているナサニエルの半姉で、そのナサニエルはエネイブルという名牝を輩出している。ナサニエルは父がガリレオだが、スタイルリスティックはストームキャット。こちらのほうがスピードはあるだろう。ジャスタウェイはハーツクライの産駒でもスピード豊富な馬。ストームキャットの気性はカギでも、スピード×スピードのほうがアピールする箇所があっていいと思う。 クラージュゲリエ 牡2 馬主:(有)キャロットファーム 厩舎:(栗)池江泰寿 父:キングカメハメハ 母:ジュモー(母父:タニノギムレット) 【馬名の意味・由来】 勇敢な戦士(仏) 【コメント】 初年度から重賞勝ち馬のプロフェットを出した母のジュモーは、トゥザヴィクトリーを筆頭に活躍馬を続々と輩出し、現在も枝葉を伸ばし続けているフェアリードールの一族。サンデーサイレンスの産駒はスピード豊富なタイプか、切れに秀でたタイプかのどちらかに分かれるが、ヌレイエフの影響が強いフェアリードールの系統はスピード特化型だ。キングカメハメハとの配合でヌレイエフの4×4というインブリードも生まれた同馬も切れよりスピードを武器にする馬になると思う。 ※日曜札幌6R ダ1700m※ ルプレジール 牝2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(栗)藤原英昭 父:ゴールドアリュール 母:ワールドリープレジャー(母父:Devil His Due) 【馬名の意味・由来】 喜び、楽しみ(仏) 【コメント】 半兄にアメリカのGⅠを3勝しているゲームオンデュードがいる血統馬で、実際に近2年はディープインパクトと配合した。牧場サイドの期待が感じられる格好だったが、思ったほどの結果が出なかったと判断したのか、今回がゴールドアリュールで来年はキングカメハメハ。芝の素軽さを捨て、パワーの活きるダート路線に切り替えたかのような配合をしてきている。ゲームオンデュードの父はオーサムアゲインなので、この母はダート色の強い馬のほうが合うのかもしれない。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

  • 2018年新馬

    【7月21日・22日新馬戦】クラシックディスタンスにも対応できそうな印象

    【福島デビュー】 ※土曜福島5R 芝2000m※ ボスジラ 牡2 馬主:金子真人ホールディングス(株) 厩舎:(美)国枝栄 父:ディープインパクト 母:ミスパスカリ(母父:Mr.Greeley) 【馬名の意味・由来】 石灰で出来た白亜の大地(カザフスタン) 【コメント】 母ミスパスカリはクロフネの半妹。クロフネの父はノーザンダンサー系のフレンチデピュティだったが、この馬の父ミスターグリーリーはミスタープロスペクター系。ミスターグリーリー自身は悪い種牡馬ではないが、母であるブルーアヴェニューとの相性は微妙に異なっていたのかもしれない。とはいえ、この血統は芦毛に出ることが多く、それは4代前にいるアイスカペイドの影響を受け継いだもの。これまでに4頭のディープインパクト産駒を送り出しているミスパスカリだが、その産駒は総じて芦毛だった。兄同様のスタミナタイプだろう。 ※日曜福島5R 芝1800m※ マジックリアリズム 牝2 馬主:(有)社台レースホース 厩舎:(美)尾関知人 父:ディープインパクト 母:ソーマジック(母父:シンボリクリスエス) 【馬名の意味・由来】 魔術的リアリズム。現実と幻想の世界を混合し表現する芸術表現技法 【コメント】 母父のシンボリクリスエスは柔らかさを感じられない馬で、個人的には敬遠していた種牡馬だった。その認識は現在も変えていないが、ブルードメアの位置にポジションを変えたことで、シンボリクリスエス自身の影響はそこまで出なくなり、配合する種牡馬の能力や特徴を上手にサポートするタイプに変貌。ブルードメアサイアーとして注目すべき馬となっている。キングカメハメハとの配合でレイデオロを出しているが、シンボリクリスエスにないしなやかさを持っているディープインパクトのほうが相性はいいはずだ。 【中京デビュー】 ※土曜中京5R 芝1600m※ ドラウプニル 牡2 馬主:吉田勝己 厩舎:(栗)斉藤崇史 父:ルーラーシップ 母:ヴェルザンディ(母父:アグネスタキオン) 【馬名の意味・由来】 北欧神話の主神オーディン所有の黄金の腕輪 【コメント】 ハイクレアを祖に持つウインドインハーヘアはキタサンブラックを出したブラックタイド、レイデオロの祖母となったレディブロンドなどの活躍もあり、ディープインパクトの母としてのみ、その名を取り上げられる存在ではなくなった。現在の生産界に多大な影響を及ぼした繁殖牝馬と言っていいだろう。キングカメハメハ産駒のルーラーシップは、そのほとんどがニックスの関係にあるサンデーサイレンス系との配合になっているが、スタミナ型の同馬に合うのはスピード型。母父アグネスタキオンは理にかなった配合だと思う。 ※土曜中京6R 芝1400m※ ジョニーズララバイ 牡2 馬主:金子真人ホールディングス(株) 厩舎:(栗)音無秀孝 父:マンハッタンカフェ 母:メジロアリス(母父:アドマイヤコジーン) 【馬名の意味・由来】 ジョニーの子守唄 【コメント】 3代前にいるメジロリベーラは父がシンボリルドルフ、母がメジロラモーヌという三冠馬同士による配合の馬だ。ただし、母であるメジロアリスはこの2頭の影響をまるで受けておらず、ゴールデンフェザントの父であり、コジーンの父でもあるカロの3×3という強いインブリードによって、そのスピードを存分に引き出した短距離型の馬となっている。ファルコンSを勝った2つ上の兄コウソクストレートの父は距離をこなすヴィクトワールピサだが、この馬でも短距離馬だった。マンハッタンカフェの同馬にも同じことが言えそうだ。 ※日曜中京5R 芝2000m※ プランドラー 牡2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(栗)池江泰寿 父:ディープインパクト 母:プラウドスペル(母父:Proud Citizen) 【馬名の意味・由来】 略奪者 【コメント】 ディープインパクト産駒なので、当然ながら父の素軽さを受け継ぐ仔が出てくるのが理想なのだが、この馬は母系のほうも非常に優秀だ。仮にこちらの影響が強く出たとしても、まるで問題ないだろう。母プラウドスペルの母父であるラングフールはカナダ三冠を制したワンドの父であり、日本ではアポロケンタッキーの父として知られている馬。ケンタッキーオークスを勝っているプラウドスペルはゴーンウェスト産駒のプラウドシチズン、ダンジグ産駒のラングフールという掛け合わせになっており、潜在的なスピード能力はかなりのものがあったと推察できそうだ。 サターン 牡2 馬主:石川達絵 厩舎:(栗)中竹和也 父:ディープインパクト 母:シャンロッサ(母父:Galileo) 【馬名の意味・由来】 土星 【コメント】 ディープインパクトにガリレオの配合はサクソンウォリアーと同じだが、サクソンウォリアーはその先がデインヒルとインディアンリッジ。距離に限界を見せるパフォーマンスになってしまうのも、ある意味では仕方のないところだろう。デインヒルのところにラストタイクーン、インディアンリッジのところにビカラが入っている同馬はサクソンウォリアーよりも距離に対する融通性があり、クラシックディスタンスにも対応できそうな印象を持てる。全姉カンタービレが重賞勝ちとすでに結果を出しているところも魅力のひとつとなりそうだ。 アドマイヤポラリス 牡2 馬主:近藤利一 厩舎:(栗)友道康夫 父:ジャスタウェイ 母:ソングオブサイレンス(母父:Unbridled's Song) 【馬名の意味・由来】 冠名+北極星 【コメント】 母系の3代前にいるイッツインジエアーはGIを5勝もした名牝。当時、その名をよく耳にしたこともあり、とてつもなく走る馬という印象を個人的に持っている。ミスタープロスペクターにグリーンデザート、アンブライドルズソングと著名な馬ばかりの掛け合わせになっている母ソングオブサイレンスは、ミスタープロスペクターの4×3というクロスを持っているだけでなく、ミスタープロスペクターとノーザンダンサーのニックスも交互に使用している優良な配合の馬。繁殖の魅力をジャスタウェイが引き出せるかどうかだけだろう。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

  • 2018年新馬

    【7月14日・15日新馬戦】これからのモデルになる配合パターン

    【福島デビュー】 ※日曜福島5R 芝1800m※ カイザースクルーン 牡2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(美)相沢郁 父:ルーラーシップ 母:アイスフォーリス(母父:ステイゴールド) 【馬名の意味・由来】 チューリップの品種名 【コメント】 母アイスフォーリスはGIを10勝もした名牝ダリアを祖に持つ血統で、ダリアはナリタタイシンの父として知られるリヴリアを生んでいる。父ステイゴールドとの配合はステイヤー色が強く、フローラS2着にオークス3着という戦績も血統構成に即したものと考えていいだろう。ゆえにスピードが少し不足している印象のルーラーシップとの配合がカギ。小回りの1800mに対応するためには母系にいるクロフネがスピードを伝えられるかどうかだが、この馬とてスプリンターのようなスピードがあるわけではない。スピード不足になる可能性もある。 【中京デビュー】 ※日曜中京5R 芝1600m※ エルモンストロ 牡2 馬主:(株)KTレーシング 厩舎:(栗)中竹和也 父:ルーラーシップ 母:ミンティエアー(母父:アグネスタキオン) 【馬名の意味・由来】 怪物(西) 【コメント】 同じキングカメハメハの後継種牡馬でもストームキャットが入っているロードカナロアとトニービンの影響が強いルーラーシップでは、持っている根本的なスピードが違ってくる。ルーラーシップを活かすなら、母系にはスピードの血を豊富に持っているサンデーサイレンス系を入れるのが大前提で、ロイヤルスキーらしいスピードを持つアグネスタキオンと短距離系のデピュティミニスターの配合になっている母ミンティエアーのマッチングはベストと言えるかもしれない。マイルの距離にも対応できるはず。 アメリカンウェイク 牝2 馬主:(有)キャロットファーム 厩舎:(栗)斉藤崇史 父:ハーツクライ 母:アナアメリカーナ(母父:American Post) 【馬名の意味・由来】 アイリッシュダンスの演目の一つ。父名、母名より連想 【コメント】 ニュージーランドTで2着、ファルコンS3着のメイソンジュニアの半妹。母父であるアメリカンポストはベーリングの産駒で、母父はサドラーズウェルズという血統背景だった馬。マイルGIで活躍した自身の競走成績よりも長めの距離に適性を見せても不思議はないが、母系にいるアナバーの影響が強いと考えられているのだろう。この馬だけでなく、一つ下の弟に距離の融通性があるハーツクライが配合されているのは、スピード豊富な母系にスタミナを注入するという意図があってのものと考えていい。 ※日曜中京6R 芝1200m※ ファンタジスト 牡2 馬主:廣崎利洋 厩舎:(栗)梅田智之 父:ロードカナロア 母:ディープインアスク(母父:ディープインパクト) 【馬名の意味・由来】 夢想家 【コメント】 母のディープインアスクはスピード豊富なデインヒルにディープインパクトを配合されて生まれた馬。ただし、デインヒルの前にはスタミナ豊富なロベルトがいるので、血統的には距離をこなしても不思議がない。ディープインパクトとロードカナロアの父であるキングカメハメハはニックスであり、これまでは父がディープインパクトで母父がキングカメハメハという形が多かった。今度は母父にディープインパクト。これからのモデルになる配合パターンと言えるかもしれない。 【函館デビュー】 ※土曜函館5R 芝1200m※ チェルシーライオン 牡2 馬主:ライオンレースホース(株) 厩舎:(栗)矢作芳人 父:Malibu Moon 母:Tashzara(母父:Intikhab) 【馬名の意味・由来】 英国の地名+ライオン 【コメント】 シアトルスルーとミスタープロスペクターの掛け合わせは相性が良く、アメリカではこのパターンの配合の馬が非常の多い。シアトルスルー産駒のエーピーインディにミスタープロスペクターの繁殖牝馬を掛け合わせたマリブムーンは、芝もダートも距離も問わない種牡馬で、ケンタッキーダービーを勝ったオーブを筆頭に多くのステークスウィナーを輩出している。レッドランサム、クラフティプロスペクター、アホヌーラ、ウォーニングとスピードのある種牡馬を並べた母系を見れば、1200mの距離にも問題なく対応すると考えていいだろう。 ※日曜函館5R 芝1800m※ ロマンティコ 牡2 馬主:多田信尊 厩舎:(美)藤沢和雄 父:エンパイアメーカー 母:ウェーブクイーン(母父:サッカーボーイ) 【馬名の意味・由来】 ロマンティック(伊) 【コメント】 3代前に1975年生まれのニゾンがいて、4代前には1957年生まれのバーボンプリンスがいる古い血統。母のマウンテンクィーンはダート重賞で活躍したキョウトシチーを産んでおり、サッカーボーイを父に持つ母のウェーブクイーンは同馬の全妹ということになる。父のエンパイアメーカーは芝で走る産駒も出すが、本質的にはダートに強い種牡馬だと考えている。この掛け合わせの馬が芝でデビューするイメージが沸かず、ゆえにどのような競馬をするかに注目したいレースとも言えそうだ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

  • 2018年新馬

    【7月7日・8日新馬戦】ヴィルシーナ産駒登場「A級の血統馬だ」

    【中京デビュー】 ※日曜中京5R 芝2000m※ ブラヴァス 牡2 馬主:佐々木主浩 厩舎:(栗)友道康夫 父:キングカメハメハ 母:ヴィルシーナ(母父:ディープインパクト) 【馬名の意味・由来】 すばらしい(ポルトガル語) 【コメント】 ブラッシンググルーム×グロリアスソングという素晴らしい配合をベースにヌレイエフを掛け合わせ、それからマキャベリアンを配合。これによりミスタープロスペクターとノーザンダンサーというニックスを成立させた祖母のハルーワスウィートの血統構成は、文句のつけるところが一つもなく、ヴィルシーナにシュヴァルグラン、ヴィブロスと活躍馬を輩出し続けているのも頷けるところ。この馬はGI2勝馬ヴィルシーナの初仔で、父にキングカメハメハ、母父にディープインパクトという配合となっている。この掛け合わせも有名なニックスであり、強調材料となるのだろうが、この馬の1番の魅力はミスタープロスペクターの3×4、ヌレイエフの4×4といったスピード豊富な馬のクロスと思う。A級の血統馬だ。 ダノンチェイサー 牡2 馬主:(株)ダノックス 厩舎:(栗)池江泰寿 父:ディープインパクト 母:サミター(母父:Rock of Gibraltar) 【馬名の意味・由来】 冠名+追撃者。追撃者として活躍することを願って 【コメント】 母のサミターは愛1000ギニーなどGIを2勝している馬。グリーンデザートにレインボークエストを掛け合わせ、その次にロックオブジブラルタルという母系はスピード→スタミナ→スピードと繋げていく模範的な配合パターンで、これにディープインパクトという掛け合わせの流れは非常にいいと思う。気になる材料は母父のロックオブジブラルタルだろうか。この馬自身は名馬中の名馬だが、少し我の強い部分があるというか、自身の特徴を産駒に伝達しやすいように思う。しなやかさを武器にするディープインパクトを配合しても硬さの残る馬となる可能性はある。父ディープインパクト、母父ロックオブジブラルタルの著名馬はミッキーアイル。この馬にも距離の限界があると考えて良さそうだ。 トーセンカンビーナ 牡2 馬主:島川隆哉 厩舎:(栗)中竹和也 父:ディープインパクト 母:カンビーナ(母父:Hawk Wing) 【馬名の意味・由来】 冠名+母名 【コメント】 母父のホークウイングはエクリプスSなど英国のGIを3勝しているが、父はミスタープロスペクター産駒のウッドマンで生産国はアメリカ。アメリカ血統とのマッチングに優れるディープインパクトには、適したタイプの種牡馬と考えていいだろう。3代前にいるパントレセレブルは凱旋門賞をレースレコードで圧勝した馬だが、父がヌレイエフで母父アリダーという血統構成。本質的にはマイルから中距離を適性とするスピード馬だったと考えることもできると思う。ディープインパクト産駒は母系にスピードを入れることが大事なので、この部分からも優れた配合と言うことができるだろう。 オールイズウェル 牡2 馬主:小林竜太郎 厩舎:(栗)佐々木晶三 父:ルーラーシップ 母:ラブフール(母父:ゼンノロブロイ) 【馬名の意味・由来】 全てうまくいく 【コメント】 キングカメハメハ産駒のルーラーシップは、父と同じようにサンデーサイレンス系の繁殖牝馬と配合されることが非常に多い種牡馬。母父がゼンノロブロイの今回も同パターンだ。とはいえ、ゼンノロブロイはサンデーサイレンス系の中では少しジリっぽい馬で、ルーラーシップとの掛け合わせが向くかどうかは微妙なところ。本来なら微妙な評価になってしまう配合だ。それを補って余りあるのがキングマンボの3×4というニックス。産駒数が少ないエルコンドルパサーを父に持つ繁殖牝馬は貴重な存在だ。芝でもダートでも大丈夫な馬になりそう。 【福島デビュー】 ※日曜福島5R 芝1800m※ グロリアーナ 牝2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(美)木村哲也 父:ハーツクライ 母:ベネンシアドール(母父:キングカメハメハ) 【馬名の意味・由来】 栄光ある女性 【コメント】 同馬の祖母であるフェアリードールの父がヌレイエフであることは競馬ファンなら誰もが知るところ。しかし、母父であるシャーペンアップについて語られることは、これまでほとんどなかったのではないだろうか。しかし、私は同馬の存在こそがフェアリードールの活躍に繋がっていると考えており、フェアリードールの血統はスピード豊富な馬が出現してくる理由と思っている。この馬の母ペネンシアドールはフェアリードールにとって晩年の産駒だが、キングカメハメハとの配合でヌレイエフのインブリードを成立させたことにより、活力を失わずに済んだ。この馬の父はハーツクライ。ディープインパクトの産駒だった姉デニムアンドルビー、兄キタノコマンドールよりもクラシックディスタンス向きの馬になると思う。 ストーミーナイト 牡2 馬主:前田幸治 厩舎:(美)鹿戸雄一 父:ワークフォース 母:ステラムーン(母父:アドマイヤムーン) 【馬名の意味・由来】 嵐の夜 【コメント】 祖母のステラマドリッドから派生した活躍馬は実に多く、今年の3歳牝馬路線で活躍しているラッキーライラックもこの系統の出身。他にもダイヤモンドビコーやミッキーアイルなど、著名な馬が多数並んでいる。繁殖牝馬としての能力は相当に高いと考えていい馬だ。ただし、気になる点もある。それは母のステラムーンがステラマドリッドにとって9頭目の牝馬産駒であるということだ。母父アドマイヤムーンのスピードに距離のレンジが広いワークフォースという配合は悪くないと思うが、そのすべてのベースはステラマドリッドという繁殖牝馬の存在。この馬の活力がすでになくなっているのであれば、評価を大きく変えなくてはならない。 【函館デビュー】 ※日曜函館5R 芝1800m※ コントラチェック 牝2 馬主:(有)キャロットファーム 厩舎:(美)藤沢和雄 父:ディープインパクト 母:リッチダンサー(母父:Halling) 【馬名の意味・由来】 ダンスステップの一種。母名より連想 【コメント】 母のリッチダンサーはどんな種牡馬を配合しても、それなりの結果を出してしまう優秀な繁殖牝馬で、今春の京王杯SCを勝ったムーンクエイクの父はアドマイヤムーン、フラワーCを勝っているバウンスシャッセはゼンノロブロイ産駒で、障害での3勝を含む8勝をマークしているホーカーテンペストの父はホークウイング。系統に関係なくオールラウンドの舞台で走っているところに凄さを感じてしまう。この馬で8頭目の産駒となるところに若干の不安は感じるが、8頭目にしてディープインパクトという超一流の種牡馬を配合。なんとか活力を維持できるのではないか、と思う。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

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    【6月30日・7月1日新馬戦】牝馬が出た今回は面白そうだ

    【福島デビュー】 ※日曜福島5R 芝1800m※ ロジャーズクライ 牡2 馬主:(有)シルクレーシング 厩舎:(美)国枝栄 父:ハーツクライ 母:ロジャーズスー(母父:Forestry) 【馬名の意味・由来】 母名の一部+父名の一部 【コメント】 母父のフォレストリーはダート7FのキングスビショップSを勝っているGI馬で、種牡馬としてはシャックルフォードやディスクリートキャットを出している。ストームキャットの血を引く同馬のセールスポイントはスピードだが、この母系には同じくスピードを武器にするシーキングザゴールドの名もある。ハーツクライにスピードを注入したいという生産者の意図を感じさせる血統の組み立て方が私好みだ。 シティーオブスター 牡2 馬主:吉田和美 厩舎:(美)矢野英一 父:ハーツクライ 母:テルアケリー(母父:Tapit) 【馬名の意味・由来】 星の街 【コメント】 この馬もハーツクライの産駒だが、母系にはスプリンター的なスピードを持っている馬ではなく、スタミナに定評のあるタピットを母父に迎えているところが少し微妙に感じる。もちろん、種牡馬としてのスケールはタピットのほうが上なのだが、ハーツクライとの配合で魅力があるか、となると話は別だ。5代目までは完全なアウトブリード。相性だけで勝負するのであれば、サンデーサイレンス系にはノーザンダンサー系が最も適しているように思う。 ミッキーブラック 牡2 馬主:野田みづき 厩舎:(栗)音無秀孝 父:ブラックタイド 母:マラコスタムブラダ(母父:Lizard Island) 【馬名の意味・由来】 冠名+父名の一部 【コメント】 母のマラコスタムプラダはアルゼンチンのGI勝ち馬。その瞬間にノーザンファームの生産馬ではないかと思ったが、まさにその通りだった。母父リザードアイランドは祖母にジェイドロバリーの母であるナンバーがいる血統でクールモアの馬。自身に目立った活躍はないが、その血統の良さを買われて種牡馬入りしたのだろう。母系のスピードを引き出し、それを活かすために用意されたのがブラックタイド。スピードの持久力で勝負するタイプになると思う。 【中京デビュー】 ※土曜中京5R 芝1600m※ アドマイヤマーズ 牡2 馬主:近藤利一 厩舎:(栗)友道康夫 父:ダイワメジャー 母:ヴィアメディチ(母父:Medicean) 【馬名の意味・由来】 冠名+火星 【コメント】 母父のメディシアンはエクリプスSなどGIを2勝している馬で、スピードを武器にしているマキャベリアンの産駒。シングスピール産駒との配合は同馬に足りないスピードを注入する面があったと考えられる。スピードと底力を完備した母に用意されたのはダイワメジャー。イメージ的にはダイワメジャーもメディシアンもマイルから中距離くらいまでの距離を適性にしている。この舞台でスピードの持続力を活かす馬となりそう。 ヤマニンマヒア 牡2 馬主:土井肇 厩舎:(栗)松永幹夫 父:ディープインパクト 母:ヤマニンカルフール(母父:エリシオ) 【馬名の意味・由来】 冠名+魔法(西) 【コメント】 ダンジグのスピードにエリシオのスタミナを足した母系の意図は理解できるし、ノーザンダンサーが2本入っているところも、サンデーサイレンス系のディープインパクトには合うと思う。だが、惜しむらくは母ヤマニンカルフールにとって、今回の産駒が9頭目。繁殖牝馬としてのピークはさすがに過ぎただろうし、この年齢の繁殖牝馬に種付け料の高額なディープインパクトは少しもったいない気がする。活力が残っているといいのだが。 ※日曜中京5R 芝1600m※ ビスタストリカ 牝2 馬主:(有)キャロットファーム 厩舎:(栗)斉藤崇史 父:ルーラーシップ 母:イストワール(母父:サンデーサイレンス) 【馬名の意味・由来】 歴史観(伊)。母名より連想 【コメント】 サンデーサイレンスにインリアリティ産駒であるヴァリッドアピールという配合の母イストワールは、スピードにしなやかさを求めた方向性に魅力を感じる馬。しかし、様々な種牡馬を掛け合わせても結果を出せなかったように、この母系には根本的な底力が欠けているのではないだろうか。本来なら父ルーラーシップの可能性に賭けたいところなのだろうだが、すでに父のキングカメハメハを試しているのがネック。目新しさもない。 プールヴィル 牝2 馬主:吉田照哉 厩舎:(栗)庄野靖志 父:LeHavre 母:ケンホープ(母父:Kendargent) 【馬名の意味・由来】 絵画名より。フランスにある海辺の避暑地 【コメント】 ブラッシンググルームに祖を持つ父のルアーヴルはフランスダービーの勝ち馬で、アヴニールセルタン、ラクレッソニエールという2頭の二冠牝馬を輩出した。種牡馬には産駒の良績が牝馬のみに集中している馬もおり、晩年にシンボリルドルフという大物を出したパーソロンも、当初は牝馬に大物が出る種牡馬と認知されていた。そのような意味でも牝馬が出た今回は面白そうだ。母系は完全なフランス血統。日本の競馬には対応できると思う。 【函館デビュー】 ※日曜函館5R 芝1200m※ ヤマカツルビー 牝2 馬主:山田和夫 厩舎:(栗)池添兼雄 父:ジャスタウェイ 母:ヤマカツマリリン(母父:グラスワンダー) 【馬名の意味・由来】 冠名+紅玉 【コメント】 重賞を5勝もしているヤマカツエースの半妹。キングカメハメハ産駒の兄だけでなく、ハービンジャー産駒の半姉ヤマカツグレースもフローラS2着と結果を残しているのだから、母ヤマカツマリリンに繁殖牝馬としての能力があるのだと思う。今年の2歳が初産駒になるジャスタウェイは年齢も若く、活力に溢れた種牡馬。ハーツクライの産駒ながら、母父であるワイルドアゲインの効果でマイル戦向きのスピードを持っていた。兄姉同様の活躍を期待してもいいはずだ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

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    【6月23日・24日新馬戦】文句なしの配合となっている

    【東京デビュー】 ※土曜東京5R 芝1600m※ ミディオーサ 牝2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(美)堀宣行 父:ディープインパクト 母:ミスエーニョ(母父:Pulpit) 【馬名の意味・由来】 私の女神(西) 【コメント】 母父のプルピットは日本でも知られているほどの有名な種牡馬だが、私はそこまで評価していなかった。エーピーインディーにミスタープロスペクターの配合はベストだが、プルピット自身に品があり過ぎるというか、種牡馬に必要な荒々しさにかけた気がしたからで、同馬の産駒で大種牡馬となったタピットにはそれがあった。自己主張が強い馬でなければ、産駒に個性を伝えることはできない、と覚えておいてもらいたい。この馬はミスエルテの半妹になるが、父がフランケルの姉よりもディープインパクト産駒の妹のほうが血統構成はいいと思う。ヘネシーにプルピットという母系はスピードがあり過ぎる。フランケルでは距離の限界がどうしても出てしまうのだ。 トーセングラン 牡2 馬主:島川隆哉 厩舎:(美)田村康仁 父:ディープインパクト 母:スタイルアンドクラス(母父:Galileo) 【馬名の意味・由来】 冠名+大きい、偉大な(仏) 【コメント】 ディープインパクトにガリレオという配合は、今年の英2000ギニーを勝ち、エプソムダービーで1番人気に支持されたサクソンウォリアーと同じ。サドラーズウェルズ産駒のガリレオには、どうしてもスタミナ優位のイメージを持ってしまうが、フランケルに代表されるようなスピード豊富な馬も数多く出ている。母スタイルアンドクラスは母系にグリーンデザートを持ち、祖母のピパロングはスプリントCを勝っている馬。十分過ぎるほどのスピードを持っており、むしろ長い距離に対応できるかどうかを危惧するレベルかもしれない。 ブルーアガヴェ 牡2 馬主:金子真人ホールディングス(株) 厩舎:(美)奥村武 父:ディープインパクト 母:ペイトンドーロ(母父:Medaglia d'Oro) 【馬名の意味・由来】 竜舌蘭の一種 【コメント】 母系の3代前にいるジェイドハンターは、3年連続でエクリプス賞を受賞したアゼリを輩出したことで知られる種牡馬だが、これに匹敵するほどの目立った存在を他に出せなかった。ミスタープロスペクターの後継種牡馬では中レベル程度の馬で、スピード能力もそこまで抜けてはいなかったと考えている。母父にいるメダグリアドーロはサドラーズウェルズ系の馬で、自身が残した成績よりも芝に対する適性があり、またスピードよりも持久力に秀でていた印象。ディープインパクトとの掛け合わせで瞬発力は補完されているが、肝心のスピード能力が足りていなければ、大舞台で苦しむことになりそうだ。 イヴォーク 牡2 馬主:(有)サンデーレーシング 厩舎:(美)国枝栄 父:オルフェーヴル 母:ウェイクミーアップ(母父:Rock of Gibraltar) 【馬名の意味・由来】 呼び起こす 【コメント】 母ウェイクミーアップは英2000ギニーなど、GⅠを3勝したドーンアプローチの半姉で、この馬の兄であるジュンヴァルロは父がドーンアプローチと同じニューアプローチなので、血統的にはかなり似通っている。父にオルフェーヴルを迎えたことで、ジュンヴァルロよりも距離の融通性はありそうだが、気になるのは母父ロックオブジブラルタルとの相性。硬さが目立ったロックオブジブラルタルには柔らかいタイプとの配合が合うように思うのだが、オルフェーヴルはそれに該当する馬ではなかった。母父ロックオブジブラルタルでも結果を出したミッキーアイルのように、柔らかさのあるディープインパクトのほうが相性的には良かったように思う。 【阪神デビュー】 ※日曜阪神5R 芝1800m※ ホウオウライジン 牡2 馬主:小笹芳央 厩舎:(栗)矢作芳人 父:キングカメハメハ 母:ガールオンファイア(母父:アグネスタキオン) 【馬名の意味・由来】 冠名+雷神 【コメント】 ダービー馬レイデオロの母であるラドラーダは、この馬の母であるガールズオンファイアの半姉。父にキングカメハメハを迎えている同馬とレイデオロの違いは、母父がシンボリクリスエスか、アグネスタキオンかの部分だけとなっている。クラシックディスタンスへの対応力という意味ではシンボリクリスエスに軍配が上がるが、馬のスケールではアグネスタキオンのほうが上だったのではないだろうか。残念ながら、早世してしまったアグネスタキオンだが、日本競馬向きのスピードに加え、大型馬らしいパワーも兼備していた。レイデオロと違い、キングカメハメハとサンデーサイレンス系のニックスも成立。文句なしの配合となっている。 アドマイヤジャスタ 牡2 馬主:近藤利一 厩舎:(栗)須貝尚介 父:ジャスタウェイ 母:アドマイヤテレサ(母父:エリシオ) 【馬名の意味・由来】 冠名+父名より 【コメント】 凱旋門賞馬が日本で結果を残すことは難しく、スピードタイプのエリシオでも成功することはできなかった。同馬の母であるアドマイヤテレサは現役時代に5勝をマーク。これだけの結果を残せたエリシオ産駒は多くないだろうが、アドマイヤテレサ以外の兄弟は、サンデーサイレンスを付けたバシュアースの4勝が目立つ程度。実はエリシオとのマッチングが良かったのかもしれない。アドマイヤテレサは母となって、オーストラリアのコーフィールドCを勝ったアドマイヤラクティを出しているが、同馬の父はハーツクライ。この馬の父はハーツクライ産駒のジャスタウェイなので、似通った配合と言えるかもしれない。 【函館デビュー】 ※土曜函館5R 芝1200m※ サトノサイベリー 牝2 馬主:(株)サトミホースカンパニー 厩舎:(栗)平田修 父:ノヴェリスト 母:サトノユリア(母父:ディープインパクト) 【馬名の意味・由来】 冠名+ギリシャ神話の豊穣の女神 【コメント】 母のサトノユリアは父がディープインパクト、母父にフレンチデピュティというニックスを活かした配合を持っている馬。母系にエアグルーヴがいる彼女の血統は質が高いだけでなく、この時点で一つの完成を迎えている。ゆえに配合する相手が難しく、初年度のハービンジャーから順にワークフォース、ノヴェリストとパートナーは常に変化。様々な種牡馬を抱えているはずのノーザンファームであっても、頭を悩ます状況となっているようだ。ノヴェリストは私が想像していたよりも伸び悩んでおり、特に上級条件で活躍できていない。このような血統馬との配合で結果を出したいところだ。 ※無料公開期間【次回血統診断】更新まで 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『調教師の着眼点 -先週のレース解説-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』 などもお楽しみください。

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