先週の2~3歳戦や重賞レースを“調教師の視点”から解説!

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    【4月14日・15日開催】皐月賞、アーリントンCほかレース解説

    〈3歳GI〉 4/15(日) 中山11R 芝2000m 皐月賞 雨の影響を受けた芝の状態を考えれば、1000m通過が59秒2のペースは文句なしのハイペース。しかし、それは雁行(がんこう)状態で飛ばした前の3頭のみに当てはまる数字だ。結果的に離れた4番手にいたエポカドーロの位置こそが、絶好のポジションで、それよりも後ろの位置からでは差し込んでくるのが難しかった。ペースが流れ、タフな競馬になったにもかかわらず、上位の3頭はいずれも4コーナーで先頭集団にいた馬。その事実こそが、私の言いたいことを証明していると思う。 勝ったエポカドーロが力を持っていることは確かだ。同馬の父であるオルフェーヴルがそうだったように、産駒も今回のようなタフな馬場、タフな状況を好むのかもしれない。ただし、どの馬よりもベストの位置にいたエポカドーロに、展開を含む全ての要因が味方をしたのは事実。2400mの距離はこなしてくれるだろうが、パンパンの馬場で上がりの速い勝負になった場合でも通用するのか? この部分に関しての答えは出ていない。次のダービーも主役ではなく、圏内の1頭という考え方でいいはずだ。 2着のサンリヴァルはタフな競馬に強いルーラーシップの産駒。この手の展開に強いことを示した一方で、瞬発力勝負になりやすいダービーでは高い評価をしにくい。勝ち馬のエポカドーロと同じアプローチになるが、正攻法で押し切った勝ち馬以上の評価はできないだろう。むしろ、雁行状態の逃げに加わりながら、3着に踏みとどまったジェネラーレウーノ。こちらのほうが能力は高そうだ。意外性のあるスクリーンヒーロー産駒というところにも魅力を感じる。 人気を裏切った馬たちは、総じて後ろからの競馬を選択し、前を捕まえきれずに終わった。大舞台に管理馬を送り込む心境を知っている私の立場からすれば、どうしても「もう少し積極的でも良かったのではないか」という気持ちになってしまう。一生に一度しか挑戦することのできない3歳クラシックでは、なおのことではないだろうか。 例えば、7着に敗れたワグネリアン。勝負どころの反応が悪かったのは確かだし、いつものほどの伸びを見せられなかった末脚に、不満を感じる向きもあるだろう。しかし、私がこの馬の関係者だったのなら、レースの中盤以降よりも1コーナーに入る前──。好スタートを切り、それなりに位置を取れる状況であったにもかかわらず、手綱を引いた瞬間があったことを問題視する。一つ列を下げてしまったことが、その後の展開を難しくし、結果まで悪くしてしまった。勝ちにいく位置を取って負けたのであれば納得できるが、消極的な騎乗で負けると悔いが残ってしまうのだ。 前向きな話をしよう。次の日本ダービーに向け、期待を持てる走りをしたのは5着のキタノコマンドールだろう。このレースに挑む段階でキャリアはわずかに2戦。競馬を理解している最中でのGⅠ挑戦だったことを思えば、この馬の後方待機は仕方のない面があるし、大外を回らされる展開もかなり厳しかった。それでも、掲示板を確保しているのだから、能力の高さは言わずもがなだろう。 今年から皐月賞の5着までにダービーの優先出走権が与えられることになった。1勝+オープン特別勝ちだけの賞金では、時に出走が微妙となる場合があるだけに、この条件改正の恩恵を受けられたのも大きいはずだ。 〈3歳重賞〉 4/14(土) 阪神11R 芝1600m アーリントンC 勝ったタワーオブロンドンは暮れの朝日杯FSの3着馬。直線を向いて追い出しを待つ格好になりながら、あっさりと抜け出してきた内容は格上の力を示すもの。1週前に行われたニュージーランドT組との比較は難しいが、今回のメンバーでは力が違ったという受け取り方で問題ないはずだ。 タワーオブロンドンの父レイヴンズパスは、スピード豊富なイルーシヴクオリティーの産駒。この馬のスピードと切れは、父系の影響を強く受けたものと考えているが、大舞台での活躍をイメージした場合、タワーオブロンドンの強調材料は、ドフザダービーを祖祖母に持つ母系のほうになってくると思う。特に単調なスピード馬では克服できない東京のマイル戦において、底力に富むドフザダービーの存在は大きな魅力。本番でも有力視していいと思う。 〈古馬重賞〉 4/14(土) 阪神11R ダ1800m アンタレスS 長い休養明けで、馬体に少し緩みを感じた状態だったグレイトパール。勝負どころの反応が少し鈍くなってしまったのも、そこに理由があったのだろうが、そのような状況でも勝ちきってしまうのだから、その能力は相当に高い。このメンバーに負けることは今後もないだろうし、次走以降は大きな舞台で走ることになるだろう。 前途洋々の馬に対し、あえての指摘を。この馬は馬格もさることながら、そのフットワークが少し大き過ぎる。地方交流でも大井のような広いコースなら対応できそうだが、それ以外の小回りコースでは対応に苦しむような面を見せるかもしれない。もちろん、中央の競馬を走っている段階では問題なく、連勝を続ける可能性も低くないだろう。 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』『人気記事』 などもお楽しみください。

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    【4月7日・8日開催】桜花賞、ニュージーランドTほかレース解説

    〈3歳GI〉 4/8(日) 阪神11R 芝1600m 桜花賞 すでにレースから2週間近くが経過。多くのメディアが三冠制覇の可能性に言及し、ダービーへの挑戦云々の話まで話題が及んでいるように、アーモンドアイの勝ちっぷりは、近年でも群を抜くほどのものだったと思う。 ゆえに、今回はレースについての詳細な回顧を省かせてもらうこととした。2着のラッキーライラックは非の打ちどころがない競馬をし、それでも負けてしまったのだ。ここがレースのポイントという箇所もほとんどない。勝ち馬が純粋に強かったとしか表現できない1戦に、多くの言葉を費やす必要があるだろうか。 幸いにも、私にはアーモンドアイの母フサイチパンドラを管理していた経緯がある。パンドラへの知識は誰よりも豊富だと思っているし、めぐり合わせかどうかはわからないが、当日の阪神競馬場ではレース前のアーモンドアイを見る機会にも恵まれた。そのときの話も含め、私らしい表現でアーモンドアイという馬を評価させてもらうことにした。 実はこの日、阪神競馬場の第2レースで、私の厩舎に所属していた厩務員さんの馬が勝利している。中内田厩舎の馬だ。自分のところにいた人間の勝利がいつになっても嬉しいもので、その縁もあって厩舎地区にも顔を出した。素晴らしい偶然があったのはそのあと。ひとしきり話をして帰ろうとしたタイミングで、アーモンドアイを管理している国枝栄調教師が、私の目の前を「たまたま」通りかかったのだ。もちろん、こんなチャンスを逃す私ではない(笑)ので、すぐに「ちょっと馬を見せてくれないか」と。このようなところは自分でもアグレッシブだな、と思うのだが、おかげで「アーモンドアイがどんな馬なのか」が少しわかった気がする。 馬房にいるアーモンドアイの姿を見た私は「フサイチパンドラよりもダンスパートナーに似ている」と瞬時に思った。もちろん、彼女とダンスパートナーの間に血の繋がりはなく、そのように感じた理由をはっきりと説明することはできない。あえて答えを探すなら、フサイチパンドラには見られなかったサンデーサイレンスの影響を、目の前のアーモンドアイに感じたからだろうか。 フサイチパンドラはスピードとパワーがセールスポイントの馬で、それは切れを武器にしていた多くのサンデーサイレンス産駒と一線を画していた。ゆえに、パンドラは母父ヌレイエフの影響が強い馬との解釈を私はしていたわけだ。 一方、サンデーサイレンスの初年度産駒としてオークスを制し、のちにエリザベス女王杯も勝ったダンスパートナーは、小さいながらもしなやかな馬体の持ち主で、非凡な切れを武器とした馬だった。桜花賞でも2着に走ってくれているが、中距離以上に適性があるスラッとした馬体の持ち主で、距離が延びて良さが出るタイプ。牝馬にもかかわらず、菊花賞にも挑戦させた。私のダンスパートナーに対するイメージを物語っている事象だと思う。 先ほど、アーモンドアイの印象はダンスパートナーによく似ているとの話をさせてもらった。それは、取りも直さず、アーモンドアイも距離延長を味方にできるタイプという意味でもある。短距離で活躍したロードカナロア産駒ということで、距離に対する懐疑的な面を語られることもあるだろう。だが、その声には耳を傾けないでもらいたい。桜花賞の週の「馬体診断」の項でも述べたと思うが、同馬はロードカナロアでもなければ、フサイチパンドラでもない。もちろん、パンドラの母父であるヌレイエフでもない。彼女は大種牡馬サンデーサイレンスの影響を強く受けている馬なのだ。 オークスはもちろん、ダービーに挑戦しても面白いと思うし、仮に好結果が出るようなら、秋は海外に遠征してもいいのではないだろうか。私もダンスパートナーを3歳時にフランス遠征させている。オーナー主導の遠征であったことは事実だが、私の頭の中にも「凱旋門賞に挑戦するのなら、斤量の有利な3歳時の遠征がベスト」という考えがあった。ダンスパートナーは凱旋門賞までたどり着くことができなかったが、遠征のノウハウがある現在なら、当時よりもいい結果を残すことができるはずだ。 最後に今回の桜花賞は1着がロードカナロアで2着がオルフェーヴル。どちらも初年度産駒だが、それよりも覚えていてもらいたいのは、2008年の競走馬はヴィンテージイヤーということだ。ロードカナロア、オルフェーヴルだけでなく、フランケル、アニマルキングダム、デインドリームにナサニエルなど、世界レベルで名馬、もしくは名種牡馬が出ているのが2008年産。このような事実を知っておくだけでも、競馬に対するアプローチが一つ増えるのではないだろうか。 〈3歳重賞〉 4/7(土) 中山11R 芝1600m ニュージーランドT ディープインパクト産駒のワンツーフィニッシュ。ともに直線の長い東京で威力を発揮しそうな末脚を持っている馬で、本番に期待を繋ぐ内容であったとも思う。 アタマ差で勝利したのはカツジだが、中山のマイル戦は圧倒的に外枠が不利。8枠14番から結果を残した2着ケイアイノーテックのほうが、力量は上の可能性が高い。しかしながら、次走のNHKマイルCでは逆転濃厚かと言えば、そう単純な問題ではない。ポイントは今回の馬体重。太めだった前走の馬体を絞り込んでの12キロ減だったカツジに対し、ケイアイノーテックの12キロ減は細くなってしまった印象のマイナス体重。おそらくは輸送が影響したのだと思う。 まずは馬体を戻したうえで、再度の長距離輸送を克服する。ケイアイノーテックは自分自身との戦いをまずはしなくてはならない。本番に至るまでの調整過程と当日の馬体重。この2点をしっかりとチェックしたい。 〈古馬重賞〉 4/7(土) 阪神11R 芝1600m 阪神牝馬S 勝ったミスパンテールが逃げ切り勝ちで勝利。逃げ、差し自在の幅の広いレースぶりは評価しなくてはならないが、1000mの通過が61秒0のスローペースでは、次走のヴィクトリアマイルでも主役級とすることはできない。むしろ、このペースで逃げてもタイム差なしの辛勝。本番ではどうだろうか。 もっとも強い競馬をしたのはリスグラシューだろう。直線で追い出しを待たされたところもあった。それでも、差のないところまで詰めてきており、得意の東京コースでスムーズな競馬ができれば、まず好勝負になるのではないだろうか。 4着アドマイヤリードはいつもよりも前の位置につける積極策。このあたりは先入観を持たない外国人騎手らしい騎乗といえるだろうか。直線でスムーズさを欠いたのは、スローペースの影響が大きかったためで、東京のGⅠなら真価を発揮できるはず。前哨戦としては悪くなかったと見たい。 問題は10着に敗退したソウルスターリング。想定したほどの道悪馬場にはならず、これなら爪の大きい同馬のマイナス材料にはならないと思っていたのだが、フランケル産駒はスローペースの瞬発力勝負がよくないのだろうか。次のヴィクトリアマイルが正念場になると思う。 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』『人気記事』 などもお楽しみください。

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    【3月31日・4月1日開催】大阪杯、ドバイミーティングほかレース解説

    〈ドバイミーティング〉 国内レースの総括をする前に、先週末に行われたドバイの諸競走についての話をさせてもらいたい。 世界各国から馬と人が集まったフェスティバル開催は、世界で結果を残すために何が必要か? 勝つための競馬に対する正しい概念を、改めて認識させてくれたように感じた。そして、この概念は遠征競馬だけでなく、国内のレースにも通用するものだ。この概念を頭に入れておくことで、皆さんの競馬に対するアプローチもずいぶんと変わっていくように思う。 この日、最もインパクトのあるレースを見せたのは、UAEダービーを18馬身半の大差で制したメンデルスゾーンだった。このような馬が登場すると、競馬を教えるなどの理由で、無駄に後方で脚をためることの意味のなさを思い知らされる。 「コースロスのない先行策を取り、自分のペースを守って走るのが最善。誰にも邪魔をされず、自分の持ち時計で走って負けたのであれば、その馬の能力の限界と考えることができる」 これは皐月賞、ダービーを逃げ切りで制したミホノブルボンを育てた戸山調教師の言葉だが、スピードの絶対値が上がった現代競馬において、戸山さんの考え方は、当時よりも重みが出ているように思う。 当然ながら、競走馬のスピードには限界があり、脚をためたからと言って、その最大値を超えることは絶対に不可能。そして、現代競馬では前に行った馬の脚が、ゴールが近づくに連れて急激に鈍ってしまうことはほとんどない。 となれば、重要になってくるのは直線を向いた段階でのポジショニング。競走馬に必要なものが、その位置を取るための絶対的なスピードであるならば、騎手に必要なものは、勝てる位置に馬を誘導する積極性と技術ということになる。 例えば、今回のライアン・ムーア騎手は、最初からハナを譲る気がない騎乗をした。メイダン競馬場のコース特性とメンデルスゾーンのスピードを加味し、仮に馬が行きたがる仕草を見せても押さえ込める自信があるからこその乗り方。大阪杯の総括でも触れるつもりだが、大レースを勝つ騎手は、能力のある馬に乗っているだけでなく、勝つためのレースをしている。その傾向が最近は特に強くなっている気がする。 競走馬の作り方もそうだろう。何よりも必要なものはスピード。ヨハネスブルグ産駒のスキャットダディを父に持つ同馬の血統は、一見すると淡白なスピード馬だが、現代競馬ではこれでいい。このような血統の馬が、スピードを持続させて勝ち続けていく時代なのだ。この馬の半姉で、GⅠを11勝もしているビホルダーの父も、スピード豊富なヘネシー産駒のヘニーヒューズ。私の言いたいことが、すでに結果となって表れていると思う。 ドバイの話に戻そう。メイダンがオールウェザーからダートへと馬場を変更したとき、後学のために…と私はドバイに足を運び、実際にダートの状態を確認している。そのときの印象が「粘っこくて、切れる脚は使えない。追い込み不向きのダート」というもの。アメリカの馬を招致するための馬場で、日本のダート馬ではこなせないと感じたが、今回のワールドカップの勝ち馬はアメリカ馬ではなく、ゴドルフィンのサンダースノー。ただし、過去にUAEダービーを制したことがある同馬は、メイダンの馬場に対する適性をすでに示していた。これは重要な要素だろう。 加えて、今年のメイダンはこれまで以上に先行有利な馬場だった。大外から積極的に主導権を取ったスミヨン騎手の判断がなければ、大輪を咲かせることができたかどうかはわからない。つまりはこの1戦も、前に行けるスピードを持った馬を、鞍上がハナへと行かせたことが、大きなポイントになったと言えるのだ。 日本馬の勝利が期待されたドバイシーマクラシックとドバイターフも似たようなもの。ペースの違いこそあれ、シーマクラシックはマイペースの逃げを打ったホークビルが押し切り、ターフは2番手を進んだベンバトルが早め先頭から独走した。日本では「切れ」があることこそが重要とされるフシがあるが、世界の舞台では通用しない。その切れを然るべき位置から使えなければ、前に届くことはないのだから。 ある程度の位置を取り、勝負どころから自分で動ける馬──。昨年の凱旋門賞を勝ったエネイブルのような馬こそが、世界で勝てる馬になるということだ。 〈古馬重賞〉 4/1(日) 阪神11R 芝2000m 大阪杯 ドバイのレース総括の内容を読めば、私が大阪杯で感じたことも推察してもらえると思う。スワーヴリチャードの強さは理解していても、右回りへの不安は解消されていない。その一転を理由に、同馬の評価を私は下げたのだが、ミルコ・デムーロ騎手の好騎乗によって、その不安は露呈することなく終わった。 レースが終わってみれば、確かに想像できる形の騎乗ではあった。外枠からのスタート。最初から位置を取りに行けば、折り合いを欠いてしまう可能性もあるので、前半はジッとしておく。その後はペースが遅いのを利用して早めにスパート。直線入り口で先頭に立ち、その後は内ラチ沿いを頼って走らせてしまえば、内にヨレてしまう悪癖を最小限で食い止めることができるし、手前も替えてくれるだろう──。そんなイメージだろうか。 モレイラ、スミヨンにムーアなど、ウイニングポジションを知る騎手は世界でもわずか。そして、それらの人間だけがトップジョッキーと呼ばれる存在だ。そんな彼らであっても、テン乗りで結果を出すということは簡単ではなく、レースで乗り続けることによって、その馬の能力と特徴を把握していく。 すでにスワーヴリチャードの能力を知っているデムーロ騎手にとって、あのペースを捲って行っても、直線で止まるはずがないとの確信はあったと思う。しかし、人気を背負っている状況で、この芸当ができる騎手はなかなかいない。失敗した際のバッシングを恐れずに、馬を動かしていくメンタルと技術が必要になるからだ。何度も言うが、いい馬に乗っているだけでなく、勝つための騎乗をしているからこそ、彼はトップジョッキーなのだ。 スワーヴリチャードの強さは言うまでもないだろう。だが、今回の1戦で右回りに対する不安が消えたと考えるのは早計だと思う。 スローペースの外枠。スワーヴリチャードが自分から動いていける要素が揃っていた事実は見逃せない。スタートから出していかなかったように、彼には折り合い面の不安がある。サウスポーという認識も変える必要がないと思っている。次の宝塚記念で、異なる状況になった場合でも結果を出せるか。その1戦まで評価は保留としたい。 次に繋がるGⅠレース。2着以下についてもサラッと触れよう。 2着のペルシアンナイトは馬群を上手にさばいてきたが、2000mがベストではないかもしれないという認識があったことが、馬群に入れて追い出しを待つという選択になったのではないかと思う。この2着は善戦ではあっても、勝てるレース運びではないのだ。 自分のポジションで直線を向き、前を追撃した3着のアルアインのほうが前向きなレースぶりではあった。しかし、この馬はスローの瞬発力勝負に対応するための決め手を持っていなかった。スワーヴリチャードと互角に戦うのであれば、前向きなレースぶりではなく、勝つために一か八かのレース運びをすべきだったかもしれない。 サトノダイヤモンドは7着。状態が戻りきっていないこともあるだろうし、動きたいときに動けないポジションに入ってしまったことも痛かったと思う。これがテン乗りの怖さで、その馬がどれくらいの能力を持ち、どれくらいの脚を使うのかは、実際に競馬で乗ってみないと判断がつかないもの。このレースの戸崎騎手もそうだったろうし、ペルシアンナイトの福永騎手も同様。13着に大敗したシュヴァルグランの三浦騎手もそうだった。ゆえに私は大レースでのテン乗りを嫌う。負けるにしても、能力を最大限に出して負けたのと、そうでないのではレース後の悔しさがまるで違うからだ。 直線で見せた脚から、惜しいと思えたのはミッキースワローだが、このようなレース運びをしていくようでは、今後も信頼度は低い。4コーナーで回した位置を考えれば、相当に強い競馬はしている。しかし、勝負圏内にいた瞬間は、皆無ではなかったか。流れが向いた競馬で勝つのではなく、流れを作って勝つことが、現在の競馬では求められている。繰り返して述べてきたことの意味を、理解してもらえただろうか? 3/31(土) 中山11R 芝1600m ダービー卿CT 充実著しいヒーズインラブが勝利し、ハンデ重賞でトリッキーな中山のレースということを差し引いても、次に繋がる1戦にはなった。確かに勝ち馬は上手にさばいてくることができたが、520キロ台もある大型馬がこの芸当をしたということに価値があると思うし、広い東京コースのほうが合う印象もある。GⅠ級を相手にしてもヒケは取らない──とまでは言えないが、仮に苦しい位置に入っても、器用な競馬をした今回の経験は生きてくると思う。勝負どころで積極的に動かしていった鞍上の騎乗も良かったと思う。 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』『人気記事』 などもお楽しみください。

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    【3月24日・25日開催】高松宮記念、日経賞ほかレース解説

    〈古馬重賞〉 3/25(日) 中京11R 芝1200m 高松宮記念 1200mというレースはポジショニングが重要。それを改めて思い知らされた1戦だったように思う。 もちろん、どのレースでも位置を取ることは重要だ。しかし、挽回の余地がわずかな短距離戦では、スタート直後のちょっとした判断ミスが、大きなハンデとなり、その後のレース運びを限定してしまう。1番人気の支持を受けたレッドファルクスの今回のパフォーマンスに、ファンの方々はどのような印象を持ったのだろうか? 納得できる内容ではなかったのではないか。 確かにスタートしてからのダッシュは鈍かったし、多少は寄られるようなシーンもあった。しかし、それを挽回するためのアクションをしていないことは、パトロールビデオを見ればわかること。ゆえに行き脚が付かなかったことのみを言い訳にするのはどうか、と私は思う。実際、スタートからの数秒で、勝利の可能性はなくなってしまったのだから。 レッドファルクスの前にいたダンスディレクターは、3コーナーを上手に立ち回れず、直線で馬場が荒れた内に行かざるをえなかった。その前にいたレッツゴードンキは、ある程度の位置を取りに行き、コーナーリングでポジションを上げることには成功したものの、結果的に馬場の内側にいたことが響いて、ハナ差で戴冠を逃した。上手に立ち回った馬たちでさえも、わずかなロスがあっただけで、結果を残すことができなかったのだ。絶望的なポジションから直線で右往左往。これでは馬券対象から外れても仕方がないと私は思う。 現代競馬では「いい位置から速い脚を使う」ことが勝利へのセオリー。そういう意味では、馬場の荒れていない外をスムーズに走り、レースの上がりよりも速い脚を使ったファインニードルの立ち回りは、GⅠを勝つ馬のそれにふさわしいものだったと感じている。 馬が充実期に入っていることは確か。しかし、それも豊富なスピードが背景としてあってのものだ。 ある程度の先行力がないことには、安定した走りをすることもできないし、馬場のどの位置を通るのかの選択もできない。だからこそ、私はその重要性を改めて強調したいのだ。現代競馬で必要なのは「スピード」なのだと。これは肝に銘じておくことだと思う。 3/24(土) 中山11R 芝2500m 日経賞 1番人気のキセキが期待を裏切る9着という結果に終わったが、高松宮記念とは内容がずいぶんと違った。ペース判断に長けたルメール騎手らしからぬ騎乗と言うべきだろうか。レースの途中から、無理なロングスパートを仕掛けて失速。そのラップ構成を見てみれば、粘り込みを期待するのが難しいことを理解できると思う。 スローペースを見越し、ある程度の位置までポジションを上げておくことは納得できるし、ガンコを交わしたあたりの位置で収まることができれば、それほど問題にならなかったかもしれない。しかし、行く気になったキセキは、後続を突き放す感じで、ペースを落とすことなく走り続けてしまった。 もしかしたら、キセキの状態のほうに、問題があったのかもしれないが、間違いなく言えるのは、長丁場を走るために必要なものを、この日のキセキは持っていなかったということ。 キセキとは対照的な走りをし、このレースの勝者となったガンコ。テンで出しても、決して行きたがる面を見せず、キセキに交わされてからも、マイペースを守って逆襲の時間を待った。折り合いをしっかりと付けたことが、キセキとの大きな差になったわけで、それこそが長丁場の一戦で必要なものであることを、改めて印象づける勝利になった。 もちろん、馬自身が充実期に入っていることも大きい。頭はやや高いが、しっかりとした踏み込みでパドックを歩けていたし、何よりも落ち着きがあった。キセキの暴走でレースのラップが速くなり、先行馬にとって厳しい展開にもなったと思うのだが、この流れを押し切るのだから、力の違いを見せたと表現してもいいと思う。 このような競馬ができる馬は、力を出せずに崩れることが少ない。大舞台でも面白い存在になったのではないだろうか。 3/25(日) 中山11R ダ1800m マーチS このレースも1番人気のハイランドピークが9着に敗退した。スタートで躓くような形になり、行くに行けない状況になったのはわかるが、圧倒的なスピードで逃げ切り勝ちをしてきた馬。ハナに行くのは無理でも、もうちょっと位置を上げる仕草を見せてほしかったのが本音だし、競走馬を管理する立場だった私としては、このような競馬をされると少しがっかりする。「ある程度のことはやったんだよ」という姿勢があるのと、それが全くないのとでは、レースへ送り出した側の受け取り方も変わってくるものだ。 勝ったセンチュリオンに話を移せば、激しいレースを好位からの押し切り。力がなくてはできない芸当だったと思う。この日の馬体重は536キロ。十分な馬格があり、このようなパワーのいる馬場も合っているのだろう。地方交流競走は合っているように思うし、出走枠に入ることができれば、積極的に参戦しても面白いと思う。 むしろ、課題は今回とまるで違う競馬となった場合だ。例えば、軽すぎるダートやワンターンのコース。その状況を克服できるようなら、活躍の場も広がってくるだろう。 〈3歳重賞〉 3/24(土) 阪神11R 芝1800m 毎日杯 先週の重賞で1番人気の支持に応えた馬は、このレースのブラストワンピースのみ。そして、積極的にポジションを取りに行った前半の立ち回りと、スッと好位をキープしたあとの走りっぷり──折り合いを欠くことなく、2番手で我慢することができた同馬のレース運びは、これまでの3つのレースで、私が述べてきたことの確かさを証明するものだと思う。 まずは位置を取るためのスピード。現代競馬に必要な要素を、この馬が持っていた。そして、それ以降の折り合い。位置を取ったあとは無駄のことをせず、最後の爆発に備える。これも非常に重要なのだ。直線を向き、内から抜け出してきた時点で「勝負あった」と思えるレースぶり。末脚一辺倒の馬ではない。皐月賞には向かわず、ダービーに直行するとのことだが、今回のレースぶりならチャンスは十分にあると思う。 2着のギベオンは、ブラストワンピースよりも一つ後ろの位置からの競馬。仕掛けてスッと動けない反応の遅さはあったが、最後までしっかりと伸びてきた走りはさすがだった。この馬も大舞台で走る能力を持っていると思うし、どこかで権利を取ってくるのではないか。 3着インディチャンプは、レースの序盤で行きたがり、我慢をさせるという選択肢しか選べなかった。脚を溜める競馬はハマれば見事だが、進路を確保できる補償がない。追い出しを待たされながら、上がり最速の脚を使ったレースぶりは「強い」と感じさせるものかもしれないが、この手のタイプは常に力を出し切れるとは限らない。今回のレースがまさにそうだ。 東京のような長い直線で一か八かの競馬をする──。大舞台で勝つなら、その戦法しかないだろうが、その信頼度はどうしても低くなってしまう。過信は禁物の馬と言えるかもしれない。 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』『人気記事』 などもお楽しみください。

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    【3月17日・18日開催】阪神大賞典、スプリングSほかレース解説

    〈古馬重賞〉 3/18(日) 阪神11R 芝3000m 阪神大賞典 久々の勝利をマークしたレインボーラインの勝因は、折り合いがしっかりとついたことにある。一方、1番人気で3着に終わったクリンチャーの敗因は、最初のコーナーで行きたがってしまったことだろう。 2頭の差異はパドックでの周回にも表れており、ほどよい気合いを見せながら、集中して歩いていたレインボーラインに対し、クリンチャーはどこか緩いというか、少しモタっとしているような印象を受けた。イレ込んでいるわけではないのだが、これを「落ち着いている」と表現するのは難しい。戦前の段階から、クリンチャーはわずかな隙を見せていた。これが競馬の難しいところだ。 3000mの距離は能力もさることながら、いかに消耗の少ないレース運びをするかが重要。その意味で、今回の結果は妥当なものと言えるだろうし、逆に今回の結果だけで、この2頭の序列を決定づけることはできないと思う。 むしろ、折り合いを欠き、勝負どころの手応えは決して良くなかったにもかかわらず、3着を死守したクリンチャーのスタミナには、改めて注目すべきかもしれない。しっかりと折り合い、速い脚を必要としない展開になれば…。天皇賞(春)でも面白い存在となるだろう。 ちなみに今回のレースで私が最も魅力を感じたのは、2着のサトノクロニクルだった。折り合いはそれなりに付いていたが、勝負どころの手応えはそこまで良くなく、このメンバーでは少し厳しいのかな…と一瞬は思わせたのだが、その状況からの2着。なかなか奥が深そうな馬に見えたのだ。 パドックでの周回を見ていてもそうだ。まだ馬体に芯が入っておらず、これから良くなっていくだろう…という印象でしかなかった。この状態でこれだけの結果を出せるのだから、今後に注目が必要な存在と言えるだろう。 〈3歳重賞〉 3/18(日) 中山11R 芝1800m スプリングS 朝日杯FS2着のステルヴィオが貫禄勝ち。離れた2番手で流れを作ったエポカドーロが完璧な競馬をしたことを思えば、これをねじ伏せたステルヴィオのパフォーマンスは、着差以上の能力差を感じるものと言えるだろう。特に最後の1Fでグッと伸びたところは、大きい舞台で走る馬のそれだと感じた。本番の皐月賞でも、差のない競馬をすることができると思う。 折角なので、皐月賞に対する私の簡単な見通しを述べておこう。多くの方が感じているように、ダノンプレミアムは別格レベルの存在だ。キタサンブラックがそうであったように、豊富なスピードを持つ彼は、展開に左右されないポジションを楽に取ることができる。そして、弥生賞で証明したように、中山のような力の必要な馬場を難なくこなすパワーも兼備している。上の能力を持っている馬が、他の馬よりもスムーズな競馬ができるのだから、結果を出し続けるのも当然と言えるだろう。 ステルヴィオはワグネリアンと並ぶ2番手候補の一角。現段階での結論はこうなる。ルメール騎手がコメントしているように、これまでよりも位置を取って競馬をした今回のレースの収穫は大きかった。だが、前にいるダノンプレミアムを捕まえるイメージまでは描けなかった。ワグネリアンについても同様のことが言えるだろう。 ロードカナロアという種牡馬は、私たちが最初に持っていたイメージ以上に距離の融通性があり、スプリンターから中距離馬まで幅広いタイプの産駒を送り出している。2400mがベストの距離とまでは言わないが、3歳のこの時期なら、能力でこなせる可能性は高そうだ。前述した2頭がダノンプレミアムを逆転するのならば、直線の長い東京の2400m。すなわち、ダービーの舞台ということになるのではないだろうか。 3/17(土) 中山11R 芝1800m フラワーC 豊富なスピードを見せたレース内容と、阪神JFで4着のトーセンブレスを負かした結果から、勝ったカンタービレは桜花賞で通用していい能力を持っている馬と考えていいと思うし、桜花賞向きのタイプであるようにも思う。 とはいえ、6キロ減で428キロだった馬体はギリギリで、特に腹回りはかなり薄くなっていた。中2週では回復も難しいだろうし、無理に桜花賞を走ることなく、それ以降の出走を考えているとの話も聞こえている。層の厚そうな今年のメンバー構成を考えたら、その選択もアリなのかもしれないと私は思う。オークスに直行か、それともフローラSのような前哨戦を使うのかは、その時の馬の状態を把握している陣営が決めること。私がどうこうと意見をするものではないが、今回の馬体を見てしまうと、関東に三回連続で輸送するのはリスクがあるな、と思わずにいられない。体のない馬なら、なおさらのことだろう。 それにしても、大きなレースに乗ったときのミルコ・デムーロ騎手は、本当にロスの少ない競馬をしてくる。馬の状態や能力もあるだろうが、このポジションを取りたいという位置にしっかりといる。彼が大舞台に強い理由の一つと言えるのではないだろうか。 3/17(土) 中京11R 芝1400m ファルコンS ダートから芝への転戦は、その逆よりも軽視されやすい。それはダートを走る馬のほうが、芝で走る馬よりもスピードが足りない場合が多いからであって、逆に言えば、それがダートのレースであっても、明らかなスピード能力を見せている馬には当てはまらないと私は思う。その判断材料として私が挙げているのが「ぶっちぎり」での勝利。もちろん、スピードに任せて先行し、そのまま後続を突き放してしまう形が最も望ましい。 ファルコンSを制したミスターメロディは、前記した条件に合致する戦績を残していた馬で、スタート直後に鞍上が手綱を押さえるような格好をした時点で、すでに好勝負ができるような気がした。ダートからの転戦馬にとって、1番の懸念材料になる「スピード不足」を見せるどころか、このメンバーに入っても「スピード上位」であることを早々に示したからだ。 重賞勝ち馬2頭を従えての勝利は賞賛に値するものだろう。芝、ダートのどちらでも勝負になる彼の選択肢は豊富で、私が管理したアグネスデジタルのような「二刀流」の馬として、活躍してほしいと思う。 近い将来の話として、仮にNHKマイルCに出走したとしても、私はいい勝負ができるのではないか、と考えている。もちろん、200mの距離延長は課題となるだろう。しかし、彼の中に眠る豊富なスピード血脈は、大舞台でさらに活きるもの。マイルくらいまでなら、潜在スピードでこなせるはずだ。 〈3歳オープン〉 3/17(土) 阪神11R 芝2000m 若葉S 昨年のホープフルSを制したタイムフライヤーが登場したが、結果は圧倒的な人気を裏切る5着。しかし、この結果に私が驚くことはない。再三に渡って指摘したが、この馬はトモが甘く、それは尾を巻き込んで歩くパドックの周回を見れば、一目瞭然でもある。休養でどこまで解消するのかと思ったが、それほどの成長は感じられなかった。これでは厳しい。 スタートから遅れてしまったが、トモがついてこないのだから、好スタートを期待することのほうに無理があると考えるべき。勝負どころでスッと動けないのも、それを可能にする力がトモにないからで、ゆえに彼はそれまでのロスを直線で取り返す競馬しかできない。ホープフルSの勝因は予想以上にペースが流れたことにあって、タイムフライヤーが自分の力でねじ伏せたわけではないのだ。ここにダノンプレミアムとの決定的な差がある。 勝ったアイトーンは注文通りにハナを切り、自分の形に持ち込めたことが大きかった。とはいえ、次走の皐月賞ではダノンプレミアムがすぐ後ろに控えることになるだろう。普通に考えれば、どう考えたって厳しい。だが、ナメられている状況の逃げ馬は、周囲が思っている以上に楽な競馬をさせてもらえることが多い。絡まれずに先行し、楽な手応えのままで直線を向けるようなら…。勝ち負けになるとまでは言えないが、他力本願のタイムフライヤーよりも、面白いのはこちらのほうかもしれない。 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』『人気記事』 などもお楽しみください。

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    【3月10日・11日開催】金鯱賞、フィリーズRほかレース解説

    〈古馬重賞〉 3/11(日) 中京11R 芝2000m 金鯱賞 スワーヴリチャードとサトノダイヤモンドの登場により、9頭立てでもGⅠレースのような注目を受けた今年の金鯱賞。入場人員は昨年比で176%というのだから、競馬はスターホースありきということがわかったと思う。 結果を先に言えば、圧倒的な人気に推されたスワーヴリチャードが勝ち、状態面を不安視されたサトノダイヤモンドが3着。予想された範囲内で終わった1戦ではあったのだが、1000m通過が63秒0という古馬のGII戦らしからぬスローペースだったことを考えれば、2頭の勝負付けは済んだと判断するのは早計と私は思う。 では、その理由を1頭ごとのパフォーマンスと特徴を考えながら、説明していきたいと思う。 まずはスワーヴリチャード。10キロ増は単純に成長分。落ち着きもあったし、古馬になっての風格が出てきたように感じた。相当に遅いペースということもあり、掛かり気味での追走になったのが、これまでに何度も指摘してきたように、遅いペースでも簡単に折り合ってしまうような馬では、スピード面に疑問符が付くと私は考えている。スピードが全盛の現代競馬でGⅠを勝つためには、ある程度の行きっぷりの良さは必要。力んでいるように見えても、そこで我慢が利いていれば、何の問題もないのだ。 今回の競馬を見れば、大阪杯でもスピード不足で苦しむことはないと思う。例えば、3200mの天皇賞(春)あたりと比べれば、よほど走りやすいのではないだろうか。ただし、それは2000mという距離に対しての話であって、左回りの中京から右回りの阪神に替わるのは、この馬にとって大きなマイナス。有馬記念の映像を何度も確認したが、右回りでの手前の替え方はかなり危なっかしく、はっきりと「サウスポー」と言えるレベルだと思う。GⅠを勝つ能力は持っていても、それを発揮できるのかどうか──。接待的な主役とできない唯一にして、大きな理由がこれだ。 サトノダイヤモンドは心配していたほどの状態ではなく、体の張りもまずまず。思っていたよりも仕上がって出てきたな、と私は思った。その状態での3着。物足りないと感じてしまうかもしれない。しかし、これだけのスローペースを中団で待機し、様子見のようなコース取り。勝負どころの反応の鈍さは、いかにも休み明けと感じるものでもあった。それでも最後はひと伸び──。先ほども述べたように、今回の結果だけを見れば、物足りないと感じてしまうファンも少なくないだろう。しかし、競馬は点ではなく、線で見るものだ。 その視点で考えれば、凱旋門賞以来のレースを3着にまとめ、曲がりなりにも上がり3Fの数字は出走馬最速。次に変わる余地を残した内容は決して悪くない、と私なら考える。スワーヴリチャードが右回りで苦しむのなら、変わり身を見せたサトノダイヤモンドが逆転しても不思議はない。2頭の勝負付けは決して済んでいないのだ。 最後に2頭が次走に出走を予定している大阪杯について。最初にも述べたが、競馬はスターホースがいてこそ盛り上がるもので、そこにはスタージョッキーと呼ばれる人間も必要になってくる。ドバイに日本馬が流出することの抑止策として、大阪杯をGⅠに昇格させたのだろうが、何頭かの馬に見向きもされなかっただけでなく、大事なスタージョッキーまでドバイで乗ることが決定しているという。防波堤となるべき場所は用意したが、肝心の石を置くことはできなかったと表現すべきだろうか。 このようなGⅠでは存在する意味がないと私は思う。売り上げ重視で行くのはわかるが、世界の競馬の潮流を改めて見直して欲しい。単に賞金の高さだけの話をしているのではない。むしろ、それ以外の理由を考えるべきなのだ。 なぜ、そこに馬が集まるのか? 海外遠征というリスクを冒してでも、外に出て行く馬(と人)が後を絶たない理由は何なのか? 世界に通用する競馬を目指すのなら、抜本的な改革をする時期が、しなくてはならない時期が来ていると私は思う。 3/10(土) 中山11R 芝1800m 中山牝馬S ノーマークになった逃げ馬は、常に波乱を演出する可能性がある。それなりの力を持っているにも関わらず、前走で自滅していたカワキタエンカは、1000mの通過が61秒3というスローペースでも、後続のプレッシャーをまるで受けない楽な逃げを打ち、ラストの2Fを11秒台で押し切った。後続のジョッキーからすれば、逃げ馬は「放っておいても止まるだろう」という心理状態だったのかもしれない。だが、そこに落とし穴があったというわけだ。 ただし、これが古馬牝馬の最終目標であるヴィクトリアマイルに繋がるかとなると、さすがに疑問符をつけざるえないだろう。そもそもがワンターンで直線もたっぷりとある東京のマイル戦と、コーナーが4つで少しトリッキーな中山の1800mとでは、共通する部分がほとんどない。実力がストレートに出るコースでないうえに、ハンデ戦でもあるのだから、これをGⅠレースと結びつけて考えるのは不可能だ。今回の結果はあくまで、1つのレースの結果として受け止めておきたい。 〈3歳重賞〉 3/11(日) 阪神11R 芝1400m フィリーズレビュー 本番の桜花賞でも注目を集めるレベルの馬は、先週のチューリップ賞にほとんど出走しており、1400mの距離ということもあって、先のGⅠに繋がるようなペースにもならなかった。最初の600mの通過ラップはスプリント戦並みの33秒7。「魔の桜花賞ペース」と言われた時代ならいざ知らず、阪神外回りコースに条件が変更された現在では、このような乱ペースにもならない。少なくとも、桜花賞の参考レースとはできない1戦だったと思う。 それを頭に入れたうえで、上位の馬について検証していく。まずは勝ったリバティハイツ。直線で狭いところを割り、最後までしっかりと伸びてきた走りは、一定の評価をすべきものだ。展開の恩恵を受けた面もあるが、その内容はまずまずと言っていいだろう。ただし、好スタートを切った勝ち馬に対し、出遅れて外を回す格好になった2着のアンコールプリュのほうが、能力的に上の可能性は高い。あえて注目馬を探すなら、この馬ということになる。 桜花賞へのトライアルレースである中山のアネモネSは、フィリーズレビューよりも本番に繋がらない気がする。逃げた馬を2番手にいた馬が交わしただけのレース。勝ち馬に大舞台に必要な切れも感じなかった。この上位2頭にも優先出走権が与えられるようだが、同じ関東馬なら、シンザン記念を勝ったアーモンドアイ、フェアリーSを勝ったプリモシーンのほうが、チューリップ賞組に迫る可能性はあると思う。 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』『人気記事』 などもお楽しみください。

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    【3月3日・4日開催】弥生賞、チューリップ賞ほかレース解説

    〈3歳重賞〉 3/4(日) 中山11R 芝2000m 弥生賞 昨年の最優秀2歳牡馬に輝いたダノンプレミアムが始動戦に選んだのは、皐月賞と同じ中山の芝2000mで行われる皐月賞。だが、それも当然のことのように私には思える。 ワンターンの競馬しか経験したことがなく、その馬体のイメージと前向きな気性から、距離延長もポジティブに考えられないタイプだ。実際、パドックでの周回は、お世辞にも落ち着いていると表現できるものではなく、もう少しどっしりと歩いてくれたら、言うことがないのだが…と思いながらテレビを見ていた。 だからこそ、様々なトライアルレースの中から、本番と同じ唯一のレースである弥生賞を選択したのだろう。課題があれば、それを見つけやすいだろうし、この条件への適性も判断がしやすいからだ。 そのレースぶりを見ていれば、ダノンプレミアムのスピードが突出していることは明らか。ゆえに、そのスピードが裏目になっての暴走を危惧する声があったのだろうし、レース序盤は手綱を抑えるような仕草を鞍上もしていた。 しかし、この馬の良さは前向きに走りながらも、コントロールが利いているところにある。折り合いを欠きそうで、決して欠くことない走り。それこそが強みだ。その後の圧倒的なパフォーマンスの説明は不要だろう。 馬場の痛みが少ない箇所を選んで走り、2着のワグネリアンよりも追い出しを遅らせる余裕まであった。「皐月賞は決まり」と思ったファンの方も多いだろうし、私もその中の一人である。当然ながら、本番では断然の中心に推されることが濃厚で、ゆえに粗探しのような記事を読むことも増えるだろう。飛びが大きく、ごちゃついた場合にどうなるのか、などの声も上がると思う。 だが、前述したように、この馬が持っているスピードは、他の馬とは明らかに次元が違うのだ。今回と同じように好位置を取ってしまえば、自分の力を出し切れない確率も極端に下がるだろう。どのレースにも言えることだが、位置を取った競馬ができる馬というのは、それだけで大きな武器を持っていることになる。 ダノンプレミアムという馬は、常に自分の力を安定して出せるような気がしている。彼が馬券圏外から外れてしまうとすれば、それこそ距離が明らかに長過ぎたなどの条件が合わなかった場合。しかし、そんな状況でさえも、それなりには走ってきてしまうのではないか。あとは、もう少し落ち着いてくれれば、本当に死角のない馬となるのだが(苦笑)。 常に外を回る安全策で走ったダノンプレミアムは、2着以降にハンデを与えながら走ったようなもので、ゆえに0秒2差の2着でも、まるで惜しい感じがしなかったワグネリアン。だが、本番での逆転は全くの不可能かと問われれば、そんなことはないと私は思う。 もちろん、その確率はそこまで高くないが、一応は上がり最速の末脚は使っているわけで、ダノンプレミアム同様にパドックでの周回にも落ち着きがなかった。休み明けなのか、精神的に幼いのかの区別は別にして、この部分はレースを使い、ガス抜きを行ったことで、多少なりとも改善すると考えているわけだ。 そして、もう一つ。祖母がブロードアピールなら、直線の短いコースもこなすのではないかと考えていたのだが、今回のワグネリアンは勝負どころの反応が、私が予想したよりも悪かった。直線の長いコースのほうが向くタイプと考えるべきなのかもしれない。 ダノンプレミアムほどでないとはいえ、胴が詰まり気味のこの馬も距離延長を歓迎するタイプではない。しかし、同世代相手の2400mなら、なんとかもたすことができるだろう。皐月賞よりもダービーの舞台での逆転を期待すべき、という結論だ。 3着以下にも触れておこう。ジャンダルムはいい競馬をしている。10キロ減の馬体は細くなかったと思うし、ここがメイチの雰囲気もなかったと思う。次走への上積みをしっかりと残しているというのが私の見立てだ。 ただし、この距離ではマイル戦ほどの決め手を使えず、ダノンプレミアムとの器の違いを感じたのも確か。母はスプリンターだったビリーヴ。キトゥンズジョイを父に迎え、多少は胴に伸びが出たとはいえ、本質はマイルまでの馬だろう。皐月賞での逆転は難しいと思う。 4着サンリヴァルはいいペースで逃げることができていたし、これなら粘れると思って見ていたのだが、最終的には4着まで落ちてしまった。上位の馬との力量さを感じたのも確か。 3番人気に支持されながら、4コーナーで外へと飛んで行ってしまったオブセッションは7着。雰囲気のある馬だとは思うが、現状はまだ若い。強敵相手に走ったのも今回が初めて。そんなに簡単ではないということだ。 3/3(土) 阪神11R 芝1600m チューリップ賞 弥生賞と同じく、昨年の2歳チャンピオンが登場。だが、色々な路線から本番へと向かう牡馬クラシックと違い、牝馬路線はチューリップ賞こそが、最重要トライアルとして存在する。それは牡馬の最大目標が日本ダービーなのに対し、牝馬のそれは桜花賞であることと無関係ではないだろう。本番と同じ舞台で走り、本番への見通しを立てたいという思いは、この1戦のほうが上なのだ。 勝ったラッキーライラックの強さは見ての通り。2、3着馬の手が動き出した直線入り口でも、この馬は持ったままで追い出すタイミングを待っていたほど。この点においては、弥生賞のダノンプレミアムと同じだ。ただし、ターフビジョンを確認して最後は流していたダノンプレミアムと違い、こちらはゴールまでしっかりと追ってきた。着差を考えれば、ほぼセーフティーであったのに、石橋騎手はどうしてそんなことをしたのか? これこそが今回の1戦のポイントであったと私は思う。 3番手から簡単に抜け出したレースぶりは単純に強かった。しかし、それだけで満足してしまっては、桜花賞へと繋がるレースにはならない。能力を再確認するだけで終わってしまうからだ。先に抜け出してしまう形になれば、気を抜いてしまう馬かもしれない。父のオルフェーヴルがそうだったように、内にササるような面を見せるかもしれない。1頭になったとき、ラッキーライラックがどのような行動に出るのか──。本番を前にそれを確認することは、周囲が思っているよりもはるかに重要なことなのだ。 前を捕まえに行く形だけでなく、自分から動いて行くレースでも走れることを証明したラッキーライラック。誰もが重要視するチューリップ賞で、これだけのパフォーマンスを見せたのだから、本番での好走確率はかなり高いと言えるだろう。こちらも「桜花賞がほぼ決まり」と思えるレースだったと思う。 2、3着馬についても少し述べておきたい。マウレアは使っている強みを活かしたレースぶり。これ以上の体重減は避けなければならない。栗東に滞在しての調整という話も耳にしているので、この体をキープできるかどうかに尽きる。短期間で関東から二度の長距離輸送はリスクしかないと改めて言っておく。 3着のリリーノーブルは500キロに迫る大型馬で、もう少し長めの距離のほうがあうタイプのようにも思う。休み明けで33秒台前半の切れを求められる形がキツかったのだろう。本番ではきっちりと変わってくるはずだし、それ以降、も注目しておくべき馬だ。 〈古馬重賞〉 3/3(土) 中山11R 芝1200m オーシャンS 勝ったキングハートの走りに一応の賛辞は送りたいが、勝ち馬から0秒5の中に10頭が入った大混戦のレース。この勝利を持って高松宮記念の有力候補に躍り出たと考えることは難しい。 惜しいレースをしたのは、道中で一列下げざるを得ない展開になった3着のダイメイフジだろうし、久々のスプリント戦でもスピード上位を印象付けたレーヌミノルも本番では変わってきそうな存在だ。だが、阪急杯のレッドファルクスが見せたような「次に繋がるインパクト」があったかと言えば、その答えはノー。収穫の少ないレースと言わざるを得ないだろう。 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』『人気記事』 などもお楽しみください。

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    【2月24日・25日開催】中山記念、阪急杯ほかレース解説

    〈古馬重賞〉 2/25(日) 中山11R 芝1800m 中山記念 開幕週の芝は先行馬が有利。どの開催でも当てはまるセオリーだと思うが、今開催の中山は「芝の状態がいいから前が止まらない」のではなさそうだ。 パトロールビデオで確認すればわかることだが、内側の数頭分は芝がなく、白くはげ上がっているような状況。しかし、土の部分が表面化している内ラチ沿いの部分が、逆にコンクリートのように硬くなっているようで、見た目とは逆のグリーンベルト状態になっていると推測する。 今年の中山記念も馬場の状況が左右した結果になったのではないだろうか。ある程度のペースで流れながら、前が止まらず、外を回った馬は馬券の対象にもなれなかった。 例えば、1番人気で4着と追い込み切れなかったペルシアンナイト。彼の敗因は結果的に外を回し過ぎたことにあると思う。脚を使ってはいるのだが、現在の芝状態と逆行するコース取りに泣いた印象。ゆえに今回の1戦で評価を下げる必要はないと私は思う。 勝ったウインブライトは通ったコースだけでなく、切れよりもしぶとさが活きる展開も良かった。「大阪杯でも主役を張れる」と言い切れるほどの迫力はなかったのは確か。しかし、5月の遅生まれであるこの馬は、さらに成長してくる可能性がある。好位から流れに乗れる自在性があるのも強みと言えるだろう。 好感を持てたのは、ステイゴールドの仔でありながら、精神的なゆとりを感じさせたパドックの周回。関西への輸送でも極端にイレ込むことはないだろうし、GⅠの雰囲気の飲まれることもないだろう。面白い存在ではあるかもしれない。 2着は昨年のNHKマイルCを勝っているアエロリット。一度は圏外に落ちそうな状況になりながら、ゴール前で盛り返して2着に粘り込んだ。スパッとは切れないものの、持久力勝負に強いクロフネの産駒らしい走り。地力を見せたレースと言えそうだ。 この馬もウインブライトと同じ5月の遅生まれ。18キロ増でも太め感のなかった馬体から、昨年以上に成長する可能性はあると思う。ただし、ウインブライトと違い、パドックでのテンションの高さは気になった。ネオユニヴァースが入っている血統は、気持ちが高ぶりすぎる面があり、それが距離への壁を作ることになりやすい。その実績が示すように、中距離よりもマイルの方が競馬はしやすい馬ではないだろうか。 2/25(日) 阪神11R 芝1400m 阪急杯 福島調教師の引退に花を添える勝利をダイアナヘイローが飾り、多くのメディアはそれを話題にしていたようだ。レースの途中から主導権を握った武豊君の手腕はさすがと言えるもので、それに応えた馬の頑張りも讃えるべきだと思うが、このレースを見て私が感じたのは、7歳を迎えても衰えないレッドファルクスの末脚の切れ。3着という結果でありながら、高松宮記念への期待が大きく膨らむ競馬と言えるのではないだろうか。 まずは関西へ輸送しても、6キロ増だった馬体重に注目してほしい。普通、長距離輸送があるレースで、次に目標が控えているレースでは、余裕を持って馬を作るもの。この体重増は本番の高松宮記念に向け、まだ作り込める余地を残した状態だったことの証明というわけだ。7歳だけに大きな上積みがないと考えられがちだが、そんなことはないと言っておきたい。 もう一つが、58キロの斤量を1頭だけ背負っていた今回の状況。定量戦の本番では、自分自身の斤量は減り、他の馬と横並びになる。58キロでこれだけの切れを見せたのであれば、57キロで走れる次回はもっと切れると考えるのが普通だろう。堂々の主役として、本番に挑む準備ができたと思う。 1番人気で2着のモズアスコットは、前を捕まえられそうな勢いで伸びながら、最後まで捕まえきれず。坂を上がってからの伸び脚は、レッドファルクスの方が上だったようにも見えた。 能力の高さは疑いようもない。しかし、まだ腰が甘く、踏み込みがぎこちないように感じたのも事実。勝負どころの反応の鈍さなどを含め、まだ本格化していないと考えるべきか。 〈3歳オープン〉 2/25(日) 阪神9R 芝2200m すみれS 勝ったキタノコマンドールが見せたパフォーマンスに、私はかなりのスケールを感じた。その理由は勝負どころで見せた反応の早さ。ほとんどの馬が動き出す4コーナー手前の「勝負どころ」と呼ばれる箇所は、競走馬の持っている能力がストレートに出る部分。この馬はスローペースだった前走だけでなく、ある程度のペースで流れた今回の1戦でも、他馬とは一線を画す反応の早さを見せた。これができる馬は少ない。そして、このようなパフォーマンスを見せる馬は、相手が強くなっても対応できるものだ。 インパクトの大きかったレース内容、速かった勝ち時計だけではない。しっかりとした血統のバックボーンがあるのも強みだ。父がディープインパクト、母父がキングカメハメハ、祖母にトゥザヴィクトリーを出したことで知られるフェアリードールがいる超が付く血統馬。全姉にデニムアンドルビーという活躍馬もいるが、反応の早さは弟の方が上かもしれない。 いずれにしろ、大舞台で活躍する馬は、ほとんどの場合において、血統的な裏付けを持っているもの。その点において、この馬には大きなアドバンテージがあるというわけだ。 デビュー戦からの大きな成長にも触れておきたい。走る馬というのは1走毎に変わり身を見せるものだが、硬さを感じた初戦と違い、今回はパドックできっちりと歩けていたし、踏み込みもしっかりしていた。このような目を見張るほどの成長も、大きなタイトルを取るために必要な要素だと私は思う。 『アカデミック連載 -最強の競馬学-』『馬体診断 -鬼才の眼 フィジカルメソッド-』『人気記事』 などもお楽しみください。

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